今回の旧型レポートは「初代 オペル ヴィータ GLS 1.4 16V(2代目コルサ)」です。
この初代オペル・ヴィータ は、1995年にモデルチェンジしたコンパクトな5ドアハッチバックです。
欧州では「2代目コルサ」として販売されていました。日本のコンパクトカーに近い価格で販売され、ドイツ車的なしっかりとした乗り味とおしゃれな内外装が大いに受け大人気となっていました。
外観
全長3740mmX全幅1610mmX全高1440mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2445mmとなります。
コンパクトなボディに、緩やかなラインが組み合わされたキュートなスタイリングです。
フロント
むき出しの黒い樹脂がそのまま使われた実用的なバンパーが装備されます。日本市場ではこういったバンパーはあまり好まれませんが、全体をぎゅっと引き締める視覚的効果があります。軽く擦ったぐらいならそのまま乗り続けることができますので、秋ろーはこういった樹脂製のバンパーが大好きです。
サイド
薄いノーズに大きなキャビンが組み合わされた、伸びやかなサイドビューです。Cピラー(前から3番目の柱)に特徴的なRが施され、独特のリズム感を産んでいます。
リア
丸いなだらかな形のリアウィンドウに、大きな樹脂製の黒いバンパーが組み合わされます。バンパーの下端が路上からかなり上に配置されているため、クラシカルな腰高感があります。
モダンなデザインながら、妙な懐かしさを感じさせる不思議なスタイリングです。
内装
キビキビとしたラインワークで、デザインが整理されており、シンプルで実用的な内装デザインです。質感は高くありませんが、素材を活かしたキレイな内装です。
シート
ストロークのたっぷりとした分厚いシートが装備され、重厚感のある快適な座り心地です。長時間座っていても腰が痛くなることはありません。
後席の足元に広々感はありませんが、大人二人がなんとか座れるスペースを確保しています。シートには緩やかなアールがあり、長時間のドライブも快適です。
荷室
荷室の底が深くえぐられており、見た目以上に大きな荷室を備えます。リアハッチに連動したトノカバーや、分割可倒式のシートバックが装備され使い勝手も良好です。
静粛性
エンジンとミッション
1388ccの直列4気筒DOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、85ps/6000rpmの最高出力と、12.2kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1040kgで、10モード/10・15モード燃費は、11.6km/lとなります。
エンジン
1.4Lのツインカムエンジンで前輪を駆動します。欧州車らしい実用的なトルクのあるエンジンで、市街地など日常領域での力不足は感じられません。スムーズで気持ちのいいフィールを持ちます。
ただし、キツイ坂道や合流では、ガーガーとマナーの悪いエンジンノイズが高まります。
トランスミッション
エンジンを引っ張り気味に制御することで、力強いパワーを発揮させます。リズミカルで実用的なトランスミッションです。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
足回り
重厚感のあるゴツゴツとした硬い乗り心地です。段差では路面の衝撃をそのまま車内へと伝えます。高速安定も高く、長距離ドライブは得意種目です。
ハンドリング
素直で運転のしやすいハンドリングです。うねりの連続するワインディングでも、スイスイとミズスマシのように走り抜けます。
評価のまとめ
キュートなボディとキビキビした走りを持った、実用的な小型車です。同クラスの日本車と異なり、長距離ドライブでも快適にこなす事のできる素晴らしいシートが装備されます。
欧州で販売されているヴィータは、本来、「小さなエンジンと簡素な装備でおしゃれなボディを楽しむ」という庶民のための経済的な車です。
それを日本市場で販売するには、どうしてもコストを上乗せして、大きなエンジンと贅沢な装備のヴィータを持ってくるしかありません。そういった意味で、本来の素材の良さが少し薄まっている点が残念です。
同じドイツ製のポロと比べるとメカニカルな故障が多い印象です。ボディの建付けも弱く、長く乗っているとシャッキリ感が次第に無くなってきます。
価格
新車当時の価格 | 1,690,000円