今回は「新型アウディ A4 アバント 2.0 TFSI quattoro(B9系)」を試乗レポートいたします。
A4アバントは、2016年のモデルチェンジで5代目となりました。
セダンについては「新型アウディA4 2.0 TFSI(B9系)」のページをご覧ください。
外観
全長4735mmX全幅1840mmX全高1455mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2825mmとなります。
一見、先代とあまり代わり映えのしない外観ですが、よく見ると細部のディティールがしっかりと煮詰められており、完成度が向上しています。
ボディパネルの隙間、いわゆる「チリ」といわれる部分の精度も高く、他のドイツ高級車勢と変わりません。
フロントフェイスは、シャープな造形になったヘッドライトとシングルフレームが印象的な、クリーンで知的なデザインです。
サイドビューは、ロングホイールベースとショートオーバーハング、後退したAピラーによりFRに近い流麗なプロポーションです。さらに、Dピラーが極端に前傾しているためクーペライクな印象を持ちます。
リアコンビランプは上品でクールな印象のデザインが与えられ、傾斜のきついDピラーと相まって、ぐっとリアエンドが絞り込まれたようなスポーティなデザインです。
内装
先代のオーソドックスかつ上質な室内デザインから一転、近未来感溢れる先進的なデザインに生まれ変わっています。
メーター内が全て液晶ディスプレイとなる「バーチャルコックピット」をオプションで選択すると、さらに未来的でSFチックなデザインとなります。
先代A4でのウィークポイントだった、足元空間の窮屈さは随分と改善され、左足を自然な位置に置くことができるようになりました。
前席のシートは、たっぷりとした厚みと余裕のある大きめのサイズで、しっかりと身体を支えてくれます。座ったときの質感にも適度な硬さが感じられ、長時間座っていても疲れない快適なシートです。
後部シートは、ボディが大型化されたこともあり足元空間が23cmほど拡大されています。前席同様たっぷりとした厚みと適度な硬さがあり、長時間の使用でも快適です。
また、遮音材がたっぷりと使われ、エンジンサウンド自体も静かなため、車内の静粛性はとても高いです。
エンジンとミッション
2.0L直列4気筒DOHCターボエンジンに、7速Sトロニックが組み合わされます。
エンジンは、252ps/5000-6000rpmの最高出力と、37.7kgf・m/1600-4500rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、15.5km/lとなります。
2.0Lのダウンサイジングターボは沸き上がるような低速トルクで、1680kgのボディを軽々と加速させます。
組合わさられる7速Sトロニックはエンジンとの相性も良く、エンジン回転と車速に応じたリニアでスムーズな変速制御を行います。
高回転まで回してもエンジンサウンドは控えめで、スポーティなサウンドを望む人には少し物足りないかもしれませんが、低音が特徴的な重厚感あふれる音質です。
足回りとハンドリング
前後輪共に、ウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。
車速感応式の電動ステアリングはセッティングが絶妙で、全ての速度域で自然で快適な操作を約束してくれます。決してクイックな特性ではありませんが、ドライバーの意図に素直に反応するリニアなフィールです。車体のロール感も少なく、コーナーでは侵入から脱出まで終止安定した姿勢を保ち続けます。アクセルコントロールで姿勢を微妙に変化させる事も可能で、ステアリング操作と合わせて深みのある車との一体感が味わえます。
硬めで引き締まった足回りは、低速ではコツコツと段差の衝撃を拾いますが、ストロークの長い良く動くサスと高剛性ボディにより、不快な衝撃はしっかりと遮断されています。
ロングホイールベースと、スタビリティの高い4WDシャーシーにより直進での安定性も非常に高いです。
評価のまとめ
今やアウディA4は、ほかのドイツ高級車とならんでも遜色のない、上質な内外装と独特の存在感を備えています。
大きすぎず小さすぎない手頃なサイズ感とワゴンのたっぷりした積載性能、上質な内外装とドイツ高級車のプレミアム感、さらにアウディならではの知的でクールなキャラクターを求めている人にはぴったりな一台です。
アウディ独自の圧倒的なスタビリティを誇る4WDシャーシーも、他のドイツ車では得られないアウディならではの美点です。
価格
価格 | 6,260,000円(税込み)