車中泊といえば、大きなキャンピングカーやワンボックスカー、ミニバンなどを使った寝泊まりを想像してしまいます。
しかし、車中泊に興味があるからといって、いきなりこういった車を買える人は少ないでしょう。
そういう時は、今現在の愛車である「セダン」を使い、車中泊入門として手軽に旅を楽しんでみましょう。
ただし、室内スペースの限られたセダンを使って、快適な車中泊生活を送るにはそれ相応の工夫が必要になります。
セダンのシートは、運転に最適化されている
セダンには、車の運転に最適化されたシートが装備されるため、運転中であれば、適度なホールド感とコシのあるクッションによって、快適な座り心地が得られます。
また、シートバックにはリクライニング機能もありますので、疲れた時は椅子を倒して、短時間の仮眠を取ることも可能です。
ただし、この快適な座り心地のシートも、就寝時には寝心地の悪い最悪のシートとなってしまいます。
例えば、シートをフルフラットにして就寝する場合、ヘッドレストの辺りが腰に来るため、極端に腰に負荷が掛かかってしまいます。また、同時にリアシートの座面も前に行くほど反り上がるような形をしているため、腰の真ん中辺りに不自然な負担を掛けてしまいます。簡単に言うと、「凸凹とした不安定なベッドしか作れない」という訳です。
セダンの凸凹としたシートを快適なベッドにする工夫
といっても、ある程度の工夫と手間を掛けてやれば、セダンのシートも快適なベッドにすることが可能です。
例えば、運転席の足元や助手席の足元に、汚れても良いビニール製のシートを敷き詰め、その上にシートをフラットにするためのクッションを乗せてやります。また、薄いバスタオルや毛布を適度に折り曲げたり重ねたりする事で、シートの凸凹をある程度フラットに調整します。
シートがフラットになったら、その上にある程度の厚みを持ったマットレスを敷いていきます。これだけの工夫で、セダンのシートを快適なベッドへと作り変える事が可能です。
セダンの就寝人数は2人が限度
セダンの荷室空間には広大なスペースが確保されているため、荷物を積む場所に困ることはありません。万が一の場合は、ルーフにキャリアボックスを装備すれば、さらに沢山の荷物を積むこともできます。
ただし、セダンの室内空間の狭さだけは、どういった工夫を施してもどうする事もできません。そのため、運転中は4、5人の乗車も可能ですが、就寝中はどんなに頑張ってもせいぜい2人が良いところです。