ETCカードを発行するためには、通常、その元となるクレジットカードが必要です。
そのため、何らかの理由でクレジットカードが持てない人の場合、結果的にETCカードも持つことが出来ません。
ただし、ETCカードは交通インフラを支える重要なシステムの一部です。全ての人に利用する権利がなければ、円滑な交通環境の実現は難しくなります。
そこで考え出されたのが、クレジットカードが無くても使う事のできる「ETCパーソナルカード」です。
「ETCパーソナルカード」にクレジット機能は無い
この「ETCパーソナルカード」は、通常のETCカードと違ってクレジットによる支払い機能がありません。
その代わり、銀行口座から後払いで通行料金を支払う事になります。ただし、支払いには1ヶ月以上の時間差が生じますので、それまでの保証としてユーザーはデポジット(保証金)を預ける仕組みになっています。
この保証金は、通行料金の支払いに使われることはありません。後日、カードを廃止した際には、全額返金される事になります。
ちょっと分かりにくい「デポジット」の仕組み
「ETCパーソナルカード」の公式ホームページを見てもらえば分かると思いますが、このデポジットシステム、ちょっと分かりづらい部分があります。
というのも、ユーザーの月あたり使用料金の平均額を4倍にした額をデポジットとして預けるのですが、この平均額を超えたからといって、特に大きな制限が発動する事はありません。
例えば、月平均使用額が5,000円の場合、デポジットはその4倍の20,000円となります。ある月の使用額が5,000円を超えたからといって、そこからすぐにカード機能が停止されるわけではありません。
実際にはデポジットの70%。14,000円を超えた所で、ユーザーの銀行口座からさらに20,000円のデポジットが自動でチャージされるだけです。
この段階でデポジットの合計は40,000円となっていますが、このままさらに使い続けてデポジットの80%、32,000円に到達すると今度は自動チャージではなく、カード機能が停止されることになります。
デポジットの額は、ユーザーの利用料金に応じて、「20,000円」「40,000円」「60,000円」「80,000円」の4種類が設定されています。
この中で利用額が75%で自動チャージが行われるのは、「20,000円」だけ、後は利用額が80%に到達した時点で利用停止となります。そのため、デポジットを設定する時は、少し余裕をもって設定しておく必要があります。
平均利用月額は単なる目安
つまり簡単に言うと、最初に設定した月あたりの平均使用額は、たんなる目安に過ぎないという事になります。
秋ろーが始めてこのデポジットの表を見た時、この月あたりの平均利用額が何を意味しているのか分からず、しばらく考え込んでしまいました。
また、年会費としてデポジットは別に、年間1,234円が掛かります。
「ETCパーソナルカード」の概要まとめ
最後に、「ETCパーソナルカード」の概要をまとめておきます。
- 「ETCパーソナルカード」はクレジットカードではなく、デポジット(保証金)を預託することで、銀行口座から後払いする仕組み
- デポジットは単なる保証金なので、プリカのようにそこから通行料金が引き落とされる事は無い
- デポジットは、カード解約時に全額返金される
- 月あたりの平均使用額は単なる目安、実際に重要なのはデポジットの額
- デポジットの他に年会費1,234円が必要となる
カード申し込み方法については、「ETC総合ポータルサイト」を御覧ください。
ETC総合ポータルサイト内、「ETCパーソナルカード」解説ページ