新型 ホンダ・インサイト EX(3代目)【試乗評価】プレミアムセダンになって復活! [6AA-ZE4]

新型 ホンダ・インサイト EX(3代目)のアイキャッチ

今回の【試乗評価】は「新型 ホンダ・インサイト EX(3代目)」。
2018年にフルモデルチェンジした、Mクラスの4ドアセダンです。

1999年に登場した初代インサイトは、ホンダ初の量産ハイブリッドカーで、その後、2004年まで生産されてました。実用的なパッケージングで登場した4ドアセダンの「プリウス」と違って、2シーター2ドアクーペという近未来的なスタイリングになってます。車重も驚くほど軽量で、樹脂と軽量素材を組み合わせて820kgに抑えてました。その御蔭もあってエネルギー効率が高く、燃費性能は当時の初代プリウスを上回る「35km/h(10・15モード)」です。

ただし、実用性が低かったのと、実験的な車でもあったため売上自体はいまひとつ。全期間を通しても総売上台数は3000台に届いてません。

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その後、5年のインターバルを置いて、2009年に2代目インサイトが登場。初代の2ドアクーペから一転して、実用的な5ドアハッチバックになりました。若干プリウスに寄せたデザインになったものの、3ナンバー化したプリウスに対してインサイトは5ナンバーサイズを維持。価格もプリウスより手頃な189万円という戦略的な価格です。

プリウスより燃費性能が劣り、EV走行がほとんどできないというデメリットはあったものの、価格の優位性で当初は好調な滑り出しを見せます。

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ところが、これに危機感をいだいたトヨタは、3代目プリウスの登場とともに価格を大きく引き下げて発表。2代目プリウスのスタンダードモデル(Sスタンダードパッケージ)が「2,331,000円」だったのに対して、3代目プリウスのスタンダードモデル(L)を「2,050,000円」という価格に設定しました。

さらに、これだけに終わらないのがトヨタのスゴイところというか怖いところでもあるんですが、旧型となった「2代目プリウス」をインサイトと全く同じ189万円で併売する戦略をとります。ここまでされたら、性能で劣る(車格がひとつ下なんで性能が違うのは当たり前)インサイトはどうしようもありません。その後、徐々に失速して2014年にはモデルとしても消滅してしまいます。

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「新型 ホンダ・インサイト EX(3代目)」の概要

2代目の消滅から5年。2018年に登場した「3代目インサイト」は、そんな2代目の反省を踏まえてプリウスとはひと味違う、ちょっと上質な4ドアセダンとなりました。あえてプリウスとの直接対決を避けたわけです。

プラットフォームなど

ベースとなっているのは「シビックセダン」で、プラットフォームも同じ。外装パネルや内装デザインは、シビックの味を残しつつもほぼ専用設計になってます。

ボディサイズはシビックよりひと回り拡大されて、シビックとアコードの中間くらいです。

ハイブリッドシステムは、駆動用モーターと発電用モーター、2つの電気モーターと1.5リッターツインカムエンジンを組み合わせた「SPORT HYBRID i-MMD」。これはホンダ独自のハイブリッドシステムで、普段はエンジンが発電用モーターを回し発電、駆動用モーターは駆動に徹します。ただし、エンジンの得意とする高速走行だけは、エンジンが駆動系と直結して走行を担うという仕組みです。

「シリーズ方式」よりエネルギー効率が良く、「シリーズ・ハイブリッド方式」よりは構造が簡単なんで、2つの方式の良いとこ取りをした感じになってます。

ライバルは

この価格帯、サイズ感でいうとライバルは意外に少なくて、「トヨタ・カムリハイブリッド」くらいです。プリウスとの直接対決を避けて、いいところを狙ったなって思います。

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外観

ボディサイズ、全長4675mmX全幅1820mmX全高1410mm。ホイールベース、2700mm。

外観のデザインテーマは、「エレガント☓ダイナミック」。ワイド&ローのプロポーションにグラマラスな面処理を加えてるんで、ベースとなったシビックと比較するとしっとりとした大人の感じがあります。

フロント

ベースになっているシビックは、メカニカルなラインで構成されたガンダム系のデザインです。これに対してインサイトは、ヘッドライトを水平につなぐメッキグリルと、ふくよかな面構成によって、ひとクラス上の上質感を表現してます。アグレッシブなシビックのデザインより、こっちの方が日本人には受けそうです。

サイド

12Vバッテリーをセンターコンソールの下に移動して、フロントオーバーハングを短くしているそうです。といっても、横からみるとそんなに短くなってません。普通のFF車ってレベルです。

Aピラー(一番前の柱)からルーフ、Dピラー(一番後ろの柱)にかけてはベースとなったシビックセダンと同じ形状。ホイールベース(前輪と後輪の間)の長さも変わりません。

ドライバーの頭上を頂点に、リアエンドに向かってルーフがなだらかに下降するデザインなんで、普通のセダンというよりクーペに近い感じがあります。上質感を漂わせつつ、スポーティなイメージも盛り込んだってところでしょう。

リア

リアウィンドウの傾斜が強く、トランクとなだらかなラインで繋がってるんで、後ろから見ると2ドアクーペみたいです。

これに、広がりを強調する薄型リアコンビランプと、ふくよかなラインで構成されたリアエンド。ロー&ワイドなプロポーションが加わって、スポーティな上質感があります。このリアコンビランプ、どっかで見たなあと思ったら、ヴェゼルのリアコンビランプをちょうと上下反転させた形なんですねえ。

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内装

内装のデザインテーマは、「エレガント☓クオリティ」。落ち着きのある広々とした空間で、居心地が良いです。

しっとりとした質感の樹脂にソフトぱっど、ダブルステッチがあしらわれてます。時々、金型で抜き取った模造品のステッチがあるんですが、あれは本当にチープなんでやめてほしいです。インサイトのは本物のダブルステッチなんで、上質感があります。

メーター周り

メーターナセルには、大型のマルチインフォメーションディスプレイを配置。左側はハイブリッドシステムの状況を表示するモニターで、右側は普通の速度計です。その中央には、先進安全技術の状況を始めとする細々とした情報を表示。ホワイト基調のくっきりとした表示なんで、見やすいです。

ステアリングのスイッチで操作できるんで、目線を大きくそらす必要がありません。

センタークラスター

センタークラスター最上段には、エアコンの吹出口。中段にはナビゲーションシステムやオーディオ、Bluetoothで連携したAppleCarPlayなどを表示する8インチ液晶ディスプレイがあります。

このナビゲーションはなんと全車標準装備。専用の通信機を使ってインターネットに接続する「リンクアップフリー」も無料で使えます。もちろん、それに伴うデータ通信も無料。太っ腹ですねえ。

その直下には、運転席と助手席で別々の温度設定ができる「左右独立温度コントロール式フルオート・エアコンディショナー」を装備。最下段には、スイッチだけで電気的にシフトを操作する「エレクトリック・ギアセレクター」があります。

「エレクトリック・ギアセレクター」の操作は、一見難しそうですが、慣れてしまえば問題無いです。基本的にはスイッチを押すことで操作しますが、「リバース(後退)」だけはスイッチを引っ張るんで、操作ミスも起こりにくいと思います。

シート

フロントシートは、緩やかに身体全体を包み込む形になってます。左右の張り出しも適度で、窮屈な感じはありません。背中の高い位置から腰、太ももに掛けて面全体で優しく支えてくれます。

さらに、フロントシートには標準でシートヒーターも装備。僕は病気のせいで身体が冷えやすいんで、こういうのは本当に助かります。

リアシートの下に大きなリチウムイオン電池があるため、座面の前側がちょっとばかり高くなってます。そのせいで、座るとお尻が下がって膝が持ち上がる形になります。シート自体には十分な柔軟性と適度なコシがあるんで、座り心地は良いです。

ただし、ルーフがリアエンドに向かって緩やかに下降するデザインなんで、頭上空間はけっこう窮屈な感じになります。まあ、もちろん、頭が天井に当たるほどじゃ無いです。

荷室

かさばるリチウムイオン電池とECUを、まとめてリアシートの下に配置。荷室は先代より119リッター大きくなって、519リッターになりました。普通のガソリン車と比較しても、全く引けを取らないレベルです。

さらに背もたれを「6:4」で分割して倒せば、ステーションワゴンなみの荷室になります。ロードタイプの自転車もタイヤを外せば十分に積めます。

静粛性

エンジンノイズが小さく、風切り音もよく抑えられてます。若干ロードノイズが気になるのは、他のノイズが小さすぎるのとタイヤのブロックパターンのせいでしょう。

パワーユニットとトランスミッション

1496cc・直列4気筒DOHCエンジン+電気モーターに、CVT(無段変速機)の組み合わせ。
エンジンは、最高出力109ps/6000rpm、最大トルク13.7kgf・m/5000rpm。
電気モーター、最高出力131ps、最大トルク27.2kgf・m。

車両重量1390kg。JC08モード燃費、31.4km/l。

パワーユニット

パワーユニットは、発電用モーターと走行用モーター、ふたつの電気モーターと1.5リッターツインカムエンジンを組み合わせた「SPORT HYBRID i-MMD(インテリジェント・マルチ・モード・ドライブ)」を搭載。

ガソリン車に近い自然なフィール

エンジンは主に発電用モーターを回すためだけに働き、走行は駆動用モーターが担います。ただし、電気モーターの効率が落ちる高速走行ではエンジンと駆動系が直結して、エンジンの動力で走行してます。日産の「e-POWER」とよく似たシステムですが、あちらは低速から高速までずっと電気モーターだけで走っていて、エンジンは完全な発電専用です。エンジンでタイヤを直接駆動することはありません。

インサイトは、アクセル開度に合わせてエンジンの回転も高まるため、普通のガソリン車に近い自然な感じがあります。これに対して「e-POWER」は、エネルギー効率の良い高回転を保って回るため、エンジン音と加速感が乖離していて違和感があります。その分、インサイトは燃費性能で不利なはずですが、同クラスライバルと比べても遜色無いレベルに収まってます。

正直いって「EV」の特別感は希薄ですが、僕はガソリン車に近いフィールを持ったインサイトの方が好きです。

走り出しは穏やか

電気モーター特有のトルク感は控えめになっていて、アクセルを踏んでも急に飛び出すような感じはありません。どちらかといえばガソリン車に近い感じで、穏やかに走り初めます。

そこからさらに踏み込んでいくと、電気モーター特有のトルク感とスムーズさでグイグイと加速。ガソリン車に例えるなら、2.5リッター級の加速感があります。車重の軽さとレスポンスの良さで、俊敏な身のこなしをみせます。

ドライブモードは3種+1

ドライブモードは、走りと燃費のバランスを取った「NORMAL」と、スポーティな走りを楽しむ「SPORT」、燃費性能を重視した「ECON」の3種。さらに、それぞれのモードを選択した上で「EV」を押すと、電気モーターだけで走行します。住宅街とか静かに走りたい時に便利な機能ですが、バッテリーがアコードより小さいんで、走行距離は短いです。

普通は「NORMAL」に入れっぱなしで十分だと思います。

トランスミッション

トランスミッションは、ハイブリッドシステム全体でCVTのような働きを担う電気式無段変速機。ベルトとプーリーを組み合わせたCVTと違って、変な違和感は無いです。

それでいて、変速フィールを感じさせないシームレスな繋がりなんで、スムーズに変速していきます。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、215/50R17。

高剛性ボディとしなやかに動く足まわりが組み合わされ、先代より乗り心地が良くなってます。といっても、ふわふわとした頼りない感じじゃなくて、しっとりとした大人の車って感じです。

低速ではやや路面からの衝撃を伝えるものの、速度を上げてやればすぐにしなやかさを取り戻して、不快な突き上げを柔軟に受け止めます。

17インチでも十分快適ですが、「もっと柔らかい方が好み」という人には、16インチタイヤを装着する「LX」グレードの方が良いでしょうねえ。燃費も多少良くなりますし、「LX」はベースグレードなんで車両価格も安いです。

ハンドリング

電動パワーステアリングにしては、しっとりとした質感が表現されてます。反応もリニアで正確。素直によく曲がるんで、運転が気持ち良いです。純粋のスポーツカーみたいな鋭さは無いものの、タイヤの接地性が高いんで、コーナリング中も安心してアクセルを踏み込んでいけます。

どちらかといえば快適性を重視したセッティングなんで、コーナリング中も適度なロールを許します。といっても姿勢変化が穏やかで予測しやすいため、不安な感じにはならないです。

低い位置に搭載されたリチウムイオン電池とロングホイールベースによって、直進安定性が高いです。路面に吸い付くようにスーッと加速していきます。このあたりのドライブフィールは、重心の低いハイブリッドカーならではって感じですね。

最小回転半径は、5.3m。車格に対して小回り性能が高いんで、狭い路地でも簡単に切り返せます。縦列駐車や車庫入れもやりやすいです。

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)