新型 トヨタ アリオン A20 プラスパッケージ(2代目・後期型)【試乗評価】地味ながら質感の高い内外装と、熟成された走り [DBA-ZRT261]

今回は「新型 トヨタ アリオン A20 プラスパッケージ(2代目・後期型)」を試乗レポート。
2007年にフルモデルチェンジした、小型4ドアセダンです。

兄弟車のプレミオと比較すると、一部の細かいディティールが異なるだけで大きな違いはありません。

2010年のマイナーチェンジでエンジンのアップデートと小変更を行い、6年後の2016年には内外装のデザイン変更を伴うビッグマイナーチェンジが行われています。

このクラスのセダンは需要が減ったとはいえ確実なニーズが見込めます。そのため簡単にモデルチェンジをすることはできませんが、かといってモデルを廃止するわけにもいきません。そこで苦肉の策として、地道なマイナーチェンジで熟成させつつ延命をはかっているという事情があります。

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外観

全長4590mmX全幅1695mmX全高1475mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2700mmとなります。

保守的なカテゴリーに属するアリオンですが、プリウスなど、エコカーの影響を受けて流線型のワンモーションフォルムに近いスタイリングを持ちます。

フロント

ふくよかなフロントノーズに、カチッとした角型のヘッドライトが組み合わされ、穏やかで重厚感のあるフロントフェイスです。兄弟車のプレミオとはグリル形状が異なり、メッシュグリルのスポーティなデザインが与えられています。

サイド

短いノーズと小さなリアエンドに、前後に長いキャビンが組み合わされ、ワンモーションフォルムに近いズングリとしたサイドビューです。

リア

傾斜の強いリアウィンドウにゆったりとしたリアエンドが組み合わされ、優雅で重厚感のあるリアビューを構成しています。左右に分割されたリアコンビランプによって、リアエンドのワイドな安定感が強調されています。

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内装

しっとりとした樹脂素材に上質な木目調パネル、にぶく輝くメタル素材が組み合わされ、クラス標準を超えた質感の高い内装に仕上がっています。

シート

前席は、たっぷりとしたストロークと適度な硬さのバランスしたクッションに、肌触りの良いファブリックと合皮が組み合わされます。長時間ドライブしていても疲れの少ない快適なシートです。

後席には、頭上、足元空間ともに充分な余裕があります。大人二人であれば快適に座ることができます。

荷室

リアサスの張り出しが少なく、広々とした荷室が確保されています。開口部が大きく開いているため、嵩張る荷物の出しいれも楽々です。

静粛性

静かでスムーズなエンジンのおかげで、室内の静粛性はクラス標準レベルを超えています。

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エンジンとミッション

1986ccの直列DOHC4気筒エンジンに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
このエンジンは、152ps/6100rpmの最高出力と、19.7kgf・m/3800rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量1270kg。JC08モード燃費は、15.6km/lとなります。

エンジン

2.0Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。ノイズとバイブレーションの少ない上質なエンジンです。低速からたっぷりとしたトルクを発生するため、出だしから中高速域までキビキビとした力強い走りが可能です。急な坂道や合流ポイントでイライラさせられる事もありません。

この他に1.8Lエンジンと1.5Lエンジンがありますが、1.5Lでは車重に対してパワーが不足気味です。バランスを考えると1.8Lがベストな選択です。

トランスミッション

ベルトとプーリーによって無段階に変速するCVTを装備。低速トルク型のエンジンを効果的に使って、緻密な変速制御を行います。低速回転を中心に制御しているため、ノイズやバイブレーションが高まることも少ないです。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。

足回り

乗り心地とハンドリングのバランスを重視した、適度に引き締り感のある快適な乗り味です。大きなうねりを超えてもフワフワと落ち着きの無い動きをすることはありません。

目地段差では不快な衝撃をしっかりといなして、乗員にゴツゴツとした感触を伝えることはありません。

ハンドリング

シニア向けセダンの予想を裏切るシャープなハンドリングです。といってもスポーツカーのような過敏さはありません。あくまでも大人の余裕を残したスポーティさです。

中期モデルにあった切り始めの鈍さもだいぶ改善されています。

その他

マイナーチェンジに伴って、先進安全技術「Toyota Safety Sense C」が装備されています。

「Toyota Safety Sense C」の内容には、衝突による被害を低減、もしくは回避する「プリクラッシュブレーキ」と、車線逸脱警報を備えた「レーンディパーチャーアラート」、対向車を感知してハイビームをオンオフする「オートマチックハイビーム」が含まれています。

評価のまとめ

ビッグマイナーチェンジによって、内外装の質感が大幅に向上しています。中期型モデルでは乗り心地やハンドリングに物足らない部分がありましたが、今回のマイナーチェンジによってそういった細かいネガも丁寧に潰されています。

適度に引き締まった快適な乗り味と、ほどよくスポーティなハンドリングは、若い頃に車が好きだった中高年世代にドンピシャとハマります。

普段は通勤に使って、週末は奥さんとレジャーや買い物に出かけるなんてシチュエーションにピッタリです。

現役を引退したシニア層が普段の趣味やドライブに使う足車としても申し分ありません。こういった世代は人よりも目立つことを嫌がりますので、アリオンのように地味ながら質感の高い車であれば申し分ありません。

秋ろーに余分なお金があれば、父に最後の車として買ってあげたいところです。

価格

価格 | 2,650,909円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)