今回の【試乗レポート】は「新型 レクサス LS 500h version L(5代目)」。
2017年にフルモデルチェンジした、Lクラスの高級4ドアセダンです。
初代「レクサス LS」が登場した当時、日本市場にレクサスディーラーは無く、「トヨタ・セルシオ」としてトヨタ系ディーラーで販売されていました。
その後、日本市場にもレクサスディーラーを展開。それに合わせて4代目以降は「レクサス LS」となります。
その「レクサス LS」も4代目の登場から11年を経て、ついに5代目へとモデルチェンジ。今までのイメージを大きく覆すエモーショナルな内外装と、スポーティなキャラクターが与えられました。
プラットフォーム(基本骨格)は「LC」と同じ低重心&フロントミッドシップを特徴とする「GA-L」。これに4ドアセダンのボディを載せることで、LSのエレガントなシルエットと高い運動性能を実現しています。
「LS 500h」は、3.5LのV6エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド仕様。この他に3.5Lツインターボを搭載した「LS 500」があります。
その中でも「version L」は、充実した装備が自慢の豪華なグレード。ショーファードリブン(運転手付き)に対応した「EXECTIVE」の次に高価なモデルです。
※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「【試乗レポート】のまとめ」をどうぞ。
外観
全長5235mmX全幅1900mmX全高1450mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは3125mmとなります。
フロント
エモーショナルなラインで構成されたフロントノーズに、Z字型のLEDヘッドライト。ダイナミックなスピンドルグリル&エアロバンパー。アグレッシブさと上質感が同居したフロントフェイス。
サイド
ロングノーズ&ビッグキャビンの典型的FRルック。なだらかなルーフラインとロングホイールベースによって、エレガントな美しさを表現しています。
足元は大径19インチ・アルミホイールによって引き締められ、スポーティな雰囲気です。
リア
ハイデッキ化されたヒップラインに傾斜の強いリアウィンドウ。LCに近いイメージを持つT字型リアコンビランプ。控えめにあしらわれたメッキモールド。スポーティでありながら上質を感じさせる後ろ姿です。
内装
しっとりとした質感の樹脂に木目パネル、メタリックパーツが控えめにあしらわれた高級感溢れる室内。シートに貼り付けられたセミアニリン本革が、さらに上質感を際立てます。
インパネは優美なラインを複雑に織り込んだ個性あふれるデザイン。センタークラスター最上段には、ナビゲーションなどを表示する12.3インチTFT液晶ディスプレイ。エアコンは手探りでの操作もやりやすいダイヤル式。
大型センターコンソール上、シフトレバーの後には「インフォテインメントシステム」を操作するためのタッチパネルが備わります。
メーターナセルには視認性の高いTFT液晶メーターを装備。メカニカルなグラフィックで、レクサスの先進性を感じさせます。
低いヒップポジションと大きなボディによって、車両感覚は掴みにくい。
シート
フロントシートは柔軟な表皮(セミアニリン本革)にストロークのあるクッションが組み合わされ、快適な座り心地。身体の形にあわせて包み込むように支えてくれます。
リアシートは、前席以上に快適な座り心地。これならショーファードリブン(運転手付き)としても十分使えます。頭上空間は、LSにしては小さいものの必要十分のサイズを確保。足元空間はさらに広々としており、大人二人で座っても窮屈感はありません。
荷室
荷室には広大な空間が拡がります。家族4人くらいなら、荷物の嵩張るキャンプ遊びも余裕です。
静粛性
室内には遮音材や吸音材がふんだんに奢られ、レクサスのフラッグシップサルーンにふさわしい優れた静粛性を備えます。
パワーユニットとミッション
3456cc・V型6気筒DOHCエンジン+電気モーターに、CVT(電気式無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、299ps/6600rpmの最高出力と、36.3kgf・m/5100rpmの最大トルクを発揮。
電気モーターは、180psの最高出力と、30.6kgf・mの最大トルク。
車両重量2300kg。JC08モード燃費は、15.6km/l。
パワーユニット
3.5LのV6エンジンと電気モーターによるハイブリッドシステムで後輪を駆動(FR)。トルクフルな電気モーターによって、出足はスムーズで静か。超重量級ボディを軽やかに押し出します。重さに負けない十分以上の力強さです。
アクセルに対するレスポンスも素晴らしく、軽くペダルに足を載せるだけで瞬時にトルクを発生。どの回転域からも自在に加速することができます。
トランスミッション
ハイブリッドシステム全体でCVTのような働きを担う電気式無段変速機(マルチステージ・ハイブリッド・トランスミッション)。エンジン回転が先行して高まり車速の伸びが遅れる「ラバーバンドフィール」はありません。スムーズで自然な変速フィールです。
乗り心地とハンドリング
前後ともにマルチリンク式サスペンションを装備。同時にスタビライザーで強化。
乗り心地
装着タイヤは245/50R19。
これまでの「LS」のイメージを覆す、やや引き締まったスポーティな乗り味。
高剛性ボディに高価なエアサスが組み合わされるため、不快な振動や衝撃はありません。路面の小さな凸凹をキレイに吸収して上質なフィールを提供します。
高速域での安定性も高く、落ち着いた身のこなしでフラットな姿勢を乱すことはありません。
ハンドリング
適度な緩さと切れ味の良さをバランスさせた、Lクラス高級サルーンにふさわしい重厚感あふれるハンドリング。操舵に対する挙動もスムーズで正確。ドライバーのイメージしたラインを外すことなく忠実に再現します。
最小回転半径は5.5m。Lクラスサルーンとしてはまずまずの小回り性能で、切り返しも比較的やりやすいです。
その他
先進安全技術は最新の「Lexus Safety System +A」を搭載。
このパッケージには車や人との衝突を回避、もしくは衝突被害を軽減する「プリクラッシュ・セーフティシステム」や交差点など左右の死角から接近する車輌を検知して注意喚起を促す「フロント・クロス・トラフィック・アラート(FCTA)」を。
運転支援技術として先行車に一定の間隔を開けて追従する「Lexus CoDrive(レーダークルーズコントロール・全車速追従機能付き)」や、「ドイラーバー異常時停車支援システム」、ハイビームを対向車に直接当てない「上下二段式アダプティブハイビームシステム」といった機能を装備。
【評価レビュー】のまとめ
「レクサス LS 500h version L」は、レクサスが誇る高級フラッグシップサルーン。重い車重に負けないパワフルなパワーユニットと、スポーティに引き締まったしなやかな足回りが与えられ、スポーティなドライバーズカーに変貌しています。
これまでの「LS」のイメージを覆すような大胆でエモーショナルなスタイリング。他の誰にも似ていない個性あふれる内装デザインなど、メカニズム以外にも趣向が凝らされ、新しいレクサスを模索するトヨタの強い意志が感じられます。
「社用車としてLクラスサルーンを探しているが、ドイツ系高級車では周りの目が気になる」とか、「エレガントなスタイリングを持ったスポーティな高級車が欲しい」といった人に最適な車です。
中古車市場では
先代2016年式「レクサス LS 600h バージョンC」で800万円前後。先代2014年式で500万円前後(2018年4月現在)。
価格
価格 | 14,600,000円(消費税込み)