新型VW シャラン【試乗評価】広大な室内とセダンライクな乗り心地 [DBA‐7NCZD]


VWシャラン前面画像

今回の試乗レポートは「新型VWシャラン TSI Highline」。
このVWシャランは2010年のモデルチェンジで2代目となった、Lクラスの5ドア・ミニバンです。

基本プラットフォーム(基本骨格)には、VWパサート(7代目)と共通のものが使われています。2013年にマイナーチェンジが実施され、安全性の強化とともに、プリクラッシュブレーキ(被害軽減ブレーキ)が装備されました。

旧型の初代VWシャランについては「初代 VW シャラン 1998年式【旧型試乗】」のページをご覧ください。

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外観

全長4855mmX全幅1910mmX全高1730mmのボディサイズを持ちます。またホイールベースは2920mmとなります。

サイズと車重が大幅にアップして、カテゴリーも一回り大きなフルサイズミニバンになりました。見た目にも威風堂々とした存在感があります。

遠目で見るとゴルフトゥーランとそっくりで、見分けも付きにくいのですが、実際に近づいてみると印象は大きく異なり圧倒的な迫力と存在感が感じられます。

フロント

フロントまわりには、ゴルフファミリーと共通する端正な表情が与えられています。

サイド

サイドもトゥーランと共通するイメージで、重厚感のある質実剛健なシルエットです。ただシャープな印象のトゥーランに対して、シャランにはゆったりとした上質感と鷹揚な重厚感があります。
また、シャランにはトゥーランには無い両側スライドドアが装備され、使い勝手でも大きく上回ります。

リア

トゥーランには現行型のゴルフに似たシャープなリアコンビランプが装備されますが、シャランのリアエンドには旧型ゴルフのイメージを残す、重厚なデザインのリアコンビランプが装備されています。

VWシャラン後部画像
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内装

質実剛健で使い勝手の良さそうな上質感のある内装デザインです。メーターも大きく見やすい合理的なレイアウトが取られています。

エッジの効いたシャープなデザインのトゥーランに対して、どこか暖かみのあるやさしい印象を与える和み系のインテリアデザインです。

燃料タンクのたくみなレイアウトによって、床が低くレイアウトされ、広々とした室内空間を実現しています。

シート

アルカンターラと本革のコンビシートは、上質でしっとりとした大人のイメージです。
フロントシートは身体をやさしくつつむ形状で、ソフトなタッチながら芯材のクッションには適度なコシがあり、体圧を気持ち良く分散させてくれる快適なシート構造です。

フルサイズミニバンでありながら、2列目シートは幅が少し狭いです。といっても快適性や座り心地に問題はありません。適度なコシと硬さを持つ快適なシートです。

3列目シートは2列目と同じくらいの幅を持ちますが、シートバックの高さが低くクッションも薄めです。緊急用に限定した使用がオススメです。ただ、着座位置が高く設定されているため、囲まれ感や閉塞感は感じられません。また、ガソリンタンクのレイアウトが巧みで、サードシートの床が低く設定されているので、足を抱え込むような窮屈な姿勢で座らされることもありません。

旧型シャランでは、シートアレンジの為にシートを一度取り外す必要がありましたが、新型シャランでは日本車のようにその場で折り畳んでフルフラットにする事ができます。
そのせいで、2列目、3列目のサイズが旧型より少し小さくなっているのだと思います。

使い勝手を選ぶか、シート単体の快適性能を重視するかはユーザーの使用環境により大きく左右される部分なので、どちらが優れたシートかという事ははっきりとは言えないのですが、個人的には安定感のある大きめのシートが好きです。

荷室

後部ギリギリに3列シートが装備されるため、荷室容量は大きく制限されます。幅と高さは十分ですが前後に余裕がありません。ただ、4人乗車時はサードシートを折りたたむ事ができますので、4人家族で2泊3日旅行くらいなら余裕でこなす事ができます。

2列目シートはフォールディング機能の他、取り外すことも可能です。3列目シートを畳んで2列目シートを取り外せば、商用車並の広大なカーゴスペースを作り出すことができます。

またこのHighlineグレードには、左右両側電動スライドドアの他にテールゲートにも電動機構が標準装備されます。この電動テールゲートは、リアバンパーの下に足を入れることで作動する、感応センサー式です。

静粛性

ロードノイズと風切り音ともに良く遮音されており、車内の静粛性は良好です。

VWシャラン内装画像
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エンジンとミッション

1.4L直列4気筒ツインチャージャーエンジンと、6速DSGが組み合わされます。
エンジンは、150ps/5000-6000rpmの最高出力と、25.5kgf・m/1500-3500rpmの最大トルクを発揮します。JC08モード燃費は、15.0km/lとなります。

エンジン

エンジンがダウンサイジング化されたため、排気量は半分に抑えられていますが、スーパーチャージャーとターボによる過給システムによって、先代以上の最大トルク(25.5kg)を発生します。

若干出足がもっさりする事がありますが、低速ではスーパーチャージャーが働き、中高速域ではターボが過給を開始するため、日常域から中高速域まで力強い加速が可能です。

実用域では必要十分の動力性能を発揮しますが、高回転型のエンジンでありませんので、ある程度回転が上がるとそこでトルクは頭打ちとなります。
豊かでフラットな低速トルクを使って、坂道を物ともせずにグイグイと駆け上がります。ただし、高回転域でのノイズが大きく、アクセル開度によってはエンジン音が大きく高まることになります。

といってもスポーツカーではありませんので、実用上の問題はありません。低燃費と力強いトルクを両立したバランスの良いエンジンです。

トランスミッション

組み合わされる6速DSGは、なめらかで切れ目のないスムーズな制御が自慢です。ただし、ストップ&ゴーの多い都市部での走行は苦手で、若干ギクシャクする傾向があります。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪には4リンク式サスペンションが装備されます。
前後共にスタビライザーで強化されています。

ハンドリング

大きなフルサイズミニバンとしては、比較的クイックなステアリング設定がなされており、ドライバーのイメージどおりに気持ちの良いラインを描いて走る事ができます。
また、重心の低いエンジンをフロントミッドシップの低い位置に搭載しているため、ミニバンらしからぬ優れた重量バランスを持ちます。そのため、全高の高さを感じさせないセダンライクな身のこなしが可能となります。

ただし、ボディサイズの幅が1910mmに、長さが4855mmにも達するため、市街地など狭い場所での取り回しに苦労します。

足回り

1820kgの超重量級ボディとしっかりした剛性の高い足回りにより、ソフトなタッチと重厚感のある乗り心地を実現しています。

新型シャランはロングホイールベースボディにより、ピッチングと姿勢変化が少ない安定した特性です。速度が高くなるほどその傾向は強まり、ドイツ車ならではの圧倒的なフラット感を味わう事ができます。

ただ、基本プラットフォームには、現行型ゴルフ等とは異なり一世代前の古いプラットフォームが使われています。そのため、路面の荒れた部分を通過すると、衝撃を吸収できずにゴツゴツと不快な衝撃を車内に伝えることがあります。

その他

マイナーチェンジにより、全車にプリクラッシュブレーキ(自動ブレーキ)が標準装備されています。加えて、オプションで「リアシート一体型のチャイルドシート」が選択できるようになりました。

評価のまとめ

フルサイズミニバンボディによる広大な室内とトルクフルな走り、大柄なボディを抱えているとは思えないセダンライクな身のこなしと、ゆったりとした芯のある乗り心地が新型シャランの大きな魅力です。
シンプルでありながら上質な内外装は、押し出し感の強い国産ミニバンが苦手な方にもオススメです。

ただ、市街地でのDSGによるギクシャクとした振る舞いや、大柄なボディの取り回しなど少し気になる点もあります。こういったポイントは乗る人の好みや技量によって大きく印象が異なりますから、気になる方は一度ディーラーで試乗してみる事をオススメします。

国産車ではヴェルファイアなどのLクラスミニバンがライバルとなります。見た目の高級感や巧みなシートアレンジではヴェルファイアの方が優れますが、上質な乗り心地と高い安定性、シートのどっしりとした座り心地などはこのシャランの方が上です。

トレンドラインは、安い値付けが特徴のお値打ち車ですが、装備が若干貧弱です。ある程度の装備と価格のバランスを求めるのなら、コンフォートライン以上のグレードをオススメします。

価格

価格 | 4,630,000円(税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

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謎のアクセス減少地獄継続中!(2017年11月)

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