バブル期に企画され、当時の世界中の自動車メーカーに影響を与えた日本の名車です。初代のロードスターのテールランプはニューヨーク近代美術館に永久収蔵されています。
このロードスターのアイディアは実はマツダのオリジナルではありません。1960年代にイギリスで発売されたMG等のライトウェイトオープンスポーツにそのルーツがあります。
しかし、1990年頃の自動車技術と社会環境でこのロードスターを実現するという意味では、マツダロードスターが与えた影響は大きいです。
その後世界中のメーカーは、その手があったかとばかりにこのタイプの自動車を発売し始め、このライトウェイトオープンスポーツは一つのジャンルとして定着しています。
外観
ちょっとのんきな感じがしてどことなく愛嬌があります。
もちろんマツダの「魂動デザイン」ですから伸びやかで力強く美しいです。
初代のノスタルジックなデザインも素敵ですが、この抑揚のある複雑な表情を持ったロードスターもいいです。
見ればみる程、愛着が湧いてくるデザインです。
内装
今回は先代より質感がアップしています。個人的には、先代のロードスターの様にシンプルで質実剛健な内装のほうが好みです。
ロードスターは走ってなんぼの車ですが、オープン時には内装も外から見えますので、もうちょっとおしゃれなカラーの本革仕様などあると素敵だと思います。
最低限の書類置き場とトランクを備えますので、ちょっとした小旅行ぐらいは可能です。この実用性の高さがロードスターの魅力でもあります。
エンジンとミッション
軽量ボディを手足のように振り回すだけのパワーとトルクはあります。しかし1.5Lですから、必要十分なレベルで暴力的な程ではありません。あくまでもスピードより「人馬一体」が目的のエンジンです。これをアメリカ仕様の2Lに載せ返ると軽快感が失われるそうです。
コクコクと気持ちよく決まる剛性感のあるシフトフィールです。細かいパーツに拘って仕上げなければ、この感触は実現できません。エンジンとの相性もよく気持ちよく加速します。エキゾーズトサウンドは耳に心地よく聞こえるように調整されています。たしかに気持ちのいい壮快なサウンドです。しかしドライバーが聞こえる範囲で調整されていますので、ご近所迷惑の心配はありません。
足回りとハンドリング
スポーツカーとしては軽めのステアリングフィールです。リニアで正確かつしっとりした重厚感まで感じられます。クラッチは走り出しが若干思いですが、気になるほどではありません。電動ステアリングだそうですが、違和感は感じられません。
初代のようなヒラヒラとした軽さは薄まりましたが、軽快感と厚みのバランスした質感でしなやかなです。車から降りたくなくなります。毎日の通勤通学が楽しみになるでしょう。
評価のまとめ
モデルチェンジを重ねる度に、大きくなっていたロードスターですが、今回はグレードによっては1トンを切る程軽量化されています。これが走行性能に良い影響を与えており、軽快感のある上質な乗り味を実現しています。これは現代の安全基準と環境性能を考えると驚異的なことです。企業規模の小さいマツダが販売量のさして多くないこの車にここまでの技術をつぎ込むには相当の苦労が合ったと思います。このフロアを使ってRX-7やフィアットからライトウェイトスポーツが出るとの噂があります。これも今から楽しみです。
主要諸元
全長(前後の長さ) | 3915mm
全幅(左右の幅) | 1735mm
全高(高さ) | 1235mm
車両重量(重さ) | 1010kg
動力システム(エンジン) | 直噴DOHCエンジン
排気量(エンジンの大きさ) | 1496cc
エネルギー源(燃料) | ハイオク
駆動方式 | FR
トランスミッション | 6MT
最高出力 | 96kW[131PS]/7000rpm
最大トルク | 150N・m[15.3kg・m]/4800rpm
燃費 | 17.2km/l(JC08モード)
価格 | 2,700,000円 (消費税8%込)