ポルシェ911は現在生産されているスポーツカーの中でも、屈指の出来を誇る素晴らしい車です。そのため、この車のモデルチェンジにあたっては、常にポルシェ技術者の頭を悩ませることになります。といってもその度に期待以上の仕事をしてくれるのですから流石という他ありませんね。
このポルシェ911もいよいよ2018年には、次世代型911にモデルチェンジされることになります。
現行型の911については「新型 ポルシェ 911 カレラ S【試乗評価】」を御覧ください。
※動画は次世代型911のスタイリングやメカニズムに影響を与えた、コンセプトカー「ミッション・E・コンセプト」です。
スタイリングは現行型のイメージを踏襲
スタイリングに関しては、旧来型のポルシェ911のイメージを色濃く残すもので、ドラスティックな変化はありません。
ボンネットは現行型より延長され、それに伴いフロントバンパーも大型化されています。リアコンビランプは2015年に発表された「ミッション・E・コンセプト」を彷彿とさせるデザインで、テールエンドがフラップの様に開閉することでリアスポイラーの働きをします。
この次世代型ポルシェ911には数多くのプロトタイプが目撃されています。今回目撃された最新のプロトタイプには、以前の車には無かった新しいエキゾーストシステムが装備されていました。どうやらこれは、オプションで設定されるスポーツタイプのエキゾーストシステムのようです。
次世代型ポルシェ911にプラグイン・ハイブリッドモデル登場
次世代型となる「8代目ポルシェ911」は、新しいモジュラープラットフォームをベースに構築され、搭載されるパワートレーンは現行よりもさらにバリエーションを増やすことになります。その中にはハイブリッドシステムの搭載も計画されています。
難航する911のハイブリッド化
ポルシェ911のハイブリッド化プロジェクトに関しては、以前から本社の意向で強力に推し進められていると噂されていました。ただし、911は「元々水平対向エンジン+RRレイアウト」のためだけに設計されていた純粋なスポーツカーです。ポルシェエンジニアの手を持ってしてもハイブリッド化は容易いことではありません。
ハイブリッド化は、スポーツカーにとってはメリットばかりではなく、重さやレイアウトを起因とする様々なデメリットを抱えることになります。そのため、911のような純粋なスポーツカーの場合、他のモデルのように単純に電化を進めるというわけにはいきません。
911のような得難いキャラクターを持った特異な車の場合、特に慎重な変化が求められます。「70年代80年代と本当のスポーツカーの良さをしったユーザーは、これから10年、15年と同じような体験を欲し続けるはずです。ポルシェはそのようなユーザーに対して、変わらぬ価値を届け続けることで信頼に答えたい」とはオリバー・ブルームCEOの言です。
ハイブリッド化されても911の価値は不変
現行型911はリアエンジン・リアドライブのため、フロント部分には小さなトランクスペースが搭載されています。加えて4WDモデルが存在しますので、リアエンジン・リアドライブを維持したまま、前輪左右に小さなモーターを2つ装備できる可能性があります。これならば大して重量が増えることもなく、RRの特性を活かしながら、ハイブリッド化することができます。
2015年に発表された「ミッション・E・コンセプト」を見ても、このRR+2モーターというレイアウトが採用される可能性は高いでしょう。
自然吸気エンジンにはマニュアルギアボックスが搭載される
自然吸気エンジン搭載車の場合、このクラスのスポーツカーには珍しい「マニュアルギアボックス」が搭載される事になります。
最新型デュアルクラッチ・トランスミッションであれば、素人がマニュアルを操作するよりも速く車を走らせることができます。加えて、トルクコンバータ式トランスミッションやCVTよりも、ダイレクトでスポーティな操作感を味わうこともできます。
ただし、やはり車との一体感や楽しさではマニュアルギアボックスの方が一枚上手です。これが次世代型911でも維持されるというのは、運転好きにとってなによりも朗報となるでしょう。
新型911のプラットフォームは次世代型ボクスターにも使われる
この次世代型911に使われる新しいプラットフォームは、そのまま次世代型ボクスターやカイエンにも流用されます。加えて、同じアウディ・フォルクスワーゲングループ内の、ランボルギーニやR8にも部分的に使われる事になります。
(参考:CAR Magazine website)