多気筒エンジンとは
多気筒エンジンは、フェラーリやランボルギーニなどのスポーツカーでよく使われるエンジン形式です。
大きな排気量で大きな出力を出そうとすれば、エンジンを高回転で回してやる必要があります。
それには、気筒当たりの排気量をある程度小さくしてやる必要があり、多気筒エンジンが多く用いられているのです。
また、フェラーリなどの高級スポーツカーでは、それ以上にブランドのプレステージ性を高めるという面もあります。
フェラーリの多気筒エンジン
かつてフェラーリでは、「V型12気筒エンジンを搭載する」ということが、フェラーリとしての侵されざる不文律であった事があります。
つまり全てのフェラーリに、V型12気筒エンジンが搭載されていたのです。
1967年に登場したミッドシップレイアウトの「ディーノ206GT」は、V型8気筒エンジンを搭載していました。
そのため「フェラーリ」の名を与えられず、新ブランド名「ディーノ」を名乗らされたのは有名なエピソードです。
そんなフェラーリでも、最近のダウンサイジング化の流れの中、5L以下のV型8気筒エンジンであっても「フェラーリ」の名が与えられています。
このV型8気筒エンジンのフェラーリは、FR駆動の「カリフォルニア」と、MR駆動の「458イタリア/スパイダー」です。
フェラーリとしては低価格な事もあって、このシリーズの販売は好調です。
乗用車の多気筒エンジン
また乗用車にも、V型12気筒エンジンを搭載したいわゆる「プレステージセダン」と呼ばれる車があります。
その代表的な車はメルセデスベンツSクラスです。ライバルのBMW7シリーズには現在「V型12気筒エンジン」がラインナップされていません。
メルセデスベンツSクラスのV型12気筒エンジンは、滑らかな極上の回転フィールと圧倒的なパワーで、Sクラスの重量級ボディを軽快に走らせます。
このV型12気筒エンジンは、国産車では唯一トヨタセンチュリーのみに搭載されています。
変わり種のW型エンジン
また変わり種のエンジンとして、W型エンジンという形式があります。
V型エンジンをエンジンの正面からみると、クランクシャフトを軸に気筒が「V字型」に並んでいます。
この正面から見て、一塊に見える気筒の列を「バンク」と呼びます。
これが「W型エンジン」の場合、正面から見るとバンクが3つ放射状に、クランクシャフトを軸にしてレイアウトされているのが特徴です。