平成21年6月1日から、75歳以上の高齢者が免許更新を行う際は、講習予備審査(認知機能検査)が義務付けられることになりました。
これは、高齢者のドライバー増加に比例して、増え続ける高齢者の交通事故を未然に防ぐ目的があります。また、70歳から74歳の方には、「高齢者講習」のみが行われる事になります。
高齢者講習の内容
そのため、75歳以上の高齢者が免許を更新する歳は、「講習予備審査」と「高齢者講習」をセットで同時に受けることになります。
高齢者講習の内容は、70歳から74歳の方が受ける講習と同じで、高齢者の記憶力と判断力に合わせた分かりやすい講習内容となります。
講習予備審査(認知機能検査)の内容
講習予備審査(認知機能検査)は、専門医が作成した検査を、専門の訓練を受けた検査員が行います。
内容は、記憶力や判断力を計るもので、例えば、「今年は何年ですか?」とか、「今は何月ですか?」、「今日は何日ですか?」、「今日は何曜日ですか?」、「今は何時何分ですか?」といった現在の日時を問うものが出題されます。
その他には、「始めに絵を何枚か見せておき、その後でどんな絵があったか問う問題」とか、「検査官が言う時刻に合わせて、その時刻を時計の絵に針として書き込む問題」などが出題されます。
秋ろーは、以前、脳梗塞で病院に救急搬送された事があるのですが、この時もこれと同じような検査が行われました。その時は、満足に歩く事もできなかったのですが、何とか認知機能に異常はなかったようで、現在の場所、時間など正確に答えることができました。
免許が取り消される場合
ただ、この「講習予備審査(認知機能検査)」の結果が悪かったからといって、すぐに免許が取り消されることはありません。
まず、「信号無視」、「一時停止違反」、「踏切不停止」など特定の違反を、この免許更新の前、および後に行っていた場合、警察から連絡が入ることになります。
その後、免許保持者は専門医の診断を受けるか主治医の診断書を警察に提出して、認知症と診断されるとそこで初めて免許が取り消されることになります。
自分の運転に自信が無くなったら、勇気ある自主的返納を!
このように、講習予備審査(認知機能検査)が行われるといっても、軽微な物忘れや判断力の衰え程度では、免許が取り消されることはありません。
そのため、ちょっと安全運転に支障が出てきたなあと自覚があれば、なるべく早めに自主返納したほうが、大きなトラブルを未然に防ぐことになります。
ただ、車の運転というのは、その人にとって大きなプライドや生きがいとなっている事もあるので、そういう場合は簡単に返納することはできないでしょう。
例えば、今盛んに研究開発されている、自動ブレーキなどの「先進安全技術」ですが、高齢者の場合は、認知機能低下の程度によって、これを義務付けるというのはどうでしょう。
全自動運転が実現されれば、それが一番ですが、それまではまだまだ時間がたっぷりと掛かりそうです。先進安全技術であれば、すでに実用化されていますので、後は法体系を整えるだけで済むはずです。