長距離運転による疲れの代表的症状として「肩こり」「腰痛」などの病態がありますが、いずれの場合も、筋肉、脊椎などの状態など様々な原因が考えられます。これに加えて、長距離ドライブでは精神的なストレスの蓄積といったこともあり、原因が複雑に重なりあっていることがほとんどです。
もともとこういった「肩こり」や「腰痛」といった症状をかかえている人は、長距離運転でのストレスが加わることで、さらに症状が悪化しやすくなります。
また、普段は健康な人であっても、長距離運転のような疲労の溜まりやすい状態にあると、程度の差はあるものの、同じような症状を発症してしまいます。
そこで今回は、長距離運転で疲労がたまる原因と、その回復法および予防法についてご紹介したいと思います。
腰痛の起こるメカニズム
まず、腰痛が起こるメカニズムについて説明したいと思います。背中には脊椎という大きな大黒柱のような骨があり、この脊椎を横から見ると緩やかなS字を描いているのが特徴です。この脊椎の前後にはそれぞれ筋肉が付いていますが、脊椎のバランスが崩れてS字の一部に力が集中してしまうと、この脊椎を支える筋肉への血流が悪くなり、筋肉が硬直してしまうことになります。その結果、疲労物質の乳酸が溜まり、痛みや不快感を感じてしまうのです。これが、腰に疲労が溜まり腰痛が起こるメカニズムです。
運転中、脊椎のバランスが崩れている状態というのは、言うまでもなく姿勢の悪い状態で運転を続けている時です。具体的には、腰をシートバックの奥に入れずに、前の方にずらして猫背気味に運転したり、シートバックを倒しすぎて、仰け反るような姿勢で運転している状態です。
運転の正しい姿勢については「【運転のコツ】正しいドライビングポジション」のページをご覧ください。
正しい姿勢でも疲労は溜まる
また、正しい姿勢で運転をしていても、長時間に渡って同じ姿勢で運転をしていると、やはり体には疲労が蓄積されていきます。
筋肉には体の疲労物質をポンプのように送り出すという役目がありますが、同じ姿勢で運転していると筋肉の動きが少なくなり、新鮮な血液を全身に行き渡らせることが出来なくなります。そのため疲労物質が体の同じところに溜まり、腰痛や肩こりが起きやすくなるのです。
疲労を効果的に解消する方法と予防法
そういう時は、パーキングエリアに車を止めて、周りを軽く歩き回ったりストレッチをしたりすることで、硬直した筋肉に新鮮な血液が供給され、腰痛や肩こりなどの疲労を効果的に解消することができます。
また、疲労が溜まってからだけではなく、疲労が溜まる前に小まめに休憩を取ることで、疲労による腰痛や肩こりなどを未然に防ぐこともできます。
加えて、正しいドライビングポジションを取り、自分の体にあった座り心地の良いシートを使えば、さら効果的に疲労を予防することができます。