今回は「新型 ジープ レネゲード トレイルホーク」を試乗レポートいたします。
ジープレネゲードは、2015年に登場したブランニューモデルで、フィアット500Xとはプラットフォームが共有される兄弟車です。
外観
全長4246mmX全幅1805mmX全高1725mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2570mmとなります。
兄弟車のフィアット500Xとは、まったくキャラクターの異なるどっしりとした重厚感のあデザインですが、ある種のかわいらしさも感じられます。
第二次大戦中に米軍が使っていたガソリン缶に使われていた「X」型が、デザインモチーフとして車体のあちこちに使われています。
全体のスタイリングも、当時の「ジープウィリス」がモチーフになっています。
フロントは、ジープウィリスをモチーフとした丸目ヘッドライトと、7スロットグリルが唯一無二の個性を発揮しています。
サイドビューは、現代的なFF車がベースになっているため、ジープウィリスとは印象の異なるプロポーションです。
ボディの角には角張った処理が施され、どっしりとした重厚感のあるスタイリングです。
リアコンビランプにはモチーフの「X」が大胆にあしらわれており、全体のたくましいデザインと相まって、強烈な個性を感じさせます。
内装
内装はモダンでクラス標準以上の質感があります。メーターは中央に大きな液晶モニターの付いた視認性の高いデザインです。メーターリングにはダイバーズウォッチのような処理がされていて、タフネスさと遊び心を感じます。
前席のシートは適度な硬さで、サイズも厚みもたっぷりとした余裕があります。長時間座っていても疲れません。
後席のシートも同じく、サイズ、厚み共に十分です。居住空間には必要最小限のスペースが確保されています。ただリアドアが小さく、若干乗り降りがしづらいです。
遮音性能が高く、ロードノイズの侵入は最小限で室内はとても静かです。
エンジンとミッション
2.4L直列4気筒DOHCエンジンに、9速ATが組み合わされます。
エンジンは、175ps/6400rpmの最高出力と、23.5kgf・m/3900rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、10.4km/lとなります。
出だしでは若干のもっさり感がありますが、トルクは必要十分以上で力強いエンジンです。1430kgのボディを気持ち良く加速させてくれます。
エンジンは低速トルク重視の設定で、高速では加速のするどさが今ひとつです。
ZF製9速ATはエンジンとの相性も良く、リズミカルでレスポンスの良い変速制御を行います。
アイドリングストップは少し衝撃が大きめです。
ブレーキは制動力の立ち上がりが唐突で、スムーズなコントロールが難しいですが、安全性に問題があるというレベルではありません。
足回りとハンドリング
前後輪ともに、マクファーソンストラット式サスペンションが装備されます。
しっとりとした重厚感のあるステアリングフィールで、ドライバーの意図したラインを正確にトレースしてくれます。
車高の割にはロールが少なめで、安定したコーナリングが可能です。
サスペンションのストロークがたっぷりとしており、衝撃の入力は穏やかで快適な乗り心地です。適度に引き締まったしなやかな足回りです。
評価のまとめ
兄弟車のフィアット500Xと同じく、デザイン優先のライトSUVですが、ジープレネゲードはそれだけに収まらない、ジープらしい独特の個性があります。
また2.4Lエンジン搭載車は、自然吸気らしい素直で扱いやすいトルクフルな特性です。乗り心地もフィアット500Xよりはしなやかで快適です。
このジープレネゲードは、トルクフルで穏やかな乗り心地を好む個性的な人にピッタリな一台です。
価格
価格 | 3,456,000円(税込み)