今回は「新型メルセデスベンツ GLAクラス GLA250 4MATIC(X156)」を試乗レポートいたします。
2013年に登場したブランニューモデルです。日本市場では2014年より発売されています。
外観
全長4430mmX全幅1805mmX全高1505mmのボディサイズを持ちます。またホイールベースは2700mmとなります。
外観はAクラスとほとんど変わりません。細かなボディの抑揚や加飾パーツ、ルーフレール等で差別化がはかられています。
頭が大きくて鈍重なイメージのAクラスですが、オフロードテイストに仕上げられる事で随分と引き締まって見えます。
実際は、若干最低地上高が上げられていますが、その高さは150mmと普通のハッチバックなどと変わらないレベルです。
そのおかげで、立体駐車場にも入るコンパクトさを維持しています。
フロントはAクラスよりも車高を上げ、大胆なデザインのフロントバンパーを装着する事で、ワイルドなスポーティ感を作り出しています。
サイドビューはオフロード風フェンダーや、Cピラーの形状、ショルダーラインの跳ね上げ方などにAクラスとの違いが見受けられます。
リアビューも基本的な造形は同じですが、リアコンビランプやリアアンダーカバーなどに凝ったデザインを施し、ワイルドで上質なプレミア感を演出しています。
内装
Aクラスとほとんど同じ内装デザインです。質感についてもAクラスと同じく、クラス標準的なものです。
前席はサイズも厚みもたっぷりとしていて、身体をしっかりとホールドしてくれる快適なシートです。
これなら、長距離の移動も苦になりません。
GLAでは、Aクラスに比べてリアオーバーハングが伸ばされ、それに伴いルーフエンドも後方に延長されているので、後席は若干Aクラスより広めです。またCピラー(一番後ろの柱)がより後方に位置しているため圧迫感も少ないです。
室内の遮音性は高く、ロードノイズや風切り音の侵入は最小限です。
エンジンとミッション
2L直列4気筒DOHCターボエンジンと、7速DCTが組み合わされます。
エンジンは、211ps/5500rpmの最高出力と、35.7kgf・m/1200-4000rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、14.0km/lとなります。
低速トルクが厚く扱いやすいエンジンです。日常域でも余裕があり、1470kgのボディをいとも簡単に加速させて行きます。
ただ、高回転型のエンジンではありませんので、ある程度まで回すとトルクは頭打ちとなります。
若干低速でもたつく傾向はありますが、クラッチの繋がりがスムーズでトルクの沸き上がりもリニアです。
DCTの制御にギクシャク感はありませんが、DCTならではのダイレクト感が希薄です。
エコモードは、早いタイミングでポンポンとシフトアップする燃費重視のシフトスケジュールです。Sモードは、低いギアで高回転まで引っ張るスポーティなセッティングです。またマニュアルモードは、任意のギアをドライバー主体で選択しながら走る自由度の高いモードです。
エコモードでは、前述のもっさり感が増しますので、気になる人はSモードかマニュアルモードを選択するといいでしょう。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。
エンジンの嫌な振動は伝えず、運転に必要な路面情報は的確に伝える上質なステアリングフィールです。応答遅れの無い一体感のあるハンドリングで、Aクラスの美点であるキビキビ感も失われていません。
逆にAクラスのウィークポイントであった、路面の突き上げ感は少し改善されています。最低地上高が高くなったことにより、サスストロークが伸びて、足回りの懐が深くなったのが理由です。
足回りの特性は硬すぎず柔らかすぎない、引き締まったしなやかなフィールです。スタビリティも高く、矢の様に直進していきます。
その他
車高が高くなったといっても、最低地上高は150mmと普通のハッチバックと変わりません。本格的なラフロードに入るには4WD性能よりもこの最低地上高が大切ですので、オンロードだけの使用に限定した方が無難です。
評価のまとめ
最低地上高が少しだけ上げられ、Aクラスのネガだった突き上げ感や、ピョンピョン跳ねる感じが少し改善されています。
Aクラスが欲しかったけど、あの乗り味がどうも苦手て敬遠していた、という人などにはオススメの一台です。
また、若々しくおしゃれなプレミアムSUVに乗りたいという人にもピッタリな車です。
価格
価格 | 4,770,000円(税込み)