冬のドライブで一番怖いのは、雪の降り積もった道よりも、雪や水が凍りつく事で発生する凍結路です。
こういった凍結路は、雪道や水気を含んだウェットコンディションの道路、乾燥した路面状況に関わらず突然現れます。
凍結路はどんな路面状況よりもスリップしやすいため、それまでの路面から急激に凍結路に変化すると、相当のテクニックを持ったベテランドライバーであっても怖いものです。
といってもベテランドライバーは、「どのような気象条件の時に、どういった場所に凍結路が発生しやすいか」といった事をそれまでの経験からある程度の予測をつけて走っています。
そのため、「突然凍結路が現れてびっくりした」なんて事にはならないのです。
一般道の凍結しやすい場所
特に路面が凍結しやすい場所は、昼間でも太陽光の当たらない「日陰」です。日当たりの良い場所がしっかりと乾燥していても、こういった場所には雪や水が残っており、寒い日にはそのまま凍結路となる事が多いです。また、昼間に太陽熱が蓄積されていないため、夜になっても他の場所より凍結しやすいといった事もあります。具体的にはビルの影や山影、高架橋の下などの日陰が要注意ポイントです。
その他には、橋の上や、地面の下に水路や川が通っている場合も凍りつきやすいです。といっても地面の下に水路がある場所はちょっと分かりづらいですね。こういった場所では、大雨の時に路上に水が湧き上がっていることが多いので、こういった事から覚えておくしかありません。
その他には、トンネルの中から出入り口付近にかけても凍結しやすい場所といえます。トンネル内は日中に日差しが差し込まないため、日陰と同じように凍結しやすいのです。
高速道路上の凍結しやすい場所
高速道路上では、山陰になっている部分とともに、高架の上も凍結しやすい要注意ポイントです。高架の下には大きな空間がありますので、ここを寒風が吹き抜けることで他の場所以上に凍りつきやすくなっているのです。
山陰を走りながら大きくカーブを描いて下るような場所も危険です。こんな場所でタイヤがグリップを失えば、どんな大惨事に繋がるか予測もつきません。
高速道路上のトンネルは、一般道のトンネルと違って距離が長く路面の傾斜もキツイ場所が多いです。こんな場所では長い距離に渡って凍結しやすい状況が続きます。一般道以上の慎重な運転で通過しましょう。
路面が凍結しやすい気象条件
路面が凍結しやすい気象条件は、「前の日に雨や雪が降っており、次の日の深夜から早朝に掛けて急激に冷え込む時」です。
また、日中であっても、「路面が濡れていて、2度以下の寒風が吹き付ける時」も注意が必要です。気温計が0度になっていなくても、高架の上や橋の上は0度近くまで冷え込むことがあるからです。
凍結路を安全に通過するには
路面の凍結を見つけたら、急ブレーキは禁物です。凍結路の上でブレーキを掛ければ、車は安定を失ってスピンを起こします。
こんな時はアクセルを緩めて惰性で慎重に通過しましょう。ハンドル操作も最小限に押さえてください。出来る限りハンドルを真っ直ぐに保って通過するのがポイントです。
もちろん凍結路までに十分な距離があれば、その間を活かしてしっかりとフットブレーキで減速します。減速が終われば、そのまま惰性のみで凍結路を通過します。
とにかく凍結路の上では、「無駄なハンドル操作やブレーキ操作をしない」というのが原則です。