中古車市場では、同じ車種であっても、発売された年式が古くなるほど除々に価格が低下してきます。
また、これとは別にモデルチェンジやビッグマイナーチェンジなど、大きく外観が変更されることによっても価格が大きく変動する事があります。
この場合は、通常、新しいデザインの車が人気が高く、古いデザインの車の人気が低くなります。その結果、中古車市場では、新しいデザインの車に高い値段が付けられ、古いデザインの車には安い価格が付けられます。
つまりユーザーは多少価格が高くなっても、より新しいデザインの車を購入したいと考えているわけです。車のデザインというのは、それだけ中古車にとって重要な要素となっているのです。
不人気モデルは、早めにスタイリング変更が行われる
ただし、中にはモデルチェンジやビッグマイナーチェンジが失敗して、逆に人気を落とす車もあります。こんな時は、通常4年から5年に1度といわれるモデルチェンジを待たず、大幅にデザインを変更して商品のテコ入れを図る場合があります。
例えば、2000年に発売された「2代目 スバル インプレッサ」です。この世代のインプレッサは、好評だった初代インプレッサのコンセプトをそのまま踏襲していたものの、フロントマスクには斬新な丸目ヘッドライトが装備されていました。この丸目ヘッドライト、ラリーカーのベースとなるWRXに装備されると中々迫力があってカッコよかったのですが、ノーマルグレードになるとどうもちぐはぐでパッとしません。市場での人気もいまひとつでした。
参考:2代目 スバル インプレッサ スポーツワゴン I’s【旧型レポート】
しかし、インプレッサはスバルの重要な基幹車種です。「ちょっと失敗しちゃったね」で簡単に済ますわけにはいきません。そこで起死回生をはかるべく、スバルはこの2代目インプレッサのフロントフェイスに大幅な手直しを施します。これが俗にいうビッグマイナーチェンジというやつです。
実はこのマイナーチェンジも失敗に終わり、スバルはこの後も再び2度めのビッグマイナーチェンジを行うことになります。
この世代のインプレッサは、特殊なWRXを除いて中古車市場での人気も悪く、安い値付けが行われています。当時、2、3年乗って下取りに出そうとした人は、満足できる下取り価格を付けてもらう事ができませんでした。こういった車種を通常の下取り価格で下取りしてもらうには、その車を購入したディーラーに持ち込むしかありません。
そこそこの人気はあるものの、モデルチェンジするほどの予算が取れない場合
逆にそこそこの人気があるものの、モデルチェンジの予算を捻出できるほどでは無いといった微妙なケースもあります。こういった車種の場合も、モデルチェンジを行わず、より少ない予算で外観のイメージを大きく変えることのできるビッグマイナーチェンジが行われます。
最近ビッグマイナーチェンジの行われた「トヨタエスティマ」は、このタイプのビッグマイナーチェンジです。エスティマのビッグマイナーチェンジは都合2回行われていますが、デザイン変更が行われる度にカッコよくなり、現行型エスティマの人気もそこそこ高いレベルを維持しています。
こういったビッグマイナーチェンジの成功例では、新型の人気が高いため、中古車市場での値付けも高く、下取りに出す時も満足のいく下取り価格を付けてもらうことができます。旧型も古くなったとはいえ、人気の高いモデルでしたから、適正な範囲で安い値付けが行われています。運よくこういった人気モデルを買った場合は、下取りに出す時に苦労させたれることもありません。
不人気車のメリット
ここまで聞くと、不人気車種には何もメリットが無さそうですが、実は不人気車種なりの使いでというかメリットもあります。
不人気車種はその人気の無さから、中古車市場ではびっくりするような安い値付けで販売されています。ただし、人気が無いだけで、メカニズムや使い勝手には何にも問題はありません。
2、3年乗って下取りに出そうとすると大変な目に遭いますが、中古で買って乗り潰そうと考える人にとっては、これ以上無いお宝物件となります。特にその車が気に入ったという人なら、こんな幸せな事はありませんね。
車にあまりお金を掛けたく無いという人は、是非、この不人気車種を探してみてください。自分の気に入った車が見つかれば最高の愛車となるでしょう。