【試乗評価】新型トヨタ プリウス α 広くて上質なハイブリッドカー [DAA-ZVW41W-AXXEB(T)]

トヨタプリウスα前面画像

今回の【試乗評価】は「新型 トヨタ・プリウス α S ツーリングセレクション(初代・7人乗り)」。2011年に登場した、Mクラスのステーションワゴン(5ドア)です。

「プリウスα」は、「プリウス」という名前からも分かる通り、ベースになっているのは「先代 プリウス(3代目)」です。

スタイリングに「プリウス」のモチーフ上手く取り入れているものの、実際にはほぼ専用ボディで、内装デザインもプリウスとは違います(ステアリングは共通)。乱暴にいってしまえば、「ウィッシュのボディにヴィッツの顔をくっつけた」感じです。

「ハイブリットカーに乗りたいけれど、プリウスではちょっと狭い」なんて不満を抱いていた人達にズバリとハマるミニバン(3列シート)、もしくはステーションワゴン(2列シート)として開発されてます。ハイブリット専用モデルなんで、ガソリン仕様はありません。

ボディはプリウスよりも一回り大きく、拡大された室内を生かして「2列シート5人乗り」と「3列シート7人乗り」があります。普通、こういったモデルで売れるのは「3列シート」なんですが、プリウスαの場合は「2列シート」の方が売れています。それだけ、プリウスαをミニバンではなく、ステーションワゴンと捉えれいる人が多いということでしょうねえ。

新型の4代目プリウスについては、「新型 トヨタ プリウス Sツーリング セレクション【試乗評価】」のページをご覧ください。

また、旧型の3代目プリウスについては、「【中古車試乗】トヨタ プリウス S」のページをご覧ください。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 トヨタ・プリウス α S ツーリングセレクション(初代・7人乗り)」の概要

デザインはベースとなったプリウスとよく似てますが、実際のボディパネルはほぼ専用設計で、サイズもプリウスより一回り大きいです。そのサイズ差は全長で+155mm、全幅で+30mm、全高で+85mm。ホイールベースにいたっては、80mm延長されてます。乗り味の良さも手伝って、プリウスよりは車格がひとつ上がった感じです。

プリウスのデザインを上手に活かしながら全高を高め、ルーフをリアエンド後端まで延長。ボディサイズの大きさと相まって、後席と荷室が大幅に拡大されてます。この辺が、プリウスとの一番の違いですね。室内が広くなったおかげで、ベーシックな「5人乗り2列シート」の他に、「7人乗り3列シート」も選べるようになってます。ステーションワゴンぽく使いたいなら、2列シート、ミニバンなら3列シートといったところでしょう。

「7人乗り仕様」は後に「3列目シート」を設置するため、荷室の床下に積んである「バッテリー」をセンターコンソールの下に移動しました。スペースを無駄にしない素晴らしいアイディアですが、コンパクトで高価なリチウムイオン電池を使ってるため、価格は少々お高いです。

プラットフォームを「プリウス(3代目)」と共有

基本となるプラットフォーム(車台)は、トヨタの中小型車用アーキテクチャー「新MCプラットフォーム」。これに、プリウス(3代目)にも搭載されてるハイブリッドシステム「HTSⅡ」が使われます。

このプラットフォームを使う車は多く、「プリウス(3代目)」の他には「RAV4(3代目)」や「ハリアー(3代目)」、「MIRAI」、「マークX ジオ」などがあります。

ライバルは中小型ミニバン

中小型のミニバンで、ハイブリッドシステムを搭載しているとなれば、「日産 セレナ」や「ホンダ ステップワゴン」なんかがライバルになります。ただし、どちらもハイブリッド専用ボディじゃありませんので、「真っ向勝負のライバル」というわけではありません。

2014年にマイナーチェンジを実施

登場から3年目となる2014年にマイナーチェンジを実施。ヘッドライトやフロントグリル周り、リアコンビランプのリフレクター形状を変更。内装にも手が加えられてます。機能面としては「プリクラッシュセーフティシステム」を始めとする「先進安全技術」の強化をしながら、これの価格を抑えました。乗り心地は若干良くなってますが、パワートレーンの変更はありません。

2017年一部改良

2017年の改良で、先進安全技術「Toyota Safety Sense P」を全車に標準装備。

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外観

ボディサイズ、全長4645全幅1775mmX全高1575mm。ホイールベース、2780mm。

「プリウスα」はプリウスの派生車種ですが、荷室スペースと一回り大きなボディのせいで「ウイッシュのボディにヴィッツの顔を付けた」ようにも見えますし、見る方向によっては「アクアのお兄さん」という感じもしますね。

いずれにせよ、街中に溢れている「先代プリウス(3代目)」や「現行プリウス(4代目)」とは雰囲気が違いますので、目先が変わって新鮮です。「プリウスに乗ってみたいけど、ご近所とかぶりすぎるのは嫌」という人には面白い選択肢になると思います。

フロント

ガバっと口を拡げたようなフロントバンパーに、鉤爪のように鋭いヘッドライト。ベースとなった3代目プリウスの雰囲気を残しつつも、一歩進んでアグレッシブな感じです。厚みのあるラインで重厚感も表現されているんで、プリウスよりもちょっとだけ上質なイメージになってます。

サイド

短いノーズに大きなキャビン(居住スペース)。傾斜の強いAピラー(一番前の柱)。ノーズからAピラー、ルーフが一体となってリアエンドまでなだらかなラインを描いているんで、プリウスというよりは5ドアハッチバックのアクアに近い感じです。

荷室が大きくなった分、リアまわりの重厚感がまして、どっしりとした安定感があります。

リア

トヨタプリウスα後部画像

多角形をモチーフにしたラインで構成された、塊感とか重厚感あふれるリアエンド。ミニバンにしては全高が低いし、ステーションワゴンにしては腰高なんで、スポーティな5ドアハッチバックのようにも見えます。アクアと似ているのは、このプロポーションのせいでしょうねえ。もちろん、デザインモチーフが同じというのもありますが。

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内装

トヨタプリウスα内装画像

ダッシュボードのキメが細かく、さらっとした質感(見た目が)なんで清潔感があります。パネルのチリもしっかりと合っているし、メタリックパーツやピアノブラック調パネルもバランスよく配置されてるんで、クオリティは高いです。環境に配慮したハイブリッドカーの内装としては、十分に満足できます。

ベースとなっているのは30系プリウスですが、内装デザインはあんまり似てません。曲線を基調にした30系プリウスの内装に対して、プリウスαの内装は直線的で少しばかり重厚感もあります。

血筋の近い兄弟車にまで、まったく別のデザインを起こすなんて流石トヨタです。そんじょそこらの小規模メーカーとはお金のかけ方が違います。

運転のしやすさ

Aピラー(フロントウィンドウ左右の柱)が太く傾斜も強いんで、本来なら左前方に大きな死角ができるはずです。ただ、視界を遮るドアミラーがピラーの付け根から後退していて、そこに小さな三角窓もあるんで、死角の範囲は最小限に抑えられてますね。

流線型のボディのせいで見切りは悪いんですが、短いノーズ(鼻先)と高めのアイポイント(目線)によって取り回し自体は結構良いです。

シート

フロントシートはプリウスと同じ形状ですが、表皮の素材が若干アップグレードされてます。その分、座り心地も安定していて、街中など中距離程度(50kmくらい)までの移動なら疲れにくいです。

セカンドシートは足元が広く、頭上空間にも余裕があります。クッションのストロークやコシ、表皮の柔軟性も十分です。グラスエリアが広く、目線が前席よりも高いから開放感はまずまず。ただし、シートが折りたたみを前提とした形状なんで、背もたれの高さが若干たりません。長距離ドライブ(100kmとか200kmとか)はきついな~という印象です。

サードシートはクッションが薄く、形も平板。奥まった部分に潜り込むように座るため、開放感や快適性は少ないです。それでも、緊急用のシートだと考えれば、座り心地は良い方でしょう。まあ、短距離以外で乗りたくはありませんけどね。

荷室

荷室スペースは、サードシートを使っているとかなり小さくなります。それでも、2、3日分の買い物とか、日帰りドライブくらいならなんとかなりそうです。ただ、普段は5人乗り以下で使うことが多いでしょうから、サードシートの背もたれを倒してステーションワゴンのように使えば良いと思います。これなら、家族4人で荷物のかさばるキャンプ遊びも余裕です。

静粛性

プリウスαは、エンジンノイズの低減と遮音材や吸音材の追加によって、その他のトヨタ系ハイブリッドカーと比べてもかなり静かになってます。

エンジンに高い負荷を与える急な上り坂やフル加速時は、若干エンジンノイズを高めることもありますが、普段はロードノイズや風切り音の侵入も小さく、エンジン音も静かなんです。

パワーユニットとトランスミッション

1797cc・直列4気筒エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。
エンジンは、最高出力99ps/5200rpm、最大トルク14.5kgf・m/4000rpmを発揮。
電気モーターは、最高出力82ps、最大トルク21.1kgf・mを発揮。

車両重量1470kg。JC08モード燃費、26.2km/l。

パワーユニット

プリウスよりも一回りボディが大きくなっている分、走りが穏やかです。といっても必要十分なパワーはあるし、電気モーターのおかげで低速トルクもまずまずなんで不満は無いです。

町中など日常の使用ならおとなしい「ECOモード」だけでも十分いけます。逆に、トルクカーブが緩やかなんで「市街地ではこっちのほうが扱いやすい」と感じる人もいるでしょう。

電気モーターを使った近未来的な走行フィールで、リニアモーターカーとか新幹線のように「すー」とスムーズに加速。アクセルレスポンスが自然なんで操作しやすいです。ハイブリッドカーならではの違和感もありません。

ドライブモードを「PWR」にすれば、さらに駆動力がアップしてレスポンスも良くなるんで急な坂道や加速をしたい時に便利です。いつもより力強く走れます。

ハイブリッドシステムの完成度が高い

トヨタのハイブリッドシステムは他社に比べて完成度が高いんで、電気モーターとエンジンの切り替えが非常にスムーズです。減速時にエネルギーを電気に変換して回収する「回生ブレーキ」の効きも自然(※)で、ガソリン車から乗り換えたばかりの人でもすぐに馴染めます。

※出来の悪い回生ブレーキは、唐突に制動力が立ち上がるんで扱いづらいこともあるんです

トランスミッション

ハイブリッドシステム全体でCVTのような働きを担う、電気的無段変速機を装備。

パワーユニット自体の出力はプリウスと変わりませんが、最終減速比が若干下げられているんで、その分、力強い感じがあります。プリウスより車重は重くなっているんですが、もっさりとした感じは無いです。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、215/50R17。

30系プリウスよりホイールベースが80mm延長されていることと、車重の増加、トレッド幅の拡大などが積み重なって、乗り味にもそれなりの重厚感があります。フィーリング自体も改善されていて、しなやかで上質な感じです。

コーナリング中は控えめなロールを伴うものの、挙動が自然で予測しやすいため、気持ち悪さとか不安な感じはありません。なんでも、前後方向への揺れを電気モーターの微妙なトルク変動で打ち消す仕組みが入っているそうで、姿勢変化が少なくフラットな印象が強いです。直進安定性も高く、高速域でもフラットな姿勢のまままっすぐに進みます。

30系プリウス由来のシンプルな「トーションビーム式リアサス」を組み込んでいるため、段差では若干ゴツゴツとした印象です。といっても、上級車種としてコストが掛けてある分、プリウスよりは断然乗り心地は良くなっていると思います。

ハンドリング

カチッとした正確さは無いものの、穏やかで自然なハンドリングです。ドバイバーの操舵に素直に反応してゆったりと曲がります。プリウスαのキャラクターに合った、癒し系のハンドリングって感じです。

運転を楽しむタイプの車じゃ無いですけど、乗り心地とハンドリングのバランスが取れているんで運転しやすいと思います。

最小回転半径は、5.8m。ボディサイズを考えても、ちょっとばかし大回りな印象です。

先進安全技術

2017年の一部改良で、先進安全技術「Toyota Safety Sense P」を標準装備(”Sツーリングセレクション・GR SPORT”以外のグレードに)しています。

遠くまで見通す力の強い「ミリ波レーダー」と、形や大きさを見分けるのが得意な「単眼カメラ」を組み合わせることによって総合的な安全性能を向上させたんです。

予防安全技術

危険の芽を未然に見つけて摘み取る「予防安全技術」としては、衝突を予測して自動ブレーキを作動させる「プリクラッシュセーフティシステム(歩行者検知機能付き)」と、白線や黄線からのはみだしを検知して警告およびステアリングアシストを行う「レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御機能付き)」を装備してます。

運転支援技術

運転の疲労を軽減する「運転支援技術」としては、対向車を検知してハイビームとロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」と、先行車と適切な車間を保ちながら設定された速度で追従する「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付き)」があります。

【試乗評価】のまとめ

「新型 トヨタ・プリウス α S ツーリングセレクション(初代・7人乗り)」 は、プリウスをベースに開発された中小型のミニバン(5ドアハッチバック)です。

ベースとなっているのは「先代プリウス(3代目)」ですが、プリウスより一回り大きく作り込みやセッティングも違うため、ひとクラス上の上質感とか車格感があります。

ハイブリッドシステム自体もプリウスと同じです。ただし、重さのせいかプリウスのような軽快感はありません。まあそれでも、必要十分なパワーはありますけど。。。乗り味は重厚感とかしなやかさを伴うもので、ハンドリング自体も穏やかな「癒し系」です。

ハイブリッドカーならではの近未来的走行感覚と「α」の上質感や重厚感が一緒になっているんで、プリウスとはまた違う新鮮な世界観がありますね。

プリウスよりも、たくさんの人や荷物が積める!

最大の特徴は、プリウスのデザインをベースにしながらも拡大されたボディサイズと、ミニバンとステーションワゴンの中間のようなボディ形状です。これのおかげで3列シート仕様なら7人が乗れますし、荷室にはプリウス以上の荷物が積めます。

車に「強い趣味性」や「深い味わい」を求める人には向きませんが、「ハイブリッドカーのクリーンなイメージや静粛性が好きで、便利な道具として割り切って使いたい」とか、「燃費が良いだけのハイブリッドカーじゃ物足りない、もうちょっとだけ上質なハイブリッドカーが欲しい」なんて人にはピッタリです。

特に、今まで「プリウスにもうちょっと人や荷物が積めたらなあ」なんて不満があった人は最高の車となります。

中古車市場では

2018年式「トヨタ・プリウス α S ツーリングセレクション(初代・7人乗り)」で270万円前後。2015年式で200万円前後(2019年1月現在)。

新車価格

3,222,720円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)