新型 BMW 330e M Sport(F30)【試乗評価】スポーティで上質なプレミアムPHEV [DLA-8E20]

今回は「新型 BMW 330e M Sport(F30)」を試乗レポートいたします。BMW3シリーズは、2012年のモデルチェンジで6代目となりました。

今回の330eはこのBMW3シリーズに新たに加えられた、プラグインハイブリッドの新しいグレードです。

以前のBMW製ハイブリッドカーは、マイルドハイブリッドを主体とした商品構成だったのですが、欧州のCO2規制の仕組みがプラグインハイブリッドに非常に有利ということもあり、最近は急激にPHEVの車種構成を広げています。

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外観

全長4645mmX全幅1800mmX全高1430mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2810mmとなります。

ガソリン車とプラグインハイブリッド車で、外観上の違いはそれほどありません。

特徴的なキドニーグリルと横一列に連結された薄いヘッドライトユニットが、精悍でスポーティなデザインを形作っています。

ロングノーズショートデッキの伸びやかで躍動感あるサイドビューです。勢いよく引かれたキャラクターラインが力強さを増していますね。
ガソリン車との違いは、左前輪フェンダー後ろにPHEV専用のコネクターが設置されていることです。

テールエンドでは、330eのエンブレムが唯一のガソリン車との相違点です。サイドにグッと張り出したリアフェンダーと薄く小さなリアウィンドウの対比、ワイドボディを強調する力強いデザインのリアコンビランプが相まって精悍な印象です。

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内装

メーター表示がPHEV専用になる以外は、ガソリン車と共通のインテリアデザインです。BMWらしいやる気にさせられるスポーティな雰囲気です。

前席シートは、サイドサポートの強い構造で、ホールド感と快適性が適度に調和しています。

後席シートは、少し平板なデザインですが、硬さとコシが適度にあり、長距離でも疲れにくいシートです。

トランクルームの下にバッテリーが搭載されているため、荷室容量は100Lほど低下していますが、大人4人が一泊旅行に行く程度なら十分な容量です。

ハイブリッドならではの静かさに加え、ボディにしっかりと遮音材が装備されているため車内の静粛性は高いです。

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エンジンとミッション

1998ccの直列4気筒DOHCターボエンジン+電気モーターに、8速ATが組み合わされます。
エンジンは、184ps/5000rpmの最高出力と、27.5kgf・m/1350-4600rpmの最大トルクを発揮します。
また電気モーターは、88psの最高出力と、25.5kgf・mの最大トルクを発揮します。
車両重量は1770kgで、JC08モード燃費は、17.7km/lとなります。

直列4気筒DOHCターボエンジンと8速ATの間に、88馬力を発生する電気モーターがビルトインされています。

そのたシステム全体では3L自然吸気エンジン相当のパワーを発揮します。 システムの合計出力は253psとなり、ガソリン車の330i(251ps)と比べても遜色のないパワーです。
ガソリン車に比べて車重が200kg近く重いものの、電気モーターが低速からたっぷりとしたトルクを発生しているため、中低速域でもっさりした印象はありません。

システム全体では最高速度225km/hを達成します。また、「MAXeDriveモード」では、電気モーターだけで120km/hまで加速することができますが、通常ハイブリッド走行モードの「AUTOeDriveモード」では70km/hまでになります。ただ、この「AUTOeDriveモード」のでは急激なアクセル操作や電池残量が不足している状況では、70km/hに達する前に自動的にガソリンエンジンが立ち上がります。

電気モーターだけの最大航続距離は36.8kmで、蓄える電力が20%を切るとエンジンが自動的に始動します。これはカタログ値ですから、実際は30km弱といったところでしょうか?買い物や通勤で15km圏内の人なら、ガソリンを使わず電気だけで走行することが可能ということになります。

電気モーターからエンジンへの切り替えは、日本のプリウスなどと比較しても遜色がないくらいスムーズです。

また、BMWらしく正確で確実な作動感のブレーキフィールで、回生ブレーキにありがちな不自然さは皆無です。

足回りとハンドリング

前輪にダブルジョイント・スプリング・ストラット式サスペンション、後輪には5リンク式サスペンションが装備されます。また、前後ともにスタビライザーで強化されています。

ステアリングの遊びが少ない、自然で正確な作動感のBMWらしい操舵感です。
ハイブリッド化により車両重量が200kgほど増加していますが、低重心化と前後重量配分50:50が施され、ニュートラルで正確なステアリング特性は失われていません。

曲がりくねったワイディングを、ミズスマシのようにスイスイと走り抜けます。

重量の増加とM Sportサスペンションの相乗効果により、低速ではゴツゴツと路面の凸凹を拾いますが、速度を上げるとフラットで上質なBMWらしい乗り心地を取り戻します。

評価のまとめ

ディーゼルエンジンモデルの320dより42万円ほど高い価格ながら、逆に燃費は330eの方が劣るという結果になっています。このため、純粋にランニングコストを抑えたいという人にはオススメしにくい車です。

しかし、この330eは燃費の良いエコカーというより、3L自然吸気エンジン並みの力強い走りと、スムーズで重厚感ある新鮮な乗り味が持ち味です。しかも、価格はライバルのメルセデスベンツC350e AVANTGARDEと比べると100万円以上リーズナブルです。そのため、スポーティでリーズナブルなBMW製PHEVと捉える人には魅力的な一台となります。

価格

価格 | 5,990,000円(税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)