新型 メルセデスベンツ GLSクラス(X166)【試乗評価】クロスオーバーSUVのファーストクラス [LDA-166824]

今回の【試乗評価】は「新型 メルセデスベンツ GLS350 d 4MATIC Sports」。LLクラスの高級クロスオーバーSUV(5ドア)です。

2016年に内外装をアップデート。同時に「GLクラス(2代目)」から名称変更されることで誕生したモデルです。つまりメカニズム面の変更はほとんど無いので、フルモデルチェンジというよりはマイナーチェンジといった方が近いかもしれません。「GLクラス」が登場したのは2012年(日本市場への導入は2013年)ですから、登場からすでに6年が経過しています。

基本となるプラットフォーム(基本骨格)は、クライスラー傘下のSUVブランド「ジープ」が製造する「チェロキー」と同じ。

また、2011年に「Mクラス」として登場し、2015年に名称変更された「GLE」ともプラットフォームを含む多くのメカニズムを共有しています。

名称の「GL」はSUVカテゴリー、「S」はSクラス相当の車格という意味です。つまり車格としては「GLE」より「GLS」の方が上。メルセデスベンツが誇る、SUVフラッグシップモデルの役割も担います。

ライバルは「BMW・X5」や「アウディ・Q7」、「ボルボ・XC90」、「レンジローバー・スポーツ」などLLクラスの高級クロスオーバーSUVたちです。

※じっくり読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓

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「新型 メルセデスベンツ GLS350 d 4MATIC Sports」の外観

ボディサイズ、全長5140mmX全幅1980mmX全高1850mm。ホイールベース、3075mm。

GLEとGLSの違い

GLEとの違いは、外装デザインの僅かな部分と、ホイールベースの長さおよびシートの数。その他の基本的なスタイリングは共通です。

ロングホイールベースを生かして、「GLS」には「3列7人乗りシート」を装備。3列目シートからはドアが遠く乗り降りがしにくいのですが、座り心地に問題はありません。対する「GLE」は普通の「2列5人乗りシート」となります。このあたりはマツダ・CX-5と、CX-8の関係に似てますね。

個人的には「クラス名を変えるほどの違いはないのかな」という印象です。

フロント

フラッグシップSUVにふさわしい重厚感あふれるフロントフェイス。ダイナミックなダブルフィン・グリルに、がっしりとした形状のLEDヘッドライトが組み合わされます。

GLEとGLSの違いは、グリルフィンに与えられたスリット形状のみ。GLEが横長のスリット形状なのに対して、GLSはドット状のスポーティなデザインです。

サイド

スポーティな趣の強いGLEに対して、GLSのサイドビューは、ロングホイールベースを活かした伸びやかなスタイリング。

Bピラー(前から2番目の柱)とCピラー(前から3番目の柱)をブラックアウト(黒色で隠す)することによって、サイドウィンドウの繋がりを演出。伸びやかな印象をさらに強めています。

リア

大きく張りのあるリアエンドに、多角形型のどっしりとしたリアコンビランプ。しっとりとした上質感と、重々しい重厚感が上手く表現されています。

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内装

しっとりとしたソフトパッドに、質感の高い木目ガーニッシュ。メタルフィニッシャーを組み合わせた上質な室内。SUVらしい実用性を重視しているため、Sクラスほどの高級感はありません。

メーターナセルには、砲弾型の風防を備える大型二眼メーター。メーターの間には、車輌情報やディスタンスパイロットの状況を表示するインフォメーションディスプレイを装備。

ボディサイズはかなり大きめですが、見切りの良いボディと高い目線によって車両感覚自体は掴みやすいです。ある程度、道幅や駐車場に余裕のある郊外なら、「日常の足としても十分使えそうだ」と感じました。

センタークラスター最上段には、ナビゲーションなどを表示する大型液晶ディスプレイ。その直下には、オーディオやナビゲーションを操作するためのコントロールユニット。最下段には、エアコンユニットが装備されます。エアコンは大きなダイヤル式で、手探りでの操作もやりやすいです。

シート

フロントシートは、がっしりとした分厚いクッションに上質なナッパレザーを組み合わせた快適なシート。適度なサイドサポートが装備され、均一な圧力で身体を支えます。

セカンドシートもフロントシート同等の上質な掛け心地。足元、頭上空間ともに十分以上のスペースがあります。法規上は3人掛けですが、中央のシートには身体に合わせた窪みが無いので、快適に座るなら2人掛けまででしょう。

サードシートは奥まった荷室近くにあるため、ドアが遠く乗り降りがしにくいです。ただし、シート表皮、クッションともに上質な作りで、座り心地自体に問題はありません。

「これなら長距離ドライブ(50km以上)も大丈夫かな」と感じました。

荷室

荷室には、3列7人乗りモードでも十分なスペース(680L)を確保。縦方向にも余裕があるため、家族4人でキャンプもギリギリ行けそうです。

さらに、サードシートやセカンドシートを電動で折り畳めば、ワンボックス並(2300L)の広大な荷室を作ることもできます。

静粛性

室内にはたっぷりと遮音材や吸音材が施され、Sクラス並の静粛性を確保しています。

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エンジンとトランスミッション

2986cc・V型6気筒DOHCディーゼル・ターボエンジンに、9速ATが組み合わされます。
エンジンは最高出力258ps/3400rpm、最大トルク63.2kgf・m/1600-2400rpmを発揮。

車両重量2580kg。JC08モード燃費、12.4km/l。

トルキーなディーゼルエンジン

3.0リッターのV6ディーゼル・ターボで4輪を駆動(フルタイム4WD)。

極低回転域(1600回転)から分厚いトルク(63.2kgf・m)を発生するパワフルなエンジン。ラグジュアリーSUVにふさわしい滑らかなフィールで、2.5tあまりのボディをグイグイと力強く加速させます。

車外ではディーゼル特有のノイズを感じさせるものの、車内の静粛性はラグジュアリーセダンに迫るレベルです。

急な坂道でアクセルを踏み込めば多少エンジンノイズを高めますが、ガソリンエンジンにも引けを取らない上質なフィールがあります。日本国内の公道を走るなら十分すぎる動力性能です。

「いやいやこの程度では物足りないよ」という人には、「4.7リッターV8ツインターボ(ガソリン)エンジン」もあります。ただし、トルク感自体はそう変わりませんし、燃費やコストを考えればディーゼルエンジンを搭載する「350d」の方がお得です。

と考えましたが、このクラスで燃費やコストを重視する人は少ないかもしれませんね。

滑らかなトランスミッション

トルコン式の9速ATを装備。トルキーなエンジンとの相性は抜群で、エンジン回転を高めることなく滑らかで力強い加速をサポート。変速フィール自体も上質です。

乗り心地とハンドリング

前後ともにAIRマチックサスペンションを装備。

ロングストロークを活かした快適な乗り心地

装着タイヤは、295/40R21。

ロングストローク・サスと大径タイヤを組み合わせた、重厚感あふれるしなやかな乗り味。

目地段差や橋脚ジョイントでは、路面からの衝撃を柔軟に吸収しますが、大きめの段差では多少突き上げ感があります。もちろん、角が丸められているため不快感はありません。

うねりのある路面に入っても、4つのタイヤが巧みに上下してボディをフラットに維持。SUV特有のユサユサとした揺れも最小限です。

横風やわだちに進路を乱されることも少なく、ボディが不安定になりやすい高速域でも真っ直ぐに進みます。

ボディサイズを感じさせない素直なハンドリング

ボディの大きさを感じさせない素直なハンドリング。適度な重さと上質感も伴います。

ドライバーの操舵に対する反応も正確で、狙ったラインを外しにくい。ただし、ロードインフォメーションは希薄で、運転する楽しさも少なめです。

コーナリング中はゆったりとしたロールを伴いますが、リアの接地性が高く、安定感を失うことはありません。

最小回転半径は、5.7m。ボディサイズの割には、結構小回りが効きます。

【試乗評価】のまとめ

「新型 メルセデスベンツ GLS350 d 4MATIC Sports」は、メルセデスベンツが誇る最上級クロスオーバーSUV。

ロングホイールベース(3075mm)と2mに迫る車幅を活かしたボディには、圧倒的な存在感があります。車内空間も広大で、フロントやセカンドシートはもちろんのこと、サードシートにも十分なスペースを確保。セカンドシート及びサードシートを倒せば、巨大な荷室空間が出現します。

搭載されるディーゼルエンジンは低速から分厚いトルクを発生するトルキーな特性。2.5tあまりのボディをものともせず、グイグイと加速します。

ボディサイズのわりに、ハンドリングは素直で正確。ロングストロークを活かした重厚感あふれるしなかやかな乗り味が与えられ、ロングドライブでも疲れにくいです。このあたりは、出来の良い分厚いシートの恩恵もあるでしょう。

内装の上質感を求めるなら「レンジローバー・スポーツ」、モダンな内装なら「アウディ・Q7」をオススメしますが、重厚感あふれる乗り味なら、この「新型 メルセデスベンツ GLS350 d 4MATIC Sports」が一番だと思います。もちろん「GLSクラス」の内装も車格に応じた質感を備えますが、ライバル二車と比較すれば多少無骨な印象です。

逆に「SUVなら多少無骨な方がふさわしい」という人には、「GLSクラス」の方がピッタリと来るはずです。

中古車市場では

2017年式「メルセデスベンツ GLS350 d 4MATIC Sports」で900万円前後(2018年7月現在)。

新車価格

12,140,000円(消費税込み)

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akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

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現在、古い「試乗関連」の過去記事を全面書き換え中。その分、新しい記事の投稿が少なくなります(2018年4月〜)