昼間、明るい道路から薄暗いトンネル内に進入すると、人間の瞳の中にある光りを調整する仕組み「瞳孔」の拡大が間に合わず、ドライバーの視界は真っ暗になってしまいます。
以前このコーナーでは、こんな時に使える小技を幾つか紹介しています。詳しくは下の記事を参考にしてください↓
参考:「トンネル進入時のブラックアウト(目くらまし)現象を防ぐ3つの方法【運転のコツ】」
今回はこれらの方法に加えて、「ライトを上手に使って視界を確保する方法」について解説します。
特に初心者の場合は、暗いトンネル内でいつもと同じように走ることは非常に難しいです。これらの方法を上手に組み合わせてしっかりとした視界を確保しましょう。
出口が見える短いトンネルの場合
薄暗いトンネルに進入すると、瞳孔の拡大が間に合わず実際以上に暗さを感じてしまいます。こういった時は、以前紹介した瞳孔の拡大を早める方法に加えて、今回ご紹介する適切なヘッドライトの使用が大切です。
トンネルの出口が見えるような短いトンネルの場合は、トンネル内もそれほど薄暗くありません。ただし、対向車や後続車両からはあなたの車が見えにくくなっています。スモールライトを点灯してしっかりと周りに自分の存在をアピールしてください。
出口の見えない長いトンネルの場合
これに対して、出口の見えない長いトンネルの場合、トンネル内は夜と同じくらい薄暗くなっています。ヘッドライトを点灯して適切な視界を確保しましょう。
ただし、トンネル内に進入してから点灯したのではちょっと遅すぎます。トンネルの手前からヘッドライトを点灯して、瞳孔の調整遅れによる視界のブラックアウトを防ぎましょう。
オートライトを使用している場合は、トンネルに車が完全に入ってしばらくしないとヘッドライトは点灯しません。そのため、トンネルの入り口では早めに手動でヘッドライトのスイッチを入れてください。
トンネルの出口では、車が完全にトンネルの外に出てからヘッドライトを消してください。早めにヘッドライトを消すと、対向車や後続車両からあなたの車が見えにくくなってしまいます。
トンネル内での速度
初心者の場合は、トンネル内に進入すると、薄暗さと狭い空間による圧迫感から自然にブレーキを踏んで減速してしまいます。これに対して、ベテランドライバーの場合は、少しでも速くトンネル内を脱出しようと速度が高くなる傾向になります。
トンネル内も普通の道路と制限速度は同じです。いつもと変わらないように安全な速度で通過してください。
速度を上げる人の中には、車間距離を詰めてガンガン前車をあおる人がいます。しかし、トンネル内は普通の道と違って前後以外に逃げ道がありません。車間がギュウギュウに詰まった状態で事故や火災が起きると、身動きが取れなくなってしまいます。
実際のトンネル内の事故や火災でも、渋滞が原因となって逃げ遅れるという事がよくあります。こんな時に適切な車間があれば、後ろの車から順に後退して逃げ切れる可能性もあります。トンネル内では普段以上にしっかりとした車間距離を確保しておきましょう。