今回の旧型レポートは「ジャガー XJ 8 3.2 V8(X300)」です。
このジャガーXJは、1994年にモデルチェンジが行われています。イギリス風の上質な佇まいを持つ高級セダンです。
外観
全長5025mmX全幅1800mmX全高1360mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2870mmとなります。
古いジャガーの文法に則ったロングノーズ・ショートデッキの美しいスタイリングを持ちます。
豊富な内外装カラーの中から自分好みの色を選択して組み合わさることで、XJを自由にカスタマイズすることができます。
フロント
丸目の4灯ヘッドライトが装備され、そこからボンネットになだらか隆起が連続しています。低く構えたワイドボディと相まって、上質さの中にも力強さや威厳のようなものを感じさせます。
サイド
薄く長いボディと小さく小ぶりなキャビンによって、クラシカルな佇まいとなんとも言えないスエレガントなカッコよさを感じさせます。俗に言う「ロングノーズ・ショートデッキ」の典型的な成功例といえます。
リア
薄く幅広いエイアエンドに小さなリアコンビランプがレイアウトされ、ジャガーらしい上品でワイルドな印象を与えます。
内装
メーターナセルには視認性の高い大型メーターが装備され、使い勝手も良好です。
しっかりとした上質な本革にウォールナットのパネルが組み合わされ、ジャガーらしい趣味の良い室内空間が演出されています。
シート
たっぷりとしたサイズのフレームに上質なスポンジ、しなやかな本革が貼り付けられ、座り心地の良い快適なシートになっています。長時間座っていても疲れることはありません。
XJにはホイールベースの長いロングヴァージョンがありますが、この標準ボディのXJはやや後席が狭めです。そのため、ショーファードリブン(運転手付き)として使いたい場合は、ロングヴァージョンのXJをオススメします。
ただ、リアシートの作り自体はフロントシート同様に乗り心地の良い快適なシートです。
荷室
「このスペースを後席に使えばもうちょっと室内が広くなるのに」と感じるほど、大きな荷室が用意されています。まあ、それをやるとこのクラシカルな佇まいが台無しになりますが。
静粛性
車内にはしっかりと遮音材が施され、上質な室内空間を演出しています。
エンジンとミッション
3252ccのV型8気筒DOHCエンジンに、5速ATが組み合わされます。
エンジンは、243ps/6350rpmの最高出力と、32.2kgf・m/4350rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1720kgで、10モード/10・15モード燃費は、6.8km/lとなります。
エンジン
モデルチェンジ当初は設計の古い直列6気筒エンジンが搭載されていましたが、2年後のマイナーチェンジによって新しいV型8気筒エンジンに換装されています。
トルクバンドの広いパワフルなエンジンですから、XJの大きく優雅な車体を楽々と加速することができます。上質でスムーズなジャガーらしいフィールも健在です。
ハイパワーヴァージョンのXJRには、スパーチャージャー付き4.0Lエンジンが搭載されますが、普通に走るだけならこの3.3L自然吸気エンジンで十分です。
トランスミッション
トルクフルなエンジン特性を十分に活かして、低速回転を保ちながらゆるゆるとスムーズに変速していきます。
足回りとハンドリング
前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。
足回り
しっとりした上質感のある快適な乗り心地です。ただふわふわとやわらかいだけではく、生き物ののような芯のあるしなやかさがあります。
この快適な乗り心地とハンドリングのバランス感覚は、ジャガーでしか味わう事のできない独特の世界観です。
路面の段差では不快な衝撃を車内に伝えることなく、舐めるように通過してきます。
ハンドリング
しなやかかつ正確なハンドリングフィールです。ドライバーが僅かにステアリング切ると、それに合わせて車も正確に姿勢を変化させて行きます。
評価のまとめ
クラシカルなスタイリングに、上質な本革とウォールナットを組み合わせた趣味の良い内装は、いかにも英国車といった佇まいを持ちます。
スムーズかつ上質なエンジンフィール、極上の乗り心地に素晴らしいハンドリングと、車好きが一度は所有してみたいと憧れる至高の車作りが頑なに守られています。
価格
新車当時の価格 | 6,220,000円