ホームポジション
まず正しいドライビングポジションで運転席に座ります。
次に、手のひらをハンドルに軽く押し付けるように、ハンドルを握ります。
右手は3時の位置、左手は9時の位置がホームポジションとなります。現代の車は、この位置に親指を掛ける溝がデザインされている場合もあります。
親指以外の指は、ハンドルの裏側から軽く絡ませるように握ります。決して強く握り込むことのないように注意してください。
クロスハンドル(ステアリング)操作
左に曲がる場合は右手、右に曲がる場合は左手だ中心になって操作します。
それでは、具体的に左に曲がる場合を例にして説明します。
まずホームポジションから、右手の親指の付け根をハンドルに押し付けるように、左にハンドルを切っていきます。
左手は7時半の当たりで手を離して握力を抜きます。といっても緊急の場合に備えていつでもハンドルを握れるように、ハンドルリムのそばで握った形のまま待機しておきます。
右手が7時半の位置まで来たら、左手を移動して反対側の1時半の場所で握ります。
さらにハンドルを回していって、左手が10時半の位置まで来たら、右手を4時半の位置で確実に持ち直します。
このままさらに左にハンドルを回すと、右手が3時、左手が9時のホームポジションに戻ります。
これでハンドルはちょうど1回転したというわけです。
さらに左にハンドルを切る場合はこの動作を同じ様に繰り返していきます。
また、ハンドルを戻す際はこれの反対の動きでハンドルを戻して行きます。
右にハンドルを切る際も同様です。
こういったハンドル操作の事を、腕をクロスしながら操作する事から一般に「クロスハンドル」といいます。
クロスハンドルのメリット
クロスハンドルのメリットは、常にハンドルに手の力が伝わり確実な操作が行えるという事と、どれだけハンドルを切ればどれだけ曲がれるか、また、どれだけ自分がハンドルを操作したかが確実に分かる事です。そのため、自分が操作したハンドルを元の位置に確実に戻す事も簡単です。
また、一度に多くのハンドル操作を、素早く行えるというメリットもあります。
送りハンドル
送りハンドルは、パワステが普及していなかった頃の、重いハンドルを回すための技術です。
今でも、一部のレース競技用テクニックとして使われていますが、基本的に日常ドライビングで使う事はありません。
かえって、正確で確実なハンドル操作を阻害する事になりますので、クセになっている人は直した方がいいです。
ハンドル(ステアリング)ロック
最近の自動車には盗難を防止するための「ハンドルロック」という機能がついています。
これは、エンジンが掛かっていない状態で、無理にハンドルを操作しようとした場合にロックがかかるシステムです。
車を停車した後に、何かの拍子にハンドルを操作した場合でも、ロックされてしまいます。
こうなった時は慌てずに、まずキーシリンダーにキーを差し込み、ハンドルを左右に揺らしながらキーを回わしてみてください。
キーが回ると同時に、ハンドルロックも解除されます。
また、最近増えてきた「スマートエントリー&スタートシステム」でのロック解除方法もあわせて解説します。
この場合は、ATシフトレバーが「P」にある事を確認して、ハンドルを左右に揺らしながらエンジンスタートスイッチを押すだけです。