テレビでF1の中継を見ていると、多くのスタッフがパドックで働いているのが分かります。しかし、F1チームで働いているのは、このパドックにいるスタッフだけではありません。F1サーキットの現場にいない裏方のスタッフまで含めると、その数は膨大なものになります。
F1の開催には沢山のスタッフが必要
F1の開催地に選ばれるためには、サーキット周辺にツインで4,000室の部屋を確保することが求められます。つまり、F1全体に関わる人員の数は、最低でも8,000人以上になるというわけです。
F1の開催には、それぞれのチームスタッフの他に、レースの運営スタッフ、スポンサー関係者、プレス、レースに関わる人達に食事を提供するスタッフなど様々な役割が必要なのです。
この中で、それぞれのF1チームに直接関わるスタッフは、チームごとに200人前後と言われています。このスタッフの中には、ドライバーはもとより、メカニックからチーム監督、食事の用意を担当する調理師、広報、パーツやタイヤを提供する会社のスタッフなど様々な人達が含まれます。
F1サーキット以外で働くスタッフも
また、F1でマシンを走らせるためには、それまでの準備も欠かせません。マシンの設計・開発から、実際にマシンを走らせて行うテストまで、これらの業務に関わる技術系のスタッフの他に、チームを運営するための広報や経理など事務系のスタッフも大勢います。
さらに大きな運営規模を誇るメーカー系チームの場合は、本社や研究施設で行う開発業務に1,000人近くの人員が関わることも珍しくありません。
最近、F1に再び挑戦をして話題を集めているホンダF1チームですが、F1マシンの開発に関わる人員は700人前後といわれています。F1マシンには数千点のパーツが使われており、メーカー系チームがそれぞれ一からこれらの部品を開発しているとすれば、このチーム人員でも多すぎるという事は無いのです。
零細チームの人員は限られている
こういった資金や設備、豊富な人員に恵まれているメーカー系チームに対して、小規模の零細チームの場合は、100人から200人程度という場合がほとんどです。
当然ながらこういった零細チームであっても、チームによってやらなければならない最低限の仕事量は同じですから、一人が沢山の仕事を兼務してなんとかやりくりしているのが実情です。
現在、「フォーミュラE選手権」という電気自動車によるレースに参加している鈴木亜久里率いる「スーパーアグリ」ですが、かつて2006年から2008年までは、F1レースに参戦していた事があります。当時のスーパーアグリは、160人前後という限られた人員でしたが、メーカー系チームを相手に(一時的にホンダを上回る程の)素晴らしい戦いを繰り広げていました。
チームの運営には膨大な数のスタッフが必要ですが、少人数の零細チームであっても、技術と工夫でなんとか乗り切れる事もあるのです。