今回の中古車試乗は「2010年式 VWゴルフ TSI Trendline」をレポートします。
この世代のゴルフはたっぷりとコストが掛けられており、当時は質感の高さから専門各誌で随分評判となっていました。
現行型にバトンタッチする時のテーマの一つが「コストダウン」ですからそのクオリティの高さが伺いしれます。
外観
ほんわかした表情ながら、ボディはがっしりとしていて剛性が高そうなスタイリングです。真面目でこれといった飛び道具はありませんが、いくら見続けても見飽きないデザインです。
歴代のゴルフシリーズと同じく何十年後に見ても陳腐化しない普遍性が感じられます。これは小手先のデザイン処理に走らず、しっかり合理的な使い勝手を煮詰めた上でスタイリングされているからです。
内装
現行型と比べると質素なインテリアデザインです。しかし考え抜かれた合理的なデザインで使い勝手は良さそうです。
前席はたっぷりとしたサイズとストロークで快適な座り心地です。適度な固さもあり体圧が集中しないので長距離でも疲れません。
後部座席も同じく快適なシートで、また頭上空間もたっぷりしています。大人の男性でも快適に長時間座っていられるでしょう。
この後部座席を倒すとラゲッジの容量を拡大することができます。
エンジンとミッション
1.2Lエンジンと7速DSGが組み合わされています。
最大トルクは17.8kg・mで、日常使用で過不足無いエンジンパワーです。ただ登坂車線ではもうちょっと余裕が欲しいと思います。
DSGはトラブルが多く報告されており、また低速でギクシャクする特性があります。しかしフィール自体はダイレクトで気持ちのいい物です。
減速時に強めにエンジンブレーキがかかる事があります。燃費を考えれば慣性を使って「すー」と走行して欲しいところですが、これはこれでスポーティな感覚で楽しいです。
静かなエンジンながら「Sモード」で踏み込めばそれなりに気持ちのいいサウンドを響かせます。
アイドリングストップが装備されていますが、再始動時の音と振動は大きめです。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラットサス、後輪に4リンクサスが装備されています。
ハンドリングは素直かつ自然なフィールで運転しやすい特性です。ポロのようなキビキビした面白さはありません。
乗り心地はソフトですが、ロールしながらもしっかり路面を捉え続けるしなやかな足回りです。
ロードインフォメーションも豊富で運転する楽しさがあります。
評価のまとめ
この世代のDSGはトラブルの報告が多いです。今から買うのはなかなか勇気がいります。
しかし直営店なら1年の無償保証とさらに1年の有償延長保証が付くので安心できます。
保証期間の2年間乗ってみて、トラブルが出るようなら買い替えるというのも良い手だと思います。
車自体はVWらしい真面目な良い車ですから買って後悔することはありません。
主要諸元
全長X全幅X全高 | 4210mmX1790mmX1485mm