レースの契約金やスポンサー料で莫大な金額を稼ぐF1ドライバーですが、その生活はいったいどんなものか気になりますね。
あれだけのお金を手にしている上に、言い寄って来る女性も星の数ほどいますから、「さぞや華やかで優雅な生活を送っているのだろう」と思いきや、実際の生活はかなりハードで過酷です。
レースの為に直接必要となるスケジュール
F1のレースはその年によって多少違いますが、基本的に十数回から二十回ほど世界中を転戦して行われます。「なんだ一年に十数回か、サラリーマンに比べたら随分少ないなあ」と思われるかもしれませんが、レースは決勝だけではありません。
日曜日に決勝が行われる場合は、金曜日の午前と午後にそれぞれ1回ずつ、フリー走行が行われます。また、土曜日の午前にもう一度フリー走行、午後になると予選に挑まなければなりません。また、このレースのための準備を考慮にいれると、金曜日に現地入りしたのでは間に合いません。通常はそれよりも2、3日早く、火曜日からチームと合流する事になります。
加えてレースの翌日は、過酷なレースを戦って消耗した気力と体力を回復させるために使いますから、レースがある週は基本的に1週間全部をレースの為に使う事になります。
これを今年2017年の場合は、年間20戦行いますので、140日間は完全にレースのスケジュールとして抑えられる事になります。
レース以外のスケジュール
「じゃあ残りの215日は全部休日なの?」と思われるかもしれませんが、残念ながらそういうわけにはいきません。この他にマシンのテストやトレーニング。マスコミ対応やイベントなどの仕事が入ります。
マシンテストは、F1サーキットに近い環境のテストコースに直接出向いて行います。
F1マシンのテストがよく行われるのは、スペインのヘレス・サーキットや、イギリスのシルバーストーン・サーキット。テスト期間が3日だとすると、移動や準備を含めてやはり1週間程度の時間は拘束されることになります。
トレーニングやイベントへの参加も、F1ドライバーの大切な仕事
F1レースに出場するためには、並外れた体力が必要になります。そのため、ドライバーは自分の体力を維持するため、日頃から過酷なトレーニングをこなし続けています。これはスケジュールというよりも、毎日の日課ですから、年間を通して毎日のように行っています。
この他にF1ドライバーは、マスコミ対応やスポンサーの主催するイベントなどにも参加しています。そう考えると、「地中海の高級ホテルで恋人とイチャイチャしながら、ノンビリと酒を飲んだり美味しいものを食べたり」といった優雅な時間は、年間を通しても数日しか取れないことになります。
F1ドライバーに必要なモノ
F1の世界は巨額のお金が毎日のように飛び交う世界ですから、一見するとドライバーも贅沢で優雅な暮らしを毎日のように繰り返していると思いがちです。
しかし実際には、過密なスケジュールを縫って、ストイックに自分を鍛え続ける人でなければ勝ち上がっていけない程厳しい世界です。
そのため常にトップに立ち続けるような天才ドライバーになるには、並外れた運と実力の他に、なによりも「F1が好き」といった強い気持ちが必要なのです。