今回の旧型レポートは「初代 スバル インプレッサ スポーツワゴン CS(1992年)」。
1992年から2000年に渡って製造販売されていた、コンパクトな5ドア・ハッチバックです。
この他に、4ドア・セダンと2ドア・クーペもラインナップされていました。
レオーネの実質的な後継車ですが、レガシィとの関係性から一回り小さな車として設計されています。
外観
全長4350mmX全幅1690mmX全高1405mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2520mmとなります。
スポーツワゴンという名前で呼ばれますが、実際は荷室の短い5ドアハッチバックにすぎません。
フロント
薄いフロントノーズに、ちょっとだけつり目がちなヘッドライトがレイアウトされ、スポーティな印象です。
サイド
比較的高いルーフを持ちながらも、ノーズからAピラー(一番前の柱)への繋がりがスムーズで、かつリアのDピラー(前から4番目の柱)もギュッと絞りこまれているため、キビキビとした軽快感を感じさせます。実用性とカッコよさを兼ね備えた秀逸なスタイリングです。
ステーションワゴンよりも短く、5ドアハッチバックよりは長いリアオーバーハングが、このスポーツワゴンに独特のスポーティ感と伸びやかさを与えています。
リア
グラスエリアが大きく、相対的にリア・パネルが小さいため、ロー&ワイドな印象です。実際には大きな室内空間を持ちますが、リアウィンドウが強く傾斜しているため、斜め後方から眺めるとキャビンがぐっと絞り込まれているように見えます。軽快感のある爽やかなリアエンドです。
内装
緩やかな弧を描いて左右に広がる広々とした室内デザイン。機能がしっかりと整理されており、使い勝手に戸惑うことはありません。
ルーフが高いため、室内には適度な余裕があります。切り立ったボディとアップライトな着座位置により、ボディの見切りも良好です。
シート
シート表皮は明るいカラーで肌触りの良いファブリックが使われます。
前席は、たっぷりとしたストロークを持つクッションに適度なコシが与えられ、長時間座っていても疲れにくい快適なシートです。
荷室
ステーションワゴンとしては少々物足りませんが、5ドアハッチバックとすれば充分以上の荷室容量です。家族4人で2泊3日旅行も可能です。
後席のシートクッションにも充分な厚みがあります。ルーフが高いため、しっかりと背筋を伸ばした状態で座ることができます。頭上、足元にも適度なスペースが確保されます。
静粛性
スムーズかつ静かなエンジンが搭載され、コンパクトカーとしては静かな室内です。
エンジンとミッション
1597ccの水平対向4気筒SOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、100ps/6000rpmの最高出力と、14.1kgf・m/4500rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1090kg。10モード/10・15モード燃費は、12.0km/lとなります。
エンジン
1.6Lのボクサー4エンジンで前輪を駆動します。絶対的なトルクは少ないものの、アクセルの踏み込み量に対してリニアに反応するため、もっさりした印象はありません。
スムーズな回転フィールを持つ気持ちの良いエンジンです。
トランスミッション
ステップ感の強いトランスミッションです。CVTに乗り慣れた人には違和感があるかもしれません。
足回りとハンドリング
前後共にストラット式サスペンションが装備されます。
足回り
たっぷりとしたストロークを持つ、快適な乗り心地。古いフランス車に近いフィールです。
ハンドリング
ロールを許しながらも、僅かに沈む込んだところでしっかりと踏ん張り、自然な挙動を伴ってコーナーをクリアします。ロールスピードが予測しやすいため、安心してステアリングを握ることができます。
操舵に対して車体が素直に向きを変えるため、気持ちよく運転することができます。
評価のまとめ
丁寧に作り込まれた素性の良い車です。スポーティで個性的な外観を持ちながらも、室内空間には充分な余裕があり、人と荷物を余裕を持って積むことができます。
足回りにはフランス車的なしっとりとした味わいあり、ステアリング特性も素直で気持ちの良いフィールです。
「カローラやサニーではちょっと地味過ぎるので、若々しいイメージの車を探しているが、外車はちょっと・・・」という人とか、「普段は一人で通勤や通学に使うが、週末は沢山の人を積んでレジャーにも出かけたい」という人にピッタリなおしゃれで実用性の高い車です。
価格
新車当時の価格 | 1,463,000円