今回は「新型ホンダ N-BOX SLASH X ターボパッケージ」を試乗レポートいたします。
この「 N-BOX SLASH」は、ルーフを低めたN-BOXの派生車種です。
通常ルーフのN-BOXや、自然吸気エンジンに興味がある方は「ホンダ N-BOX G」のページをご覧ください。
外観
全長3395mmX全幅1475mmX全高1670mmのボディサイズを持ちます。またホイールベースは2520mmとなります。
アメリカのカスタムカーによくある、チョップトップという手法で、屋根の高さを10cm引き下げています。
さらにローダウンサスペンション化も合わせて行われ、合計11cmの全高ダウンがなされています。
加えてルーフエンドを絞り込み、またショルダーラインをリアでキックアップさせる事で、クーペルックなスタイリングになっています。
メッキモールを多用したカスタム系のデザインが施されていますが、このモデルにノーマルとカスタムの区別はありません。
後部サイドドアのドアハンドルは、アルファロメオのようにウィンドウ後部の見えづらい位置にレイアウトされ、あたかも2ドアのように見えます。
当初このSLASHのアイディアはモーターショーだけのものでしたが、実際に発表してみると予想外に好評となり、市販モデルとして発売されるまでになりました。
内装
ショーモデルから派生した事を伺わせるのが、この内装の華やかなヴァリエーションです。
SLASHには5つの内装デザインが用意されていますが、特に「カリフォルニアスタイル」と「グライドスタイル」は、アメリカンカスタムカーのような思い切ったデザインで、楽しくなります。
標準でビニールシートが装備されますが、上質な処理が施される訳でもなく、昔懐かしい風情の質感です。
しかし、このビニールシートを見た事のない世代の人には、かえって新鮮かもしれません。
僕たちのようなおやじ世代にとっても、チープというより、70年代のアメリカを思い出すおしゃれな素材感です。
通常のN-BOXには装備されていなかった、ヒルスタートアシスト付き電動パーキングブレーキが装備されています。
その他の使い勝手は屋根が10cm低いだけで、通常のN-BOXと変わりません。
エンジンとミッション
660cc直列3気筒DOHCターボエンジンと、CVTが組み合わされます。
エンジンは、64ps/6000rpmの最高出力と、10.6kgm/2600rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、23.0km/lとなります。
たっぷりとした低速トルクで、1.3L並みの動力性能を持ち、950kgのボディをなんなく加速させてくれます。
N-BOXの自然吸気エンジンで感じたような、力不足はありません。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
また、リアダンパーの径が拡大され強化されています。
ちょっと良いなと思ったのが、ステアリングの手応えを変えられるコントロールスイッチです。
ステアリングの重さは個人の好みが大きく、なかなか万人に最適なセッティングが出しにくいのですが、電動パワーステアリングが普及している今、こういったデバイスは簡単に実現できるはずです。なるべく多くの車種にこのデバイスが搭載される事を望みます。
通常のN-BOXよりルーフが低められ、ローダウン化されているので、ロールや揺すられ感が減少しています。
またロングホイールベースによる、直進安定性や乗り心地の良さはそのまま受け継がれ、素晴らしい乗車感です。
評価のまとめ
この斬新な外装と、華やかな内装カラーが気に入ったら間違いなくオススメの一台です。
しかし、このカスタムカー風の外観は、あくまでも通常のN-BOXあっての派生車種です。
実際の使い勝手やデザインの機能性では、通常のN-BOXの方がオススメです。
価格
価格 | 1,695,000円(税込み)