今回の旧型レポートは「5代目 フォード マスタング Gリミテッド コンバーチブル」。
1993年から2005年に渡って製造販売されていた、Mクラスの2ドア・コンバーチブルです。日本市場では1994年から販売されています。
1964年に登場した初代マスタングは、アメリカの若者を中心として大きな人気を呼んだ、フォードの看板車種のひとつです。
この5代目は、1993年に登場した後、1999年に外観の変更を伴うマイナーチェンジが行われ、時代に合ったシャープなデザインに変更されています。
ただ、2016年にはフォードが日本市場から撤退。それに伴い、マスタングの最新型を日本で購入することはできなくなりました。
外観
全長4615mmX全幅1860mmX全高1390mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2570mmとなります。
フロント
乗用車的な四角いフロントノーズに、角型のシャープなヘッドライトが装備されます。アメ車らしい大らかな雰囲気がいい感じです。
サイド
前後のオーバーハングが長く、スポーティなクルマにしては腰高感が強いため、かえって、マスタングならではのリラックスした雰囲気が楽しめます。
リア
大きな角型のリアコンビランプに、格子状のリフレクター処理が施されます。リアバンパーの「MUSTANG」ロゴと相まって、アメ車らしい大らかでマッチョな世界観がしっかりと表現されています。
内装
曲線を貴重とした穏やかなデザイン。といっても、デザインと機能がしっかりと整理されているため、シックな落ち着きが感じられます。
シート
フカフカの快適なフロントシートです。クッションの芯にしっかりとしたコシがあるため、長時間座っていても身体が痛くなることはありません。
このシートには、電動でシート位置を調整する機構が装備されます。ただし、シートとステアリング、ペダルが離れているため、どんなに調整してもしっくりしたポジションが見つかりません。残念ながら、手足が長い人用の車です。
リアシートの左右にはソフトトップの開閉機構が収まるため、車幅に対して室内幅は狭めです。また、ソフトトップを閉めると、リアシートの頭上空間はギリギリといった印象です。
荷室
トランク開口部が小さいため、荷物の出し入れがしにくいです。といっても、二人で2泊3日程度の荷物なら充分収めることができます。
静粛性
ザラつきのある野太いV6サウンドが室内に響きます。
エンジンとミッション
3797ccのV型6気筒OHVエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、145ps/4000rpmの最高出力と、29.7kgf・m/2500rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1520kg。10モード/10・15モード燃費は、8.3km/lとなります。
エンジン
3.8LのV6エンジンで後輪を駆動。低速から力強いトルクを発生する実用的なエンジンです。アメ車らしい野太いサウンドを上げながら、1.5tのボディを軽々と加速させます。といっても、このエンジンは高回転型ではありませんので、トルクの割にスピードの伸びは控えめです。
トランスミッション
トルコン式の4速ATを装備。発進時にはトルクバンドを外して、若干もっさりとした印象です。エンジンの回転を低めに保ちながら、スムーズかつダイレクトに変速します。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪には4リンク式サスペンションが装備されます。
足回り
アメ車らしいフワフワとした挙動を伴うものの、乗り心地自体はソフトで快適です。
目地段差を通過しても、不快な入力は一切発生しません。
ハンドリング
後輪に古典的なリジッドサス(4リンク)が装備されるため、コーナリング中はフラフラとして落ち着きません。タイヤの限界性能が低く、ガツガツとしたスポーツ走行も苦手です。といっても、このコンバーチブルはそういた汗臭い走りよりも、ノンビリとしたクルージングの方が似合います。
評価のまとめ
大らかでリラックスした乗り味と、ユルユルのハンドリング。タップリとした低速トルク。大らかでマッチョなスタイリングによって、マスタングの世界観を存分に楽しむためのクルマです。
そのため、「もっと正確なハンドリングを」とか、「びしっとした直進安定性が欲しい」といった要望を持つユーザーを満足させる事はできません。
「アメ車らしいゆったりとした乗り味と、大らかな世界観が大好き」といった人にこそ乗ってい欲しい一台です。
価格
新車当時の価格 | 3,631,000円