初代 日産 キューブ S(Z10)【旧型レポート】キビキビとした走りと、箱型の個性的外観 [TA-AZ10]

今回の旧型レポートは「初代 日産 キューブ S」。
1998年から2002年に渡って製造・販売されていた、5ドアのマイクロミニバンです。

ベースとなるプラットフォームには、マーチと共通のものが使われています。

ライバルには、トヨタ・ファンカーゴやホンダ・キャパ、マツダ・デミオなど、数多くの競合車種がひしめき合っています。

その中でもこのキューブはモデル末期まで高い人気を保ち続け、当時、不振にあえぐ日産を影から支えた孝行息子でもあります。

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外観

全長3750mmX全幅1610mmX全高1625mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2360mmとなります。

斬新な立方体形状が当時の若者に大いに受け、大ヒットとなった日産のベストセラーカーです。

当時の秋ろーは、「キューブというネーミングを活かして、もっと四角い車を作れば面白いのに」と感じていましたが、その後、2代目キューブではその名にふさわしいさらに「ま四角」な車として生まれ変わっています。

フロント

四角いノーズに角型のヘッドライトが組み合わされ、道具感あふれる四角いフロントフェイスを構成しています。

サイド

真っ直ぐに切り立ったサイドパネルに、四角いキャビン、直線的なキャラクターラインが相まって、ソリッド感のある真面目なスタイリングです。現代のハイト系ワゴンと比較すると、Aピラー(一番最初の柱)やノーズの角度が常識的すぎて面白くありません。

リア

四角いリアエンドに、四角いリアウィンドウと縦長のリアコンビランプが一体化され、おもちゃや文具のようなシンプルでチープな楽しさが表現されています。

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内装

樹脂の質感をそのまま活かした、シンプルでプラスチッキーな内装。機能がしっかりと整理されている事と、無駄に豪華にみせようとしていないため、明快で趣味の良いデザインに仕上がっています。

小物入れも沢山用意され、使い勝手も良好です。

ハイト系ワゴンにしては、ヒップポイントが低く、広々感やボディの見切りの良さは今ひとつです。この当たりの印象は、2代目にモデルチェンジされる事で、大きく改善されています。

シート

フロントシートは、体圧が集中しがちで腰が痛くなります。中距離(30km)程度の移動であれば、問題ありません。

リアシートは、たっぷりとした頭上空間と足元空間を確保。大人二人が余裕を持って座ることができます。ただし、シートの質感が低く座面も短いため、短距離(10km)程度の移動に限られます。

荷室

荷室にそれほどのスペースはありません。家族4人で1泊2日旅行程度が限界です。ただし、リアシートを50:50で倒すことができますので、3人乗車の時は片側のリアシートを倒して、荷室スペースとして使うことも可能です。

静粛性

エンジンや駆動系のバイブレーションやノイズが大きく、この車の質感を大きく下げています。

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エンジンとミッション

1348ccの直列4気筒DOHCエンジンに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、85ps/6000rpmの最高出力と、12.2kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量1,000kg。10モード/10・15モード燃費は、17.0km/lとなります。

エンジン

1.3Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。低速トルクが薄いため、アクセルを踏み込んでも大した加速は得られません。急な上り坂や合流ポイントでは、イライラさせられます。

トランスミッション

スムーズな作動フィールのCVTが装備されます。しかし、エンジンや駆動周りのバイブレーションが大きく、その素性の良さを充分に感じ取ることはできません。

足回りとハンドリング

前輪にストラット式サスペンション、後輪には5リンク式サスペンションが装備されます。

足回り

背の高いボディを安定させるため、足回りはスポーティに引き締められています。

路面の段差では、ゴツゴツとした不快な衝撃を車内に伝えます。

ハンドリング

引き締められた足回りが影響して、キビキビとしたスポーティなハンドリングをもたらしています。ただ、この車の性格を考えると、もう少し穏やかなセッティングの方がふさわしいのかなあとも思いますが。

評価のまとめ

当時、ミニバンブームに乗り遅れまいと、日産が急ピッチで開発して市場に投入したマイクロミニバンです。

そのため、ドライビングポジションや駆動系のバイブレーションなど、様々なところに完成度の低さが散見されます。

左右のパネルを直立させる事によって、コンパクトなボディに広々とした室内を与え、道具感あふれる楽しいスタイリングとなっています。もう少しキューブ感が強くても良いかなと思いますが、ハイト系ワゴンの先駆者としては十分に革新的なスタイリングです。

これらの煮詰めの甘さは、2代目にモデルチェンジすることで見事に昇華され、さらに魅力的なモデルとして完成度を高めています。

価格

新車当時の価格 | 1,281,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)