今回は「新型 スズキ スプラッシュ」を試乗レポート。
2008年から2014年に渡って製造販売されていた、コンパクトな5ドア・ハッチバックです。
ベースとなるプラットフォームには、2代目スイフトのモノが使われています。
ハンガリー製という事もあって、どこか日本車離れした雰囲気を持つ魅力的な車です。
外観
全長3775mmX全幅1680mmX全高1590mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2360mmとなります。
フロント
がっしりとしたフロントフェンダーに、力強く前方にせり出したグリル、大きな縦型ヘッドライトが組み合わされ、塊感のある軽快なフォルムを構成しています。
サイド
スイフトの屋根を上に引っ張っぱったような面白い台形型のフォルム。このフォルムのお陰で、コンパクトなボディでありながら、そこそこ広い前席空間を実現しています。
リア
垂直に立ち上がったリアエンドに、くの字型の大きなリアコンビランプをレイアウト。ワイドなリアフェンダーとの相乗効果で、大地を「グッ」と踏みしめるような力強さを感じます。
内装
コンパクトなボディサイズの割に、ルーフが高いので室内は広々としています。加えて見晴らしも良いので、運転がしやすいです。メーターナセルには、大きな単願メーターが備えられ、使い勝手、視認性ともに良好です。
プラスチッキーなインパネに、おもちゃのような質感のメタリック素材が組み合わされます。一世代前の軽自動車のような質感です。
シート
フロントシートは、しっかりとしたコシのある硬めのシート。身体が不自然に沈み込む事が無いので、長時間のドライブも快適です。
リアシートは、ベースとなったスイフトよりも狭めで、長時間ドライブはキツイです。
荷室
全長が短いため、相対的に荷室スペースは少なめです。といっても、家族4人で1泊2日旅行くらいなら十分にこなせます。
静粛性
ロードノイズが大きい反面、バイブレーションは小さく抑えられています。
エンジンとミッション
1242ccの直列4気筒DOHCエンジンに、CVT(無段階変速機)が組み合わされます。
エンジンは、91ps/6000rpmの最高出力と、12.0kgf・m/4800rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1050kg。JC08モード燃費は、19.6km/lとなります。
エンジン
1.2Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。小排気量の自然吸気エンジンながら、市街地では必要十分の加速が得られます。
ただ、このエンジンの特性をしっかりと引き出すために、欧州仕様のようにMTと組み合わせたいところです。
トランスミッション
日本仕様は、CVTのみのラインナップとなります。スムーズで実用的なトランスミッションですが、MTやDCTのような楽しさはありません。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
足回り
欧州車のように適度に引き締まったスポーティな乗り味。目地段差では衝撃をコツコツと拾いますが、アタリがしっとりとしているため不快な印象はありません。
高速安定性も高く、フラットライドな乗り心地を実現しています。
ハンドリング
重厚感のある重めのステアリングフィール。ドライバーの操舵に対して正確に反応するため、素直に曲がります。ドライバーの操舵に対して正確に反応、素直にノーズの向きを変えます。
コーナーの続くワインディングでも、姿勢を乱すことなくスルスルと駆け抜けていきます。ロール量も少なく、安心してステアリングを握ることができます。
評価のまとめ
欧州車のような重厚感のある乗り味と、ボディサイズの割に広々とした運転席。日本車離れしたキュートなスタイリングを持った魅力的な車です。
ちょっとロードノイズが大きい点と、狭いリアシートが気になりますが、「普段は1人か2人で使う事が多く、欧州車のような乗り味が好き」という人にはピッタリな一台です。
また、このキュートな外観が気に入って、通勤や通学に使いたいという女性にもオススメしたいです。このスプラッシュには、今流行りの先進安全技術は装備されていませんが、それと同じくらい大切な、ボディ剛性やエアバック(運転席、助手席、サイド)などの装備はしっかりと備えられています。
価格も手頃ですから、若い人が自分の収入に合わせて無理なく買うことができるのも、この車の大きな美点です。
価格
価格 | 1,324,080円(消費税込み)