ATFとはオートマチック・トランスミッション・フルードのことで、 ATをスムーズに作動させる際に用いられる重要なパーツです。このATFが不足していると、ATが正常に変速しなくなるなど、重大なトラブルの原因となります。
そのため、ATFは特に車両に不具合がなくても、半年に一回は定期的に点検する必要があります。
ATFの点検はエンジンルーム内にあるレベルゲージによって行い、基本的にはエンジンが温まっている状態(摂氏65度くらい)で行います。
レベルゲージに4つの切り欠きがあるタイプは、上側2つの切り欠きの間にフルードの液面があれば正常な状態です。下側2つの切り欠きはエンジンが冷えている時に測るためのモノです。
ATFチェックの流れ
レベルゲージを抜き取る
ATFの液量チェックは基本的に、エンジンオイルのチェックと同じ要領で行います。
ATFのレベルゲージは、エンジンルーム内、ミッション近くに設置されています。エンジンを暖機運転した後、ストッパーを外してレベルゲージを引き抜きます。この時、レベルゲージからATFが滴り落ちる事がありますので、予めウェスなどの布をゲージの周りに置いておきます。
レベルゲージを引き出したら、ゲージに付いているATFをウェスで奇麗に拭き取ります。
レベルゲージを再び穴に差し込む
レベルゲージが奇麗になったら、もとあった穴に再びゆっくりと差し込みます。この時、正確なATFの量を測るためには、ぐっと奥までしっかりとレベルゲージを差し込む事が大事です。奥までしっかりと差し込んだら、再びゆっくりとレベルゲージを抜き取り、ATFの液量をチェックします。
ATFの液量をチェックする
レベルゲージに4つの切り欠きがあるタイプは、上側の2つの切り欠きの間にATFの液面があれば正常範囲です。レベルゲージ下側の2つの切り欠きは、エンジンが冷えている時に測るためのゲージです。エンジンが暖気されている状態で測る方が正確なチェックが出来ますので、今回は使いません。
ATFの液量は、エンジンオイルのように使っているだけで徐々に減ってくるような事はありません。ATFが急激に減少している時は、安易にATFを継ぎ足さす、ディーラーやサービス工場の整備士に相談してください。
また、ATFの色が茶色や黒色に変色している場合は、AT自体になんらかの異常が発生しているか、ATFが使用期間を超過し劣化している可能性があります。そのまま使い続けると、ATやクラッチに過大な負荷が掛かり、大きな機械的損傷を受ける事があります。
この場合も、大至急ディーラーやサービス工場の整備士に相談して、点検及びATFの交換を受けてください。
ATF交換の時期と料金の目安
ATFの交換時期は車や乗り方により大きく変わります。概ね5万〜10万キロくらいでの交換を推奨しているメーカーが多いです。詳しくはそれぞれのディーラーにお聞きになるか、取り扱い説明書をご覧ください。
交換料金についても、車の排気量やフルードのグレードにより大きく変わります。純正フルードであれば、軽自動車で8000円くらい、普通車で9000円〜15000円くらいが目安になります。