従来、シートベルトは、前席のみの着用で良かったのですが、2008年に行われた道路交通法の改正により、後席を含む全ての席で着用が義務付けられるようになりました。
これは、それまでの交通事故を調査することによって、シートベルト未着用による致死率の高さがデータとして明らかになったからです。
バスを含め、基本的に全ての車の全座席で、シートベルト着用の義務がある
それまでのバスは、運転手を含め、乗客全員に対してシートベルトの着用義務はありませんでした。ところが、道路交通法が改正されたことによって2008年以降、運転手と乗客、双方に着用義務が生じます。
ただし、決まった路線を低速で走る「路線バス」については、例外として着用が免除されます。こういった種類のバスは、いつも同じ路線を走っているため、大きな事故に遭う確率がきわめて低いというのがその理由です。そもそも多くの路線バスには、始めからシートベルトが装備されていない事が多いです。
観光バスと高速バスの全座席で、「シートベルトの着用」が義務付けられる
路線バス以外のバス、「観光バス」や「高速バス」については、この例外が適用されず、運転手、乗客の区別なくシートベルトの着用が義務付けられています。
といっても、観光バスに乗った時に「シートベルトを着用してください」と呼びかけられることは少ないです。これは、運転手の怠慢で呼びかけていないというよりも、「乗客に嫌な顔をされたくない」といった余計な気遣いが原因です。
しかし、最近は高速バスの事故により、多くの人が死傷することもあります。こんな時にしっかりとシートベルトを締めていれば、命を失う可能性は極めて低くなります。
観光バスや高速バスに乗ったら、乗員に呼びかけられなくても自主的にシートベルトを着用するようにしてください。普段から自分でシートベルトを締めている人なら、シートベルトを締めている方が安心して観光やドライブを楽しめるはずです。
妊娠中の女性については、シートベルトの着用が推奨される
妊娠中の女性については、赤ちゃんと母体の状況により、必ずしもシートベルトの着用が義務付けられるわけではありません。
といってもシートベルトをする事によって、母体と赤ちゃんが守られる可能性は高まります。日本産科婦人科学会でも妊娠中のシートベルト着用を推奨しているくらいです。ただし、妊婦と赤ちゃんの状態は人により様々ですから、シートベルトの着用については主治医に相談する事が大切です。
正しいシートベルトの着用方法(妊婦の場合)
妊婦の正しいシートベルト着用方法については、まず、シートの奥にしっかりと腰を押し付けて、背中をまっすぐに伸ばした状態でシートに座ります。この時、シートバックはしっかりと立てておきます。
次に、腰ベルトと肩ベルト両方を使って、腹部にベルトが掛からないようにシートベルトを装着します。腰ベルトはなるべく低い位置を通すようにして、腰骨の上で装着します。ただし、腰ベルトだけの装着は腹部に異常な圧迫を加えるため危険です。必ず、肩ベルトと併用して装着するようにしてください。
肩ベルトは柔らかい腹部を避け、肩から胸の間を通し、お腹の横からバックルへと装着します。この時、ベルトによじれの無いように注意してください。
参考:神奈川県警公式ページ「妊娠中の女性へのシートベルト着用の推奨について」↓