ドアヒンジレンチとは、メガネレンチの一種ですが、自動車のドアヒンジを留めているボルトを回すために開発された特殊な専用工具です。おもにドアヒンジを交換したり調整する時に使用します。
ドアヒンジレンチの特徴
自動車のドアヒンジは、ボディとドアの継ぎ目という狭い隙間の中にあるため、普通のメガネレンチではグリップ部分がボディに干渉して上手く作業を進めることができません。
そこでこの「ドアヒンジレンチ」という専用工具を使うのですが、このレンチの先端はL字型に折り曲がり、狭い隙間に横から差し込んで作業ができるように工夫されています。
メガネレンチのように両端にドーナツ型の作業部分が設置してありますが、メガネレンチと違うのは、それぞれ逆方向、L字型に折れ曲がっている点です。
逆方向に折れ曲がっている理由は左右のドアそれぞれのドアヒンジに対応しているためです。したがって、両端ドーナツ部分のサイズはどちらも同じとなります。
ドアヒンジレンチの使い方
ドアヒンジレンチの使い方は普通のレンチと変わりませんが、ドアヒンジを交換したり、ドアを外そうとする場合には、ドアを支えるための土台が必要になります。
本来ならドアをがっちり挟み込んで支えることのできる専用工具が必要ですが、DIYでそこまでの工具を揃えることはできません。そこで、自動車をジャッキアップした時にボディの下に噛ませる「ウマ」や手近な「ブロック」などを活用します。ドアを直接ウマやブロックに載せると塗装を傷つけてしまいますので、ドアが当たる部分には柔らかいクッションやゴムなどで養生をしておいてください。
ウマやブロックをドアの下に入れ、高さをちょうどドアを支えるのに具合が良いくらいに調整しておきます。ウマの場合は調整機構がありますが、ブロックを使う場合にはクッションの枚数で調整するといいでしょう。ただし、ウマやブロックにはドアを完全に固定するための機能はありませんので、ドアのボルトが緩んできたらしっかりと片手でドアを保持することを忘れないでください。
ドアヒンジ部分は狭いので、専用工具のドアヒンジレンチといえども、少しずつしか回すことができません。ボディに引っ掛けて傷を付けないように地道に作業する必要があります。
ドアヒンジレンチ使用上の注意点
ドアヒンジレンチ使用上の注意点は、普通のメガネレンチと変わりません。ピッタリサイズの合ったレンチを使い、しっかりと奥までレンチとボルトを噛み合わせてから作業をしてください。斜めにはめたり、サイズが合っていなかったりすると、ボルトの山をなめて破損してしまいます。
ドアヒンジ部分は狭いので、レンチのグリップ部分をボディに当てないように慎重に作業してください。