新型 ホンダ NSX(2代目)【評価レビュー】近未来的コンセプトで生まれ変わった、日本が誇るスーパースポーツ [CAA-NC1]

ホンダ NSX(2代目)の斜め前

今回の【評価レビュー】は「新型 ホンダ NSX(2代目)」。
2016年にフルモデルチェンジした、Lクラスのスーパスポーツ(2ドアクーペ)。

1990年から2006年にかけて販売されていた初代NSXは、日本を代表するスーパースポーツです。モデルイヤーは16年と長期に渡るものの、細かな改良やモデルチェンジに匹敵するマイナーチェンジが繰り返され、最終モデルは初期型とは全く異なるピュアスポーツに仕上がっていました。

レジェンド用3.0L・V6エンジンの搭載や、世界初となるオールアルミモノコックボディ。アイルトン・セナや中嶋悟がテストドライバーとして開発に携わった逸話など、ストーリー性にも事欠きません。

今回の「2代目NSX」は初代の偉大な遺産を受け継ぎつつ、ハイブリッドシステムの搭載や電気モーターを使ったトルクベクタリング・システムなど、未来的な方向を模索する意欲作です。

設計は日米合同チームで行うものの、主体となるのは北米ホンダ。スタイリングや組み立ても北米で行われます。いわゆる逆輸入車というやつです。ただし、一部の主要なパーツやトランスミッションは日本国内で製造されるため、純粋なアメリカ製というわけではありません。

※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「【評価レビュー】のまとめ」をどうぞ。

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外観

全長4490mmX全幅1940mmX全高1215mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2630mmとなります。

フロント

ホンダ NSX(2代目)のフロント

ロー&ワイドなフロントノーズにカプセルのようなキャビン。ダイナミックな形状のフロントバンパーと鋭く切れ上がったLEDヘッドライト。ハイブリッド・スーパースポーツにふさわしい近未来感あふれるカッコいいフロントフェイスに仕上がっています。

サイド

ホンダ NSX(2代目)のサイド

スーパースポーツの文法をそつなく抑えたシルエット。

短く切り詰められた前後オーバーハングに、ダイナミックな形状のサイドパネル。薄く小さなキャビンがボディ中央にレイアウトされ、ミッドシップならではの軽快感溢れるサイドビューを構成。19インチの大径ホイールが足元からボディ全体を引き締めています。

リア

ホンダ NSX(2代目)のリア

ハイデッキ化されたトランクとなだらかに傾斜するリアウィンドウ。ダイナミックに張り出したリアフェンダーが一体となって、スポーティな後ろ姿を形づくっています。

2000万円台のスーパースポーツとしては、もう少し上質感が欲しいところです。

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内装

2000万円級の車としては大衆車的な質感の内装。上質な素材が使えないなら、思い切ってスパルタンに仕上げる手もあると思います。

この手の車としては異例に前方が見やすく、初代NSXの魅力をしっかりと受け継いでします。

シート

前席はスポーティな形状の上質なシート。NSXと聞くとタイプRの赤いバケットシートを思い浮かべますが、このベースグレードは結構快適性が高いです。

荷室

それほど大きな荷室ではありませんが、2人で1泊2日旅行くらいなら大丈夫そうです。

ただし、荷室内はエンジンの熱によって熱くなりやすいため、生モノや精密機器など熱に弱いモノは積めません。

静粛性

少々風切音が大きめ。エンジン音が静かなため、かえって気になります。

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エンジンとミッション

3492cc・V型6気筒DOHCツインターボエンジン+電気モーターに、9速AT(DCT)が組み合わされます。
エンジンは、507ps/6500-7500rpmの最高出力と、56.1kgf・m/2000-6000rpmの最大トルクを発揮。
電気モーターは、122psの最高出力と、30kgf・m最大トルクを発揮。
車両重量1780kg。JC08モード燃費は、12.4km/l。

エンジン

3.5Lツインカム・ツインターボ+電気モーターによるハイブリッドシステムで4輪を駆動(4WD)。

NSXに搭載されるハイブリッドシステム「SPORT HYBIRD SH-AWD」は、他のホンダ製と少々ことなり、トランスミッションに内蔵されたモーターの他に、左右フロントホイールにそれぞれ独立して駆動する2つのモーターを内蔵。

この電気モーターによって、スムーズで力強い発進加速が可能です。「クワイエットモード」を選択するとさらに静かになります。

581馬力のシステム最大出力を誇るものの、欧州製スーパースポーツと比較すると派手な演出や官能性は控えめです。無機質で近未来的なドライブフィールといえます。

トランスミッション

デュアルクラッチ式の9速ATを装備。電気モーターとの連携によって、ウルトラスムーズな変速を瞬時に行います。

乗り心地とハンドリング

前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはウィッシュボーン式サスペンションを装備。

乗り心地

装着されるタイヤは、前・245/35ZR19、後・305/30ZR20。

重厚感あふれるスポーティな乗り味。目地段差やジョイントでは、若干ゴツゴツとした衝撃を車内に伝えます。

ハンドリング

適度な重さを伴ったスポーティなハンドリング。ツインモーターによるトルクベクタリング制御によって、ボディ中央を軸としてグイグイと曲がります。

制御が人工的でロードインフォメーションが希薄なため、ツイッチのオンオフで曲がっているような感覚があります。このあたりは、全く新しいシャシーにハイブリッドシステムやトルクベクタリング制御を組み合わせているので、少々調整や熟成に時間がかかるのでしょう。

最小回転半径は5.9mと大きめ。最低地上高の低さもあって、狭い場所での切り返しには気を使います。

その他

近未来的コンセプトのスーパースポーツですが、先進安全技術の類は装備されていません。車高の低い車には自動ブレーキが付けにくいなんて話を聞いたことがあります(ルーフにカメラやセンサーを取り付けると、路面との角度が浅くなるのが原因とか・・・)。

【評価レビュー】のまとめ

初代ホンダNSXは日本を代表する第一級のスーパースポーツ。当時、若者や子供だった人の中には強い憧れを持っている人も多いでしょう。

今回の2代目NSXも、初代の偉大な資産を受け継ぎつつ近未来的なコンセプトを与えられたスーパースポーツに生まれ変わりました。

先進的なハイブリッドシステムや電気モーターを使ったトルクベクタリング制御を装備するため、やや煮詰めの甘い部分も見受けられますが、パワフルでスムーズなハイブリッドシステムに切れ味の鋭いハンドリング、近未来的なドライブフィールを持ったカッコいい車に仕上がっています。

「とにかくド派手なスタイリングのカッコいい車が欲しい」とか、「Lクラスのスーパースポーツが欲しいが、フェラーリやランボルギーニでは気が引ける」なんて人にピッタリな車です。

人工的なドライブフィールが気になるという人は、あと数年待ってから購入するのも手です。通常、刷新されたシャシーを熟成するには一世代(4年)程度は掛かるといわれます。

中古車市場では

2017年式「ホンダ NSX(2代目)」で2500万円前後。先代最終モデルの2015年式なら900万円前後となります(2018年1月現在)。

価格

価格 | 23,700,000円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)