新型 フィアット 500C ツインエア ラウンジ(3代目)【評価レビュー】おしゃれなイタ車でオープンエアーを楽しむ [ABA-31209]

今回の【評価レビュー】は「新型 フィアット 500C ツインエア ラウンジ(3代目)」を試乗レポート。
2007年に(日本市場では2008年から)フルモデルチェンジした、電動式ソフトトップを持つコンパクトな3ドアハッチバックです。この他に、通常の3ドアハッチバックと5ドア、クロスオーバーSUVの「500X」も用意されます。

電動式ソフトトップを備えるといっても、完全なオープンカーではありません。通常モデルのルーフとリアウィンドウの部分をソフトトップにして、サイドウィンドウとその周りのマド枠、ルーフのサイドフレームはそのまま残してあります。

これは「フィアット500の特徴的なキャビン形状を残すため」というのが主な理由ですが、その結果、ある程度のボディ剛性を確保しながら、通常モデル並の静粛性能を実現しています。

2016年には初のマイナーチェンジが実施され、内外装に小規模な手直しが行われています。

※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「試乗評価のまとめ」をどうぞ。

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外観

全長3570mmX全幅1625mmX全高1505mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2300mmとなります。

フロント

丸みのあるノーズに楕円形のヘッドライトを装備。愛らしくも上質なフロントフェイスです。愛らしいのに一切甘ったるさを感じさせないのは、ボディに無駄な線が無く、面の張りにも上質な緊張感が与えられているからです。

マイナーチェンジによって、ワイド感のあるフロントバンパーや、エアーインテーク周りのクロムメッキ、C字型に光るポジショニングランプが装備されます。

サイド

コンパクトなボディ4隅ギリギリにレイアウトされたホイール。特徴的なトライアングル型のキャビン(居住空間)。キビキビとした軽快感を感じさせるポップなサイドビューです。

リア

丸みのあるヒップラインに、力強く大地を踏みしめるリアフェンダー。小さく絞り込まれたキャビンにカジュアルなソフトトップが装備され、小粋でおしゃれなリアエンド。

マイナーチェンジによって、リアコンビランプ中心にボディ同色の四角いパーツをレイアウト。遊び心溢れる楽しい小技です。

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内装

内装デザインは基本的に標準モデルと同じです。ボディカラーを活かしたパネルがダッシュボードを水平に貫く、クラシカルでおしゃれなデザイン。

メーターナセルには、これまたクラシックで巨大な一眼メーターがはめ込まれます。デザインと使い勝手を両立した秀逸なデザインです。

電動式のソフトトップは、スイッチひとつで簡単に開閉。リアウィンドウ上端付近で停止するモードもあり、気分や周りの気象条件に合わせて柔軟に使い分けることができます。

シート

欧州車にしては細身のシート。シート表皮には適度なたわみがあり、内蔵されるクッションはコシのある上質なタイプです。身体の沈み込みが少ないため、長時間ドライブでも安心です。

後席の空間は狭いものの、座面を短くして、シートバックを立ち気味にすることで、なんとか大人二人のスペースを確保しています。少々窮屈感はありますが、中距離(30km)移動ぐらいなら何とかなりそうです。また、ソフトトップを開けることで頭上空間の窮屈感を解消することも可能です。

荷室

コンパクトカーとしてもちょっと小さめの荷室です。家族4人であれば、1泊2日旅行くらいがせいぜいでしょう。ただし、シートバックを5:5で倒すことによって、荷室スペースを広げることが出来ます。

静粛性

ビート感あふれるツインエアのサウンドが車内に響きます。ルーフがソフトトップとなるため、通常モデルよりもさらに静粛性能は下がります。

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エンジンとミッション

875cc・直列2気筒DOHCターボエンジンに、5速ATが組み合わされます。
エンジンは、85ps/5500rpmの最高出力と、14.8kgf・m/1900rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量1050kg。JC08モード燃費は、24.0km/lとなります。

エンジン

875ccの2気筒エンジンで前輪を駆動。「875ccで2気筒」と聞くとちょっと心配になりますが、実際はターボによる過給が低速からしっかりとかかっており、フラットなトルクを発生する力強いエンジンです。軽い車重と相まってキビキビと加速することができます。

2気筒ならではのバイブレーションとノイズがあるものの、音質自体にクラシックでスポーティな趣があり、かえって運転好きな人には喜ばれそうです。

トランスミッション

2ペダル式シングルクラッチ5速ATを装備。デュアロジックと呼ばれるこのATは、シングルクラッチならではのギクシャク感が随分と軽減され、AUTOモードでもある程度スムーズに走ることができます。

マニュアルゲートでシフトする場合は、変速時にアクセルを戻してやれば、スムーズに変速することができます。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションを装備。前後ともにスタビライザーで強化されています。

乗り心地

適度に引き締まったスポーティな乗り味。うねりのある路面では、短い全長が災いしてピョコピョコと跳ねるような動きをみせる事があります。

欧州車らしく高速域での安定性はしっかりとしており、フラットな姿勢を維持してまっすぐに走ります。

ハンドリング

キビキビとしたスポーティなステアリングフィール。4輪がしっかりと路面を捉えながら旋回するため、ダイレクト感あふれる骨太な操舵感が得られます。

最小回転半径が4.7mと小さく、短い全長と相まって狭い路地でも簡単に切り返す事ができます。

【評価レビュー】のまとめ

フィアット500Cは、キビキビとした小粋なコンパクトカー「フィアット500」に、電動式のソフトトップを装備したオープンカーです。

オープンカーといっても、実際にはルーフが開閉するだけで、サイドウィンドウやルーフのサイドフレームは残っています。そのおかげでオープンカーとしては車重が軽く、ボディ剛性もしっかりとしているのが美点です。

ただし、搭載されるツインエア・エンジンは、トルク感は十分ながら、2気筒ならではのノイズが大きく好き嫌いの別れるところです。

ツインスパークのエンジンフィールにアレルギーが無く、「おしゃれで小粋なコンパクトカーで、気軽にオープエアーを楽しみたい」という人にピッタリな一台です。

「クラシックでおしゃれな外観と、キビキビとした元気な走り、ツインスパークの趣あるエンジン音が好き」という人に

中古車市場では

2017年式「フィアット 500C ツインエア ラウンジ」で240万円前後。2009年式「フィアット 500C 1.4 16V ラウンジ」で100万円前後となります(2017年12月現在)。

価格

価格 | 2,797,200円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)