ラリカーのベースとなる自動車を購入したら、次はいよいよラリーに出場するための改造です。
モータースポーツは、サッカーや野球のような一般的スポーツと違って、自分の身体ひとつで出場するってわけにはいきません。自分の代わりに路面を蹴って走るラリーカーがいるんです。
ラリーカーの維持には、購入するための代金の他に車両本体の改造費用や税金、ガソリンやタイヤを交換するためのランニングコスト、競技に参加するための参加費用など様々な費用が掛かります。本格的に参加しようと思えば、その総額は素人が考えている以上に膨大です。
というわけで、初心者がラリーに出場する時、いきなり莫大な費用を掛けて高性能なラリーカーを作り上げちゃあいけません。初めはお金のあまり掛からないライトチューンに押さえておき、出場するレースも初心者用のお気楽なものから始めるのがオススメです。
その後、腕前が上がってきたところで、それに合わせて徐々に車輌や改造にお金を掛けていきましょう。この方が結果的には成長が速いですし、第一、お財布にもやさしいです。「お金を理由に途中でレースを諦める」なんてことも防げます。
ラリーカーに必要な改造
ライトチューンですませるといっても、保安基準に基づいた最低限の改造は必要になります。ラリーに出場するには、車輌の安全対策とラリーコンピューターくらいはいりますから。
具体的な安全対策としては、過酷な悪路を走行してもへこたれない頑丈な足回り、高速走行に対応した高剛性ボディとブレーキ周り、悪路を走行する時に飛んでくる小石や岩からラリーカーを守るカバー、見通しの悪い悪天候時や夜でもハッキリとした視界を確保するライト類などです。
内装関係では、スポーツ走行に対応した頑丈でホールド性の高いスポーツシート、キャビン(居住スペース)を転倒の衝撃から守るロールバー、乗員をしっかりとシートに固定するための4点式シートベルトなどがあります。
ラリーに出場するための「車両規定」
こういった改造の基本的な「車両規定」には、一般道を走っている普通の車と同じで、運輸省が法律で定めた「道路運送車両の保安基準」が適用されます。
競技に使うラリーカーであっても、改造は一般車両と同じ「登録番号票付き車両規定」の範囲内でやらないといけないんです。その後、改造したラリーカーは、国土交通省に報告して「車検」登録するって流れになります。
ラリーカーに関する車両規定は、ラリーを始める時や車両を新しく購入した時だけじゃなくて、ラリーを続けていく限りいつまでも競技者に求められる義務です。
手続きが煩雑で、なんだか聞いているだけでめんどくさくなってしまいますね。ただ、「登録番号票付き車両規定」はラリーカーのための特別な規定じゃないんで、車検だけなら一般的な整備工場でも十分対応してくれます(もちろん、ラリーカーのための高度な改造はプロショップじゃないと難しい)。
JAFの定めるラリーカーの車両規定
「登録番号票付き車両規定」を守って「車検」登録を済ませても、この段階ではまだラリーに出場できません。「登録番号票付き車両規定」の遵守は、あくまでもラリーに出場するための基本的な要件ですから。
実際のラリーに出場するには、ここからさらに一歩進んで、JAFによって定められた細かい「車両規定」に適応させましょう。しかも、この「車両規定」はその年度ごとに細かくアップデートされていきます。ということで、ラリーに出場したい人は、その都度、車両規定を詳しくチェックしないといけないんです。