今回の旧型レポートは「2代目 ホンダ インテグラ ZXi(1992年)」です。
この2代目ホンダ・インテグラは、1989年に登場したコンパクトな3ドアクーペです。
主にアメリカ市場向けとして開発され、現地ではホンダの高級ブランド「アキュラ」専用モデルとして販売されていました。
この3ドアハッチバックの他に、実用性の高い4ドアハードトップもラインナップされていました。
外観
全長4390mmX全幅1695mmX全高1325mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2550mmとなります。
4代目シビック(EF型)のプラットフォームを使い、若者向きのスポーティなスタイリングを成立させています。
フロント
低く抑えられたノーズに、横に薄く広がる角型のヘッドライトが装備されます。直線基調でありながら、ワイド&ローのグラマラスなスタイリングです。
安全基準のからみから、現在では中々こういったスタイリングは難しいのですが、わくわくさせるような楽しさがありますね。
サイド
薄いボディに薄いピラーによるハードトップ。現在の車と比べると、本当に華奢な印象を受けます。そんな感じもふくめて、なんともいえないカッコよさがあります。
リア
ちょっと当時のシルビアを彷彿とさせるようなリアコンビランプですね。後ろ斜めからのルックスが、2代目インテグラ一番の「オススメビューポイント」となります。
ハイデッキ化されたトランクにワイドなリアコンビランプが組み合わされ、スポーティなかっこよさ満点です。
内装
暗いブラック樹脂による地味ーな内装です。機能はしっかりと整理されているため、使い勝手は良好です。
リアウィンドウが小さいため、後ろ斜め後方の死角は大きめです。スタイリッシュなクーペであれば、この当たりはある程度しかたがありませんが。
シート
前席には、スポーティな形状のかっこいいシートが装備されます。長距離ドライブでは疲労が溜まりがちですが、中距離(30km)程度までであれば問題ありません。
後席はヒップポイントの低い、窮屈な着座姿勢を強いられます。居住空間も狭いため2+2として割り切った使い方が必要です。クッションのコシも不足気味で、短距離(10km)ドライブでもすぐに疲れてしまいます。
荷室
クーペとしては広々とした荷室が確保されています。2人で2泊3日旅行くらいであれば余裕でこなすことができます。ハッチバックにより、開口部も広々としており、使い勝手は良好です。
静粛性
遮音性が低く、ロードノイズ、風切音ともに大きめです。
エンジンとミッション
1590ccの直列4気筒SOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、120ps/6300rpmの最高出力と、14.5kgf・m/5500rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1080kgで、10モード/10・15モード燃費は、11.8km/lとなります。
スタイリッシュなボディとは裏腹に、ドライブフィールは「4代目シビック(EF型)」そのものです。
エンジン
1.6Lエンジンで前輪を駆動します。シングルカムエンジンとしては、異例に高回転型のエンジンが搭載されます。フラットなトルク特性とATの制御により、市街地でもたもたする事はありません。量販型のシングルカムユニットにも、しっかりとコストが掛けられています。
インテグラの上級グレードにはVTECエンジンが用意されますが、このエンジンの良さをたっぷりと味わうためにはマニュアルギアボックスが最適です。あくまでもATで乗りたいという人には、このSOHCエンジンで十分です。
トランスミッション
高回転型エンジンをしっかりと回して、最適なパワーを絞り出します。スムーズで実用的なトランスミッションです。
足回りとハンドリング
前後ともににダブルウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。
足回り
少し引き締まったスポーティな乗り心地です。段差では衝撃を車内に伝えますが、不快な印象はありません。
ハンドリング
バランスの良い自然なハンドリングです。ステアリングの操作量に合わせて自然にノーズが向きを変えます。
評価のまとめ
3ドアクーペは若者向け。4ドアハードトップは、シビックフェリオよりちょっとスタイリッシュなセダン。という具合に、同じモデルでありながらドアの数によってしっかりとキャラクターが分けられています。
4ドアとして使うなら、室内空間がしっかり確保されたシビックフェリオの方が、価格も安くて使い勝手も良いです。対する3ドアハッチバックは、若者が個人的に使う車として独自のカッコよさを持っています。
安いグレードに乗っていると、どうしてもVTECエンジンが気になるものですが、街乗りとしてスポーティな雰囲気を楽しむだけならこのシングルカムエンジンで十分な魅力があります。
価格
新車当時の価格 | 1,726,000円