アルファードは、トヨタが誇る高級ミニバンです。車両本体価格が300万円台~700万円台と高額にもかかわらず、比較的お安いプリウスやヴィッツ、アクアなんかと同じくらい売れてます。
今回は、そんな「アルファード」にかかる税金について調べてみました。
主な税金の内訳は「環境性能割(自動車取得税)」と「自動車重量税」、「自動車税」です。この内、「環境性能割(自動車取得税)」は自動車を購入する時だけに。「自動車重量税」は購入時と車検ごとに。「自動車税」は毎年1年毎に支払います。その他に「ガソリン税」や「消費税」もあるんで、考えるだけで嫌になっちゃいます。
税額のシミュレーションに使ったモデルは、「トヨタ・アルファード 2.5S Cパッケージ(FF/7人乗り)」。税額の元になる車両本体価格(4,464,900円)は消費税を含んだ額で、オプションなどが全く付かない素の状態です。
※具体的な税額については、ザッと流し読みをしても分かるように「赤字」で書いてます。
アルファードを購入する時にかかる「自動車取得税」は廃止され、「環境性能割」に
まずは、2019年10月から導入された「環境性能割」について計算してみましょう。
「環境性能割」は、2019年9月に廃止された「自動車取得税」に代わる税制で、同時に増税された消費税を軽減するという意味合いが強いです。ただし、「環境性能割」という名前からも分かる通り、燃費の良いハイブリッドカーや電気自動車、燃料電池車なんかのほうが優遇されてます。
アルファードの場合は、「自家用」の「登録車」というカテゴリーですから、税率は環境性能によって「0~3%」の間で決められます。
「2.5S Cパッケージ」の「環境性能割」はいくら?
「2.5S Cパッケージ」はオーソドックスなガソリン車なんで、本来の税率は「3%」です。といっても、現在は消費税の軽減措置として暫定的に1%軽減され「2%」の「75,000円」が課税されます。
この軽減措置は「2020年9月末」までなんで、アルファードのガソリン車を買うならそれまでに納車した方がお得です。
アルファードを購入する時と車検の時にかかる「自動車重量税」
「自動車重量税」は、自動車の車両重量にもとづいて課税される税金で、新車を購入する時と車検の時に課税されます。
2021年の5月まで、新車を購入する時に1度だけ特例措置として「エコカー減税」が適用されます。軽減税率は車の環境性能によって決められます。消費税の導入に伴って多少軽減税率はアップしてますが、残念ながら「アルファード 2.5S Cパッケージ」は適用外です。
「2.5S Cパッケージ」の「自動車重量税」はいくら?
「トヨタ・アルファード 2.5S Cパッケージ(FF/7人乗り)」の場合、車両重量は2,010kgです。税制上の分類としては「2,000kg超〜2,500kg未満」になるんで、新車購入時に3年分として61,500円が課税されます。年間に直すと「20,500円」です。
毎年かかる「自動車税」
「自動車税」は、毎年5月上旬頃に「納税通知書」が来て、5月末までに支払う税金です。ただし、地域によって多少時期にばらつきがあります。心配な人、納税通知書が届かない人は、お住まいの都道府県に直接問い合わせてください。
2019年10月から増税された消費税の軽減対策として、この「自動車税」も多少減税されてます。税額自体はエンジンの排気量に応じて決められます。
車の環境性能に応じて減税する「グリーン化特例」は、現行制度のまま2021年4月まで延長されました。適用されるのは、新車登録年度の翌年だけです。といっても「アルファード 2.5S Cパッケージ」は燃費(JC08モードで11.4km/l)が悪いんで元々適用されませんけどね。
「2.5S Cパッケージ」の「自動車税」はいくら?
「トヨタ・アルファード 2.5S Cパッケージ(FF/7人乗り)」の場合、排気量は2,493ccです。税制上の分類としては「2,000cc超〜2,500cc以下」なんで、毎年「43,500円(減税前は45,000円)」が課税されます。
アルファードを購入する時にかかる「消費税」
2019年10月から消費税が10%に値上げされました。食品なんかは軽減税率として8%に据え置かれてますが、アルファードは自動車なんでそのまま10%が課税されます。
燃費の悪い車は実質的な増税になりますが、燃費の良い車にはある程度の軽減措置が取られます。ただし、軽減措置には期間が決められたものもあるんで、自動車を購入する予定のある人は気をつけてください(「環境性能割」の軽減措置は2020年9月30日まで、「グリーン化特例」は2021年4月まで、「エコカー減税」は2021年5月まで)。
「2.5S Cパッケージ」の「消費税」はいくら?
「トヨタ・アルファード 2.5S Cパッケージ」のカタログを見ると、車両本体価格が4,464,900円とあります。これは消費税10%を含んだ額なんで、ここから逆算すると「405,900円」がアルファードにかかる消費税となります。40万円超というと、有機ELパネルを使った65インチのソニーBRAVIAが買えちゃう額です。これが右から左へと飛んでいくんですから、ホント嫌になりますね。
実際はさらにここからメーカーオプションやアクセサリー類、諸費用なんかが加算され、それに伴って消費税も上がります。
ガソリンを補給する度にかかる「ガソリン税」
ガソリンにかかる税金は、アルファード本体に掛かるわけじゃありませんが、払うのは同じなんで計算しときます。
まず、ガソリン税として1リッターにつき28.70円。暫定税率として1974年から25.1円が加算。石油税として2.9円。合計すると1リッターあたり56.7円が税金です。さらに忘れちゃいけないのが消費税。全体のガソリン価格に対して10%が課税されます。
まさにガソリンの半分が税金といったおかしな状態です。自動車産業は日本に残された数少ないドル箱なんですから、「もうちょっと優遇してあげもいいんじゃない?」なんて思います。
「2.5S Cパッケージ」の「ガソリン税」はいくら?
カタログ値に対して実際の燃費が8割程度と仮定すると、「2.5S Cパッケージ」の燃費は「9.1km/l(小数点2位以下四捨五入)」。年間の走行距離が10,000kmなら、1年で1,099リッター(小数点以下四捨五入)のガソリンが必要です。
ガソリン単価がリッターあたり140円なら、1年間に必要となるガソリン代は「153,860円」。消費税は10%ですから、「15,386円」が課税されます。
さらにリッターあたりのガソリン関連税56.7円を、年間で必要となるガソリン量で乗算すると「62,313円」。これに消費税を足すと、合計で「77,699円」が年間でガソリンに対して課税される税金となります。
「自賠責保険」と「リサイクル料金」
「自賠責保険」と「リサイクル料金」は厳密には税金じゃありませんが、法律で義務付けられたものなんで最後に計上しときます。
「2.5S Cパッケージ」の「自賠責保険」はいくら?
アルファードは自家用乗用車なんで、24ヶ月で「25,830円」が課税されます。年間に直すと半分の「12,915円」ですね。
「2.5S Cパッケージ」の「リサイクル料」はいくら?
アルファードのリサイクル料金は「16,550円」。
トヨタ・アルファードに掛かる税金のまとめ
「トヨタ・アルファード 2.5S Cパッケージ」に掛かる税金をまとめると、「新車購入時に掛かるもの」と、「その後定期的に課税されるもの」に二分されます。
「新車購入時に課税されるもの」は「環境性能割」と「消費税」、「リサイクル料」。合計すると「497,450円」です。
「その後定期的に課税されるもの」が「自動車重量税」と「自動車税」、「ガソリンに掛かる税」、「自賠責保険」。年間で計算すると「154,614円」になります。
※「自動車重量税」と「自動車税」、「自賠責保険」は新車購入時にも払うけど、基本的に定期的に掛かる税金なので「その後定期的に課税されるもの」に分類してます。