長く車を使っていると、全体的にガタがきて、あちらこちらでトラブルが起き始めます。
例えば「ドア周り」。毎日何度も繰り返されるドアの開け締めによって次第にドアの位置が微妙にズレ、バシッと一発で閉まらなくなるんです。
こんな状態のまま車に乗っていると「俺のドアはきっちり閉まってるかな」なんて、四六時中ドアのことが気になって運転どころじゃありません。
そんな時は一刻も早くディーラーとか整備工場に車を持ち込んで、ドアの調整をしてもらうのが一番です。多くの場合は工賃だけで、部品代は掛かりません。普段から仲良くしている「行きつけの工場」なら、「これくらいなら、ただでいいよ!」なんてサービスしてもらえることもあります。
とはいえ、中には「ディーラーが遠いところにあるのでわざわざ行くのは面倒くさい」とか、「仕事が忙しすぎて時間が取れない」なんて人もいるでしょう。
ということで今回は、そんな時に役立つ「自分でドアの締まり具合を調整する方法」について解説します。作業自体はそれほど難しいものじゃありませんが、下手をすると余計にドアが閉まらなくなることもあります。不器用な人や作業に自身の無い人は、無理をせずにディラーや整備工場でやってもらってください。
ドア調整の方法は3つ
ドアの締まり具合を調整する方法としては、「ドアストライカー」や「ヒンジ」の調整、「ウェザーストリップ(ドアとボディの間に挟み込まれるゴム部品)」の交換などがあります。
この中で「ドアストライカー」の調整は、素人でも簡単にできる作業なので挑戦してみてください。逆に「ヒンジ」の調整は難しく、専用工具も必要です。腕に覚えのある人以外は、プロに任せたほうが無難でしょう。
「ウェザーストリップ」の交換は、ドアの締まり具合だけじゃなくて雨漏りの改善にも効果があります。部品代として別に数千円程度の費用は掛かりますが、その分費用対効果も大きいです。
ドアの閉まり具合を調整する
ドアストライカーの位置を確認する
「ドアストライカー」とは、ボディ側にあるリング状のパーツで、ドア側に付いている爪「ドアロッカー」を受け止めることでドアをボディにガッチリと固定します。要するに、車のドアは「ヒンジ」とこの「ドアストライカー」だけでボディに固定されているわけです。
このあたりのパーツが微妙にズレるだけでドアが閉まりにくくなるのは、この構造のためです。それではまず、一番簡単な「ドアストライカー」の調整からやってみましょう。
ドアストライカーの位置をマーキングする
ドアストライカーの調整をする前に、色鉛筆や水性ペンなど、簡単に消せる塗料を使ってドアストライカーの位置をマーキングしておきます。
ドアストライカーのネジを緩める
ドアストライカーは、大きなネジやトルクスネジでボディに固定されているので、ドライバーやトルクスネジ用のラチェットを使って緩めます。
ドアストライカーのネジは大きな力でガッチリと固定されてます。サイズの合わないドライバーで無理やり回して、ネジ山を壊さないように注意してください。それから、今回やドアストライカーの位置を微調整するだけなんで、完全にネジを緩めてしまう必要はありません。指でドアストライカーを押したら動く程度で十分です。
ストライカーの位置を調整する
次に、ドアストライカーの位置を少しずらして微調整します。
ドアがガタつく時は内側へ、ドアの締まりが悪い時は外側へズラします。といっても、一度の調整でピタリと決まることはそうそうありません。「ドアストライカーの位置を調整してはドアの締まり具合を確認する」という作用を何度も繰り返して、徐々に理想の閉まり具合に近づけていきます。
確認作業をする時は、ドアをなるべく静かにゆっくりと閉めてください。ドアストライカーが大きくズレていると、ドアロッカーに強くぶつかって壊れてしまうからです。
ドアストライカーのネジを本締めする
ドアがきっちりと閉まるようになったら、その位置でネジをしっかりと閉め、ドアストライカーを確実に固定します。
ヒンジの調整はプロに
ドアストライカーの調整が終わると、ヒンジ部分のドア(前側)とボディに段差ができてしまう事があります。こんな時はヒンジレンチを使えば調整する事ができますが、ちょっとしたテクニックが必要な作業ですので自信のない人はプロに依頼しましょう。
ウェザーストリップの交換
ウェザーストリップの位置を確認する
ドアの周囲(ボディとの接点部分)にぐるりと巻かれている黒いゴムの部品がウェザーストリップです。この部品が劣化してくると車内に雨水が侵入してきたり、ドアがバシッと閉まらないといった不具合が発生し始めます。
ウェザーストリップを外す
ウェザーストリップは等間隔に配置されたクリップでドアに固定されていますので、このクリップを一つずつ外しながらドアから剥がしていきます。
新しいウェザーストリップをはめ込む
次はウェザーストリップを剥がしたときの逆の要領で、クリップを一つずつはめ込みながら装着していきます。
ドアを軽く開け閉めしてみて不具合がなければ作業は終了です。