メルセデスベンツ・Eクラス E250 AVENTGARDE(W212・後期・4代目)【試乗評価】圧倒的な完成度とモダンなスタイル [RBA-212036C]

メルセデスベンツEクラス前面画像

今回の【試乗評価】は「メルセデスベンツ・Eクラス E250 AVENTGARDE(W212・後期・4代目)」。
2009年から2016年に掛けて製造販売されていた、Lクラスの高級4ドアセダンです。このほかにステーションワゴンと2ドアクーペ、オープントップのカブリオレがあります。

「Eクラス」は、メルセデスベンツにとって「Cクラス」と並ぶ基幹車種のひとつ。注目度も高くて 世界中からも注目されていて、発売されるとすぐに購入してバラバラに分解調査する自動車メーカーも珍しくありません。いわゆる「ベンチマーク」ってやつで、この車から始まる世界的なトレンドは多いです。

1985年に登場した「初代 Eクラス」は、その後、マイナーチェンジと改良を繰り返しながら、1995年まで10年の長きに渡って製造され続けた超ロングランモデル。といっても「Eクラス」というネーミングになったのは1993年からで、当初は「ミディアムクラス」と名乗ってました。この「ミディアムクラス」というのは、「最善か無か」というメルセデスベンツの古い思想に基づいて設計された最後の車で、今でも根強い人気があります。

この初代Eクラスが発売されていた頃、日本はバブル景気真っ盛りです。ということもあって、高価なEクラスがバンバン売れてました。芸能人やプロ野球選手にも愛用する人が多かったんで、テレビにもよく映ってましたねえ。

四角いボディに角型ヘッドライト、重厚感たっぷりの格子グリル、ボンネット先端に輝くスリーポインテッドスター。この組み合わせのイメージが強すぎて、今でも「メルセデスベンツ」と聞くと初代の顔が頭をよぎります。

2016年に発売された最新型の5代目Eクラス・セダンについては、「新型 メルセデスベンツ Eクラス E200(W213)【試乗評価】」のページを、最新型5代目Eクラス・ステーションワゴンについては「新型 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン(S213)E220 d【試乗評価】」をご覧ください。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
スポンサーリンク

「メルセデスベンツ・Eクラス E250 AVENTGARDE(W212・後期・4代目)」の概要

サイズとしては、CクラスとSクラスの中間に位置する「アッパーミドルセダン」です。流石にSクラスまで行くと大きすぎるんで、日本でドライバーズカーとして使うならこのくらいのサイズが限界だと思います。「Sクラスより小回りがきいて、室内も広い」ということで、ショーファードリブン(運転手付き)として使うオーナーも多いです。

角型4灯ヘッドライトに、エッジの効いたシャープなボディライン。スポーティで都会的なスタリングになってます。といっても市場からの評価は今ひとつで、歴代Eクラスのようには売れませんでした。先代Eクラスが抱えていた「ブレーキ周りの不具合」と、それに絡むイメージダウンも痛かったです。

後期型では、そんなイメージの回復と売上アップを狙ってスタイリングを一新。Cクラスに近い2灯式ヘッドライトを採用して、穏やかでエレガントな感じになってます。

プラットフォームなど

高張力鋼板を多様した軽量高剛性ボディに、2.0リッターツインカムターボを搭載。これにトルコン式の7速ATを組み合わせてます。エンジンスペック(初期型)としては先代と変わりませんが、エネルギー効率が向上してるんで、ちょっとだけ燃料代が節約できます。

先代よりも全長と全幅は拡大されましたが、逆に全高だけは低められて「ロー&ワイド」なプロポーションに。それに伴ってホイールベース(前輪と後輪の間隔)も延長され、後席を中心に居住性が向上してます。ということで、前後に長く、幅も広がって、走行安定性とか乗り心地も良くなりました。

ライバルは

ライバルは、「BMW・5シリーズ」や「アウディ・A6」などのドイツ製プレミアムLクラスセダン。欧州では「Eセグメント」というくくりで分類されるクラスです。

日本車で「Eクラス」と競合できるのは「レクサス・LS」くらいでしょう。同じグループの「トヨタ・クラウン」とはコストの掛け方が違うんで、どっちを選んでも後悔することはありません。

マイナーチェンジ情報

2013年にビッグマイナーチェンジを実施。内外装の大幅なデザイン変更と、パワートレインのアップデート。さらに安全装備の充実まで行われ、全体で2000箇所以上にわたる大規模な改良を受けています。

スポンサーリンク

外観

ボディサイズ、全長4890mmX全幅1855mmX全高1455mm。ホイールベースは2875mm。

2013年にビッグマイナーチェンジが行われ、ラグジュアリーサルーンにふさわしい伸びやかで美しいスタイリングとなりました。

フロント

フロントフェイスは、角型4灯ヘッドライトから、丸みを帯びた2灯デザインに変更。同時に「LEDパフォーマンスヘッドライト」を内蔵し、先進的なイメージを強調しています。それに伴ってグリルの角も若干丸められ、柔らかで上質な印象に。ちょっと野暮ったかったEクラスが、すっきりと垢抜けました。

E250(ベースグレード)以外の上級グレードは、大きなエンブレムをスポーツグリルと組み合わせた、いわゆる「アバンギャルド顔」です。つまり、昔ながらの「エレガンス顔(グリルの上に小さなスリーポインテッドスター)」が好きという人は、E250(ベースグレード)を選択するしかありません。

サイド

ロングノーズ&ビッグキャビンで構成された、美しいFRルック。Eクラスにふさわしいエレガントな雰囲気があります。

前期型から受け継ぐ直線的なラインを基本としながらも、丸みを帯びたディティールが与えられ、伸びやかで上質な印象。それに伴ってサイドモールド(メッキ)の位置も下げられており、腰高感を解消しています。

リア

張りのあるヒップラインにハイデッキ化されたリアエンド。重厚感あふれる角型リアコンビランプが組み合わされ、威風堂々とした後ろ姿を構成。

マイナーチェンジによって、サイドから回り込んでくるモールド(メッキ)の廃止と、リアコンビランプ内、リフレクター形状が変更されています。

メルセデスベンツEクラス後部画像
スポンサーリンク

内装

メルセデスベンツEクラス内装画像

重厚感あふれるインパネにピアノブラック調パネル、輝度を抑えたシルバーパーツを組み合わせた室内。最新型Eクラス(5代目)のような華やかさはありませんが、古き良きメルセデス・ベンツを感じさせる質実剛健な佇まいがあります。

センタークラスター最上段には、ナビゲーションなどを表示する液晶ディスプレイ。中段にはアナログ時計を挟んで、ふたつのエアコン吹き出し口をレイアウト。

シフトセレクターがステアリング横に移動したため、センターコンソール上の空いたスペースに大きな小物入れを設置。使い勝手の向上とスペースの有効活用を両立しています。

メーターナセルには、シルバーリングに縁取られたスポーティな三眼メーター。スピードメーターの中央に小さなマルチファンクションディスプレイが装備され、走行距離や時間、室外温度などを表示しています。

シート

フロントシートは、合皮とスウェード調ファブリックを組み合わせた上質なシート

サイズ感のあるシートに柔軟な表皮、コシのあるクッションが組み合わされ、少し身体が沈んだところでガッチリと支えます。重厚感あふれる座り心地が、いい車に座っている実感を高めます。

リアシートも、フロントシートと同様に快適な座り心地。ホイールベースが拡大され、室内の居住性が向上しています。足元、頭上空間ともに十分なスペースが確保されており、大人二人で座っても快適。日本でショーファードリブン(運転手付き)として使うなら、Sクラスよりも少しコンパクトなEクラスの方が居住性と取り回しのバランスが良いです。

荷室

幅、奥行きともに広大なスペースを確保。開口部も広くスクウェア(四角)で、大きな荷物の出し入れも簡単。家族4人であれば、荷物のかさばるキャンプ遊びも余裕です。

静粛性

室内にはたっぷりと遮音材や吸音材が施され、クラス最高レベルの静粛性を実現。エンジンノイズは遠くで僅かに聞こえるだけ。風切音、ロードノイズ共によく抑えられています。

エンジンとミッション

1991cc・直列4気筒DOHCターボエンジンとに、7速ATが組み合わされます。
エンジンは、最高出力211ps/5500rpm、最大トルク35.7kgf・m/1200-4000rpmを発揮。

車両重量1750kg。JC08モード燃費は、15.5km/l。

エンジン

2.0Lツインカムターボで後輪を駆動(FR)。

「成層燃焼リーンバーン+ターボチャージャー」を世界で初めて市販車に搭載。高い動力性能と優れた低燃費、キレイな排気ガスを同時に実現しています。

このタイプのエンジンには、「一定の回転域で規定値以上の排気ガスを出してしまう」という欠点がありましたが、最新技術の投入と高度なエンジン制御によって鮮やかに解決しています。

ここ一番のパンチ力には欠けるものの、フラットでぶ厚いトルクによって1.7tあまりの重量級ボディをスムーズに加速。日常域でのパワーも十分以上で、急な坂道や合流ポイントでも流れをリードして力強く走ります。

※成層燃焼=点火プラグの周りだけ燃料が濃い ※リーンバーン=理論空燃比よりも燃料の比率が低い

トランスミッション

トルコン式の7速ATを装備。トルクフルなエンジンを活かして、早いタイミングで次々と変速。エンジン回転を高めにくいため、プレミアムカーにふさわしい上質感があります。

アクセルを強く踏み込めば、瞬時にキックダウンして必要なトルクを発生。スムーズかつダイレクトなフィールが気持ち良いです。ダイナミックバランサーの採用によって不快な振動もしっかりと抑制、高回転域まで気持ちよく吹けあがります。

乗り心地とハンドリング

前輪に3リンク式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、前245/40R18、後265/35R18。

高剛性ボディに減衰力の高められたスポーツサスが組み合わされ、ドイツ車らしい重厚感あふれる乗り味を実現。低速域ではゴツゴツとした衝撃を伝えやすいですが、サスの初期作動に十分なしっとり感があるため不快な突き上げはありません。路面の凸凹をキレイに吸収して、滑らかなライド感を表現しています。

高速域での安定性が高く、フラットな姿勢を維持して真っ直ぐに直進。進路を乱されにくい。良く出来たシートと高性能サスによる相乗効果で、長距離ドライブも快適です。

ハンドリング

ハンドリング速度は比較的スロー。軽量コンパクトな2.0Lエンジンが鼻先にマウンドされ、素直で軽やかなステアリングフィールを実現しています。FRらしい自然な身のこなしで、狙ったラインを正確にトレース。スポーティな車とは一味違った、高級サルーンならではの上質な一体感があります。

最小回転半径は、5.3m。ボディサイズの割に小回り性能が高いです。

その他

先進安全技術は最新の「レーダーセーフティパッケージ」を搭載。

一世代前の古いモデルですが、現代の水準と比較しても遜色のない先進安全技術が使われています。さらに、2013年のマイナーチェンジでは、従来の「中距離ミリ波レーダー」に加えて「ステレオカメラ」と「後方ミリ波レーダー」も装備。左右の死角から接近してくる車の検知と、プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)の歩行者対応を実現しています。

さらに、一定の車間と設定した速度を維持して前車に追従する「アダプティブ・クルーズコントロール」と、コーナーや直線に合わせて車線を維持する「レーンキーピング・アシスト」を追加。これらの機能は、ベースグレード以外のすべてのグレード(E250)に標準装備されます。

「COMANDシステム」は、オーディオやナビ、インターネット通信などを統合制御。ハンズフリーフォン、車輌設定、アドレス帳といった便利機能も装備されます。

【試乗評価】のまとめ

「メルセデスベンツ Eクラス E250 AVENTGARDE(W212)」は、Cクラスと並ぶメルセデスベンツの基幹車種。高剛性ボディに高性能サスを組み合わせた重厚感あふれる乗り味と、高級サルーンにふさわしい穏やかで素直なハンドリングが与えられています。新開発された2.0Lツインカムターボは、トルクフルでスムーズ。4気筒ユニットにしては吹け上がりの良さも上々です。

拡大されたボディとホイールベースによって、室内の居住性を大きく拡大。トランクスペースにも広大な容量が確保されています。

マイナーチェンジによってアップデートされた「先進安全技術」は、現代の水準と比較しても遜色の無いレベル。中古でEクラスを買うなら是非チェックしておきたい装備です(E250以外の全車種に標準装備、E250にはオプションとして設定)。

「会社役員の乗る社用車として、高級プレミアムサルーンを探している」とか、「最上級の乗り味を持つドライバーズカーが欲しい」といった人に最適な車です。

中古車市場では

2015年式「メルセデスベンツ Eクラス E250 AVENTGARDE(W212)」で300万円台後半。2013年式で300万円台前半(2018年5月現在)。

新車価格

6,870,000円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)