今回は「新型 メルセデスベンツ GLE350 d 4MATIC Coupe」を試乗レポートいたします。
このGLEクラスクーペは、2015年に先行して発売されているGLEクラスをベースに開発された派生車種です。
また、ベースとなるGLEクラスは、2011年に登場した3代目Mクラスの名称変更により、2015年に登場したモデルです。つまり、フルモデルチェンジというより、マイナーチェンジに近い成り立ちの車です。
外観
全長4905mmX全幅2015mmX全高1730mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2915mmとなります。
Mクラスのボディをそのまま受け継いでいるGLEと比べると、GLEクーペはボディ後端がばっさりと削り取られた、今流行のクーペライクなクロスオーバーSUVです。
派生車種ということもあり、フロント周りの印象はベース車両のGLEと良く似ています。ただ、GLEクーペはより全高が低く抑えられており、また、車幅も広いワイド&ローでスポーティなスタイルです。
サイドビューは、端正でSUVらしいGLEに対して、GLEクーペは低く薄く、より流麗な印象のシルエットが与えられています。
リアビューは、薄く上品なデザインのリアコンビランプが与えられ、薄く絞り込まれたリアスタイルと相まって都会的でおしゃれな印象です。
対するベース車両のGLEは、より力強く重厚感のあるスタイリングが与えられています。
内装
インテリアのデザインはベース車両のGLEと基本的に共通です。クラス標準レベルの上質なデザインです。
メーターは弾丸型の風防が付いた、大きな2眼タイプが装備されています。
前席シートは、大きく厚みのたっぷりとした、メルセデスらしいしっかりとした座り心地のシートが装備されています。これなら、長距離の移動も快適です。
後部シートは、前席同様にしっかりとした造りのシートが装備されます。シートバックの高さ、座面の前後長ともに適度なサイズが確保されています。
また、後部に行く程ルーフが低く絞り込まれていますが、後部座席は着座位置が低めに設定されているため、膝元はもとより頭上空間の余裕も十分です。
トランクルームもこのクーペルックのせいである程度高さが制限されていますが、その分、奥行きが長く積載能力は十分です。また、後部座席を折り畳む事でさらに大きい容量の荷室を作り出すことも可能です。
ボディには遮音材がしっかりと施され、静かなディーゼルエンジンと相まって車内の静粛性は高いです。
エンジンとミッション
3L V型6気筒DOHCディーゼルターボエンジンと、9速ATが組み合わされます。
エンジンは、258ps/3400rpmの最高出力と、63.2kgf・m/1600〜2400rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、13.3km/lとなります。
低速域から63.2kgf・mという巨大なトルクを発生させており、2290kgの車重を感じさせない圧倒的な加速性能を持ちます。坂道や合流の際も力不足を感じることはありません。
また、低速トルクが太い分、高速域でもエンジン回転は低く抑えられ、ディーゼルエンジンとしては異例の静けさです。
組み合わされる9速ATの制御も素晴らしく、エンジンの力強いトルクバンドを常に維持してくれます。そのため、僅かなアクセル操作に対してもリニアに反応し、車と一体となったようなドライビングフィールを味わえます。
足回りとハンドリング
前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪には4リンク式サスペンションが装備されます。
タイトなコーナーが続く山道では、素晴らしいシャーシー性能を存分に使って、スポーティなドライビングが可能です。
また、ステアリングの追従性もよく、若干のロールを許容しつつも、サスの沈み込んだところでどっしりとボディを支える自然なコーナリング特性です。ステアリングを切れば車体は素直に方向を変え、気持ちのいいドライビングが楽しめます。
足回りのセッティングは、適度な柔らかさと剛性感の伴った快適な乗り心地です。SUV独特のゴトゴト感も少なく、段差の衝撃を奇麗にいなしてくれます。
評価のまとめ
スペシャリティで華やかな外観と運転の楽しさ、圧倒的なパワーと上質な乗り味が持ち味の贅沢で上質なクロスオーバーSUVです。
SUVの力強さや安心感は魅力的だが、スタイリングがちょっと暑苦しい、もう少し上品で都会的なデザインのSUVはないかと探していた人にピッタリな一台です。
また、普通のクーペではちょっと力強さが足りないと思っていた人にもオススメの車です。
価格
価格 | 8,900,000円(税込み)