安全な車間距離
日本の教習所では、車間距離の取り方を時速100kmだったら85m、時速80kmだったら65mと、時速から15引くと教わります。
速度が早くなるに従い車間距離が長くなるのは、車の速度が上がると人間の判断スピードや反応スピードが相対的に遅くなり、そのための距離を長くとる必要があるからです。
また速度が早くなればそれだけ車の制動距離も長くなってしまいます。これに加えて雨や雪など悪天候の時は、さらに長い距離が必要となるので、速度を落とす等のその条件に合わせた対応が必要です。
この車間距離を測定するには、高速道路上に車間距離の測定の為の標識がありますので、その標識を目安にすることで簡単に確認できます。
しかしこの方法では、計る事の出来る場所が限定されてしまいます。またセンターラインの数を数えるという方法もありますが、センターラインばかりに注意を向けていては、他の事がおろそかになり危険です。
そこで、最近使われている便利な方法が「車間時間2秒」という方法です。アメリカなど一部の諸外国でも、この「車間時間2秒」というルールを採用しています。これは、前車が通過してから2秒の間隔を開けて走るというルールです。
具体的には、路面の表示や標識などを目印にして、そこを前車が通過してから時間を計り始め、2秒以上経ってから自分の車が通過すれば、適正な車間距離が取れていると判断できます。
計り方は、時計でなくても構いません。自分の口で「ゼロいち」「ゼロに」と数えればちょうど2秒くらいになります。ただしゼロを付けないと少し速すぎてしまいます。
車間時間を使って危険回避
この車間時間2秒は統計的にも安全性が証明されていて、2秒の車間時間を開けている車は、2秒未満の車に比べて事故率が有為に下がっているというデータがあります。
しかし、車間距離が離れていればそれでいいかというと、そうでもなく、4秒以上離れているとかえって割り込み等を誘発しやすく、事故率が増えるというデータがあります。
また車間距離の実験から、人間がゆとりのある車間距離だと感じる距離は、1.8秒という事が分かっています。そういった面からも「車間時間2秒」は適切な距離だという事が分かります。
この車間時間の便利な所は、高速道路だけではなく、通常の市街地の道路など、様々な速度レンジの道路で同じ「車間時間2秒」が適用できる点です。
時計や標識が無くても、いつでもどこでも自由に車間距離を確認する事が可能です。