車のバッテリーは、オーディオやナビゲーションなど、車内の電装部品を動かすだけでなく、セルモーターを回してエンジンを始動するためにも無くてはならない重要な部品です。
そのため、中古車に装備されているバッテリーに不具合があれば、思わぬところで突然走行不能となってしまう事もあります。中古車を購入する場合は、必ずバッテリーのチェックも忘れないように行ってください。
バッテリーを直接目視で確認する
まず、運転席に座る前に、エンジンルームを開けて「バッテリー」を直接目視で確認してみましょう。バッテリーは半透明の箱で出来ており、透かしてみることでバッテリー液の量を確認することができます(光の具合で確認しづらい時は、反対側からハンディライトを照射してみてください)。この時、液量が上下2つの線の間にあれば適正です。
バッテリー内は小さな6つの部屋に分かれています。この部屋一つ一つを忘れないようにチェックしてください。バッテリー液が不足している場合は、営業マンに相談して補充してもらいましょう。
また、バッテリーを整備せずに放置していると、バッテリーの端子に白い粉が拭いたようになる事があります。こういった状態では、端子の通電性も極端に悪化してしまいます。そんな車を購入する場合は必ず、整備して正常な状態に戻してもらいましょう。
エンジンを始動してみる
次はいよいよ、運転席に座ってエンジンを始動します。これから行うチェックは、昼間よりもライトの明かりを確認しやすい夜間の方がやりやすいです。できれば薄暗い時間を選んで行ってください。
運転席に座ったら、キーを差し込みエンジンを始動します。この時、セルモーターが「クッ、クッ」と鈍い音を上げて、エンジンが始動しない場合はバッテリーの劣化が考えられます。
「エンジンはなんとか始動するものの、セルモーターの勢いに元気が無い」とか、「セルモーターを回すとそれに合わせてライトが一瞬暗くなる」といった場合も要注意です。その他には、「ウィンカーの点滅速度が妙に遅い」といった症状が出ることもあります。
信号機でライトが暗くなる時は
エンジンが無事に始動したら、次は実際にライトを点灯して公道を走ってみましょう。「信号機などで停止した時、ライトが一瞬スーッと暗くなり、走り出すと再び光が強くなる」といった場合も、バッテリーの劣化が考えられます。
劣化して充電能力の弱くなったバッテリーの場合、停車中はバッテリーから僅かな電力しか供給されませんが、走り出すとオルタネーターから十分な電力が供給されるため、こういった現象が起こるのです。
バッテリーの交換を交渉してみる
試乗でバッテリーの不具合が確認されたら、お店に戻ってバッテリーの電圧とバッテリー液の比重をチェックしてもらいましょう。
一度放電を起こしたバッテリーは、例え新品でも性能が大幅に低下しています。こんなバッテリーを使っていると、次はどこで突然バッテリーが上ってもおかしくありません。こういった場合は、営業マンに相談して新しいバッテリーに交換してもらいましょう。それが無理なら、最低限バッテリー液を補充して再充電してもらってください。ただし、その場合はそのまま乗り続けず、早い内に新品のバッテリーに自分で交換する必要があります。