古い車はエンジンに電子制御装置が装備されていないため、エンジンをしっかりと温めてから走り出す「暖機運転」が必要でした。
これに対して現在販売されている車の場合は、エンジンが自動的にガソリンの濃度を調整して、エンジンの点火タイミングもコンピュータが制御するため、エンジンを始動してからすぐに走り出すことができます。
つまり、現在は走り出す前の暖機運転は必要ないのです。また近所迷惑や環境問題の面から考えても、騒音やCO2、NOxを撒き散らす暖機運転はするべきではありません。
暖機運転については以下の記事でもくわしくふれています。良かったら御覧ください。↓
参考:「暖機運転とは「車のウォーミングアップ」の事。ただし現在の車には必要ない。【運転のコツ】」
駆動系にはウォーミングアップが必要
暖機運転が必要無いといっても、エンジンオイルがエンジン内部に行き渡るためのわずかな時間は必要です。といっても、このために必要となる時間は10秒程度です。エンジンを始動してから各種警告灯をチェックしたり、前後左右の安全を確認していればすぐに過ぎてしまいます。
また暖機運転が必要なのは、なにもエンジンばかりではありません。トランスミッションや足回りなどの駆動系にもある程度のウォーミングアップが必要です。
特に古くなった車の場合は、こういったパーツが硬いうちに激しい運転をすると、偏磨耗や故障の原因をつくることになります。
そのため、始動して100mほどは30km/hくらいの速度でゆったりと走り、その後10分は「急」の付く運転は避けてください。
街中で休憩のためにするアイドリング
街中を運転していると、涼しい木陰に車を停めて、エンジンを掛けながらエアコンを全開にして休憩している人を見かけます。
営業車や業務用トラックの場合は、その場所以外に休憩する場所が無いこともあります。しかし、周りへの迷惑や環境問題を考えるともう少し配慮がほしいところです。
秋ろーの家の前には、車を停めるのにちょうど良い空き地があります。昼時になるとここに営業車やトラックが集まりガンガンエンジンを掛けっぱなしにして休憩しています。暑い時期はちょっと窓を開けて涼みたいところですが、こんな時は排気ガスが充満してしまってそれどころではありません。トラックのアイドリング音が大きすぎて、テレビの音も聞こえないほどです。
都会や都市近郊であれば、さらに状況は深刻です。アイドリングは昼時だけにおさまらず深夜にもおよびます。コンビニの駐車場に車を停めれば、必ず「アイドリングを控えてください」とか、「ドアの開け閉めはお静かに」といった注意書きがあります。こういった事からもどれだけ周囲の人に迷惑が掛かっているか分かるというものです。
アイドリングストップ条例に罰則は無い
東京都では無駄なアイドリングを禁止する「アイドリング・ストップ条例」が施行されています。といってもお巡りさんが積極的に取り締まりをしているわけではないので、実質的には放置されているといっても過言ではありません。特に罰則もありませんので、現状では努力義務といったレベルにすぎません。
といっても、アイドリングによって近所に迷惑がかかりそうな場合は、アイドリングを停止するとか、車を別の場所に移動して休憩するなどの配慮が欲しいところです。