車のライトは周りをしっかりと照らすためだけのモノではなく、他の自動車や人から自分の車をよく見てもらうためにも大切な装備です。
今回はこの自動車に装備されている各種ライト類について、安全に使うための小技をいくつかご紹介したいと思います。
太陽が低い位置にある時もヘッドライトを点灯する
自分の車を他の人からよく見てもらうためには、夕暮れ時、辺りが暗くなる前に早め早めにライトを点灯することが大切です。
またあたりが明るい時間帯であっても、朝方や夕暮れ前など、東西方向へ向かって車を走らせる時には、ヘッドライトを点灯したほうが安全です。
というのも、朝方や夕暮れ前は太陽が低い位置にあるため、逆光や順光に関わらず前後の視認性がいちじるしく下がるからです。
こういう時には、ヘッドライトを点灯することで、自車の位置を相手に強烈にアピールすることができます。
また、こういう状況では逆光の中に信号機が入ってしまい、今信号機が何色になっているか分からなくなる事があります。
そのため、不意に飛び出してくる赤信号側の車に対しては、こちらの場所をアピールすることで追突を未然に防止する効果も期待できます。
基本はハイビームで走る
ハイビームはロービームに較べると、かなり遠くまで照らすことができます。保安基準ではハイビームは100M先まで、ロービームは40M先の障害物を確認する機能が必要とされています。
そのため、夜間、道路上に人が歩いているという場合、ロービームではハイビームの半分以下、40M手前まで接近しなければ気づくことが出来ないのです。40Mというと結構な距離がありそうですが、実際に自動車が60km/hの速度で走っている場合は、3秒で50M進む計算になりますから、ちょっとよそ見をしているだけであっと言う間に衝突することになります。
このような事を未然に防ぐためにも、普段からハイビームで走るクセを付けたほうが安全です。もちろん対向車や前走車がいる場合は、ロービームを使うのがマナーというのは言うまでもありません。
対向車に道を譲る時には、ヘッドライトを消す
夜、対向車に道を譲る時、多くの人はパッシングによって相手に意思を伝えます。ただし、パッシングは相手に抗議の意思を伝える意味もあるため、紛らわしいタイミングで使うとどちらの意味で使っているのか分かりにくいといった事があります。
こういう場合は、ヘッドライトを消してスモールライトにします。これによって「お先にどうぞ」の意味をより確実に相手に伝えることができます。
左側の路肩に駐車する時は、左ウィンカーを使う
左側の路肩に車がずらりと駐車している時、この隙間を見つけて自分の車を駐車するといった場合には、ハザードよりも左ウィンカーをオススメします。
ハザードを使って駐車しようとすると、左側のウィンカーが他の車輌によって隠れた場合、後続車両からは右側のウィンカーを点滅させて「発進しようとしている」と誤解されるからです。
晴天の時にはフォグランプを使わない
夜、霧も無く、雨も降っていない状況で、フォグランプを煌々と照らしているドライバーがいます。フォグランプはいうまでもなく、霧や雨の時に使うライトです。
そのため晴天時の夜間に使うと、対向車からは眩しすぎて視界が幻惑されることになります。普段、対向車と前走車のいない状況では、ハイビームで遠くまでの視界を確保します。対向車が現れたらロービームに切り替え、フォグランプは使わないというのが安全なライトの使い方です。
フォグランプの光軸を調整する
逆に雨や霧の日は、フォグランプを有効に使うことで視界を確保することができます。特に霧の濃い日には、すぐ側のセンターラインをフォグランプで照らしてゆっくりと走行するしかありません。
そのため、こういった濃い霧に備えて、普段からフォグランプの光軸をセンターライン側にずらすという裏技があります。ただし、フォグランプの光軸を上目にしすぎると、対向車ドライバーの目に光が入り大変危険です。こういった慎重を要する作業は自分でやるのではなく、ディーラーの整備士に依頼した方が安心です。