今回は「新型アウディQ7 3.0 TFSI quattro」を試乗レポートいたします。アウディQ7は、2016年のモデルチェンジで2代目となったプレミアムSUVです。
外観
全長5070mmX全幅1970mmX全高1735mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2995mmとなります。
外寸は先代より僅かに縮小され、凝縮感のあるスタイリングです。緊張感のある面構成と、繊細なディティール処理により上質な佇まい。
フロント周りは、先代のスムーズで滑らかなデザインから、直線基調の引き締まったデザインに生まれ変わっています。
サイドビューは、アウディとしてはフロントオーバーハングが長く、典型的なFF車のシルエットを持ちます。また、Dピラー(一番後ろの柱)が前方に強く傾斜しているため、大型SUVにしてはスポーティな印象です。
リア周りは、後部ハッチの形が先代によく似ており、プラットフォームがキャリーオーバーされている事が分かります。リアコンビランプは、直線基調のデザインに変更され、内部のリフレクターは最新のアウディによく使われる、鳥の足跡を連ねたようなデザインです。
内装
内装のデザインは最新のA4等との共通イメージが踏襲され、知的で上質な雰囲気です。
メーターには、最新の「アウディバーチャルコクピット」が標準装備され、近未来的なかっこよさがあります。またスマートフォンと連携可能な「アウディコネクト」と、大型タッチパネルを装備した最新型のMMIも装備されます。
外寸が僅かに縮小されたにも関わらず、室内空間は広く快適です。
前席はシート位置が低く、逆にダッシュボードが高いため、潜り込んだようなドライビングポジションになります。シートは大きく厚みもたっぷりとしていて、身体をしっかりと支えてくれます。本革の質感もしっとりとした上質なものです。またシートの調整幅が大きく、色々な体型の人に幅広くフィットさせる事が可能です。
2列目シートも、大柄でしっかりした質感のシートです。座面の長さとシートバックの高さも適切です。
オプションで設定する事のできる3列目シートは、室内が広くなったおかげで、頭上空間と膝元に余裕があります。大人が移動するための最低限の広さが確保されています。
また、風切り音やロードノイズの発生がよく抑え込まれており、加えてたっぷりと遮音材も打ち込まれているため、室内の静粛性は非常に高いです。
エンジンとミッション
3LV型6気筒スパーチャージャーエンジンと、8速ティプトロニックが組み合わされる。
エンジンは、333ps/5500-6500rpmの最高出力と、44.9kgf・m/2900-5300rpmの最大トルクを発揮。
JC08モード燃費は、11.7km/l。
車両重量2080kgと、従来モデルに比べて最大300kgの軽量化が施されています。
低速トルクは44.9kgf・m/2900-5300rpmと強大で 重量級ボディをいとも簡単に加速させます。このトルクは極低回転からたっぷりとしており、出足もスムーズで軽快です。エンジンの柔軟性も高く、どの速度域からもピックアップよく加速していく。また高回転域でも、息継ぎ無くどこまでもスムーズに吹け上がります。
このquattoroシステムは通常は前後40:60のトルク配分を持ち、状況に応じてフレキシブルにトルク配分を可変制御します。
スムーズな制御の8速ティプトロニックとの連携により、ダイナミックで上質な加速フィール。右足の僅かな操作に確実に反応しながらも、唐突なところのない穏やかなドライブフィールです。
足回りとハンドリング
前後輪ともに、5リンク式サスペンションが装備される。
ハンドリングは軽快で気持ちいい。大きなボディによる挙動の遅れはありません。4輪操舵システムは高速では前輪と後輪が同じ方向に操舵、安定感のあるコーナリングをアシストする。低速では前後で違う方向に操舵され、鋭い切れ角と自然なステアリングフィールを実現しています。大きく重いボディの割にロールは小さく、一体感のある走りです。
軽量高剛性ボディとしなやかで快適なサスペンションが組み合わされ、ソフトで上質な乗り心地。段差のハーシュネスをきれいに減衰して、「トンっ」と上品に通りすぎます。
評価のまとめ
大きなボディによる広大な室内と堂々とした上質な風格、スムーズで軽快かつ上質な走りを両立した贅沢なプレミアムSUVです。
また内装デザインには未来的な上質感があり、これはライバルには無いアウディQ7の大きなセールスポイントです。
上質で先進的なイメージと走りの良さ、加えて大きな居住空間やユーティリティを求めている人にオススメの一台です。
価格
価格 | 9,290,000円(税込み)