
現行のナビゲーションシステムは、アメリカの軍事衛星を利用したシステムで、その誤差は10M以内ともいわれています。
2010年にJAXAが打ち上げた準天頂衛星「みちびき」を始めとして、今後さらに続々と日本独自の衛星が追加されていき、測定誤差は1Mから数センチのレベルへと高められていく予定です。
このように現代技術の粋を集めて設計されたナビゲーションシステムですが、現行タイプにはまだまだメリットとデメリットが混在しています。
ナビゲーションのメリット
ナビゲーションの一番のメリットは、知らない場所でも迷うことなく自由に走れるという点にあります。これはナビゲーションの無かった時代には考えられない事です。まさにSFの世界からそのまま飛び出してきたような画期的なシステムといえます。まあ、このあたりの事は誰でも分かることですので、これ以上詳しくは解説しませんが。
ドライブ中の喧嘩が少なくなる
ナビゲーションのメリットの内、地味ながら大きな効能として、「ドライブ中の喧嘩が少なくなる」という事があげられます。
特にリーダーシップを取ることが大好きで、方向音痴の人が同乗していると大変です。偉そうにあっちだこっちだといった挙句に、道に迷うなんてことになれば、車内は不穏な空気に包まれてしまいます。
こんな時に正確なルートを案内してくれるナビゲーションがあれば、このようなトラブルを事前に避けることができます。
エネルギーを節約することができる
いくら燃費の良いエコカーに乗っていたとしても、渋滞に巻き込まれて延々とストップ・アンド・ゴーを繰り返せば、必要以上に多くのエネルギーを使います。
最近のナビゲーションシステムは、渋滞情報(VICS)と組み合わせることによって、その時間に一番早く目的地に到着する事のできるルートを示すことができます。これは、時間を節約する事に繋がるばかりでなく、クルマが使用するガソリンや電気を大幅に節約することにもなります。
様々な価格帯から選ぶことができる
当初、高額だったナビゲーションシステムも、技術の進歩とともにドンドン低価格化が進んでいます。というよりも、高額なハイスペックモデルと、簡易な普及タイプに二分化していると言ったほうが近いかもしれません。
20万円以上もするようなハイスペックモデルは、価格が高い代わりに様々な便利機能が装備されています。この他に10万円台の中堅モデル、5万円代の普及モデル。3万円以下の簡易モデルと最近は予算と目的に合わせて様々なモデルから選ぶことができます。
ナビゲーションのデメリット
以前のナビゲーションシステムは、「一式装着するのにビックリするほどの高額な費用が掛かる」というのが大きなデメリットでしたが、上の章でも述べた通り、様々な価格帯のナビゲーションが普及したことによって、このデメリットはほぼなくなりました。
頭が悪くなる(方向感覚や記憶力、状況判断)
現在、唯一のナビゲーションのデメリットといえば、「ナビゲーションを常用することによって頭が悪くなる」というくらいです。ナビの無かった時代は、紙の地図と自分の頭を使い、それでも分からなければ通りすがりの人に尋ねるといった方法を駆使して、なんとかルートを探す以外ありませんでした。
これに対してナビゲーションの場合は、スイッチひとつで簡単にルートを割り出すことができます。しかも、その後は美しいお姉さんの声でルート案内までしてくれるというサービスの良さです。
ただ、ナビがあると自分の頭をまったく使いませんので、方向感覚や記憶力、状況判断といった能力はどんどん衰えていきます。といっても、「1年に1回程度遠出をして、その時だけナビを使う」なんて人にはほとんど関係の無い話ですが。
故障や、バッテリー切れの時
方向感覚や状況判断能力が落ちていても、ナビゲーションが正常に作動していればなんの問題もありません。
ただし、ナビゲーションはいくら高性能になったといっても所詮は機械です。故障することもあるでしょうし、スマホにインストールするアプリの場合は、バッテリーが切れることで使えなくなる事もあります。
こんな時、普段からナビにばかりに頼っていた人の場合は、紙の地図をどう活かしたら良いのか有効な使用方法が分かりません。
こんな万が一のトラブルを避けるには、普段から「出発前に地図で大まかなルートを確認しておく」ということが大切になります。こうすれば、ナビを使った普段のドライブもよりスムーズにいきますし、万が一、ナビが失われたとしても何とか自力で地図を読み取ることができるはずです。