今回は「新型 ボルボ V90 T6 AWD R-Desigh(2代目)」を試乗レポート。
2016年にフルモデルチェンジした、Lクラスの5ドア・ステーションワゴンです。日本市場では2017年より発売されています。
初代V90が1998年に廃止されてから、実に18年ぶりの復活となります。
ボルボが誇るフラッグシップモデル「XC90」と同じプラットフォーム「SPA」が使われています。ボディ剛性の向上とともに、大幅な軽量化を実現しています。
外観
全長4935mmX全幅1880mmX全高1475mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2940mmとなります。
フロント
ヘッドライトユニットには、北欧神話に登場する神「トール」の武器「トールハンマー」をモチーフにした「T」字型のLEDライナーがレイアウトされます。
ゆったりとしたふくよかなフロントノースと相まって、伸びやかな上質さを表現しています。
※ちなみにアメリカン・コミック「マイティー・ソー」の主人公「ソー」も、北欧神話に登場する闘神「トール(Thor)」がモチーフです(ソーはThorの英語読み)。
サイド
FFベースのAWDでありながら、短く切り詰めらたフロントオーバーハングとロングノーズが相まって、FRのような美しいサイドシルエットを構成しています。
リア
ワイドにどっしりと大地を踏みしめるリアフェンダーに、薄いリアウィンドウ。ボルボならではの特徴的なL字型リアコンビランプ。重厚感の中にも上品な優雅さを感じさせるリアエンドです。
内装
上質感あふれるモダンなインテリアデザイン。ただ残念なことに、明るいウッドを大胆に使用した、かつての北欧デザイン独特の個性は感じられません。
メーターナセルには、今流行りのバーチャルディスプレイが装備されます。合理的なデザインに整理されているため、使い勝手、視認性ともに良好です。
シート
フロントシートには、立体的なセミバケットシートが装備されます。しっとりとした手触りの本革に、コシのあるクッションが組み合わされ快適な座り心地です。
リアシートもフロントシートと同様に快適なシート構造です。長いホイールベースと巨大なボディを活かして、広大な居住スペースを確保しています。
荷室
奥行きの深い、広大な荷室スペースです。4人家族でキャンプやバーベキューなど、存分に楽しむことができます。
静粛性
重厚感のあるスポーティなエンジンサウンドが車内に響きます。車内にしっかりと遮音材が施されており、不快な印象はありません。
エンジンとミッション
1968ccの直列4気筒DOHCターボ&スーパーチャージャーエンジンに、8速ATが組み合わされます。
エンジンは、320ps/5700rpmの最高出力と、40.8kgf・m/2200-5400rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1840kg。JC08モード燃費は、12.5km/lとなります。
エンジン
2.0Lのターボ&スーパーチャージャーで4輪を駆動。加給系統を2つ持っているため、低速から分厚いトルクを発揮する事ができます。
特に低速域のレスポンスに優れるスーパーチャージャーのおかげで、走り出しは非常にスムーズで軽快です。
ただし、4気筒エンジンに加給することによって大パワーをひねり出しているため、エンジンサウンドは上質というよりもスポーティな気持ちよさがあります。
トランスミッション
スムーズかつダイレクトな変速フィール。パドルシフトが備わるため、任意のタイミングで変速する事ができます。
足回りとハンドリング
前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。
足回り
剛性の高いボディに引き締まった足回りが装備され、やや硬めのスポーティな足回りです。といっても衝撃の角は適度に丸められているため、不快な印象はありません。
ハンドリング
ダイレクト感溢れるクイックなステアリングフィール。スポーティな足回りと相まって、この巨大なボディをキビキビと走らせます。
評価のまとめ
キビキビとしたハンドリングと適度に固められたスポーティな足回り。北欧テイスト溢れる上質で伸びやかなスタイリング。
クラウンのようなゆったりとした安楽な乗り心地を求める人には向きませんが、荷物や人を満載して長距離を快適に走りきり、途中のドライビングも存分に楽しみたいというアクティブな人にピッタリな車です。
価格
価格 | 7,690,000円(税込み)