【コラム】ホイールベースの違いで車の性格が決まる

自動車ホイールベース画像

ホイールベースとは、車の前輪の車軸と、後輪の車軸の間の長さのことです。
まず車を設計する時には、このホイールベースを始めに決めるといわれるほど、車の性格を決定づける重要な要素のひとつです。
僕も新しい車が発表されると、まず最初にこのホイールベースを確認します。

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ロングホイールベースの特徴

このホイールベースが長いと、車の乗り心地は良くなり、直進安定性は高く、室内は前後に広くなります。
ベンツやロールスロイスの高級車が、ホイールベースを3メートル以上と長くしているのはこの為です。
しかし、デメリットとしては内輪差が大きくなるため、小回りが効かなくなるという事があります。

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ショートホイールベースの特徴

またホイールベースが短くなると、小回りが効き、ハンドリングが俊敏になります。
このショートホイールベースは、ハンドリングの効きが重要なスポーツカーに多く採用されています。
昔のフェラーリは、黄金比のように2400mm前後のホイールベースを守っていました。
しかしデメリットもあり、前輪が段差を超えた後、すぐに後輪が段差に乗るため、乗り心地が悪くなります。車内も前後に短くなり居住性が悪くなります。
船で例えると、タンカーや巨大な空母は少々の荒波でもびくともしないのに、小型ボートは港から出られない程揺れてしまうのと同じ原理です。

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徐々に長くなっていくホイールベース

近年日本ではこのホイールベースが、拡大傾向にあります。
モデルチェンジの度に少しずつボディ自体が大きくなり、それに伴ってホイールベースも大きくなっています。
軽自動車でも、ボディ規格ぎりぎりまで四隅にタイヤを追いやって、ホイールベースを稼いでいます。
理由は、始めに言った通りで、居住性や乗り心地、直進安定性を良くする為です。また、ボディを大きくして衝突安全性を高めるという事もあります。

しかし、VWのポロのホイールベースが2470mmなのに対して、ホンダのNBOXやNONEが2520mmというのは、いくらなんでも長すぎる気がします。
トヨタのヴィッツでも2510mmしかありません。

このホンダのロングホイールベース好きは1990年以降の傾向ですが、他の軽自動車メーカーが、2400mm台に抑えていることを考えるとやりすぎです。
軽自動車でホイールベースを長くすると、居住性や直進安定性が良くなりますが、そのメリット以上に、「小回りが効かない」「小型車らしい快活なハンドリングが得られない」といったデメリットの方が多く、車のバランスが崩れてしまうからです。

ダイハツやスズキが、細かく車種ごとにホイールベースを使い分けているのに対して、ホンダは「NBOX」と「NONE」というキャラクターの違う車で、共通のホイールベースを採用しています。
おそらく、広大な居住性と荷室空間が売り物の「NBOX」を先に開発し、後から開発した「NONE」のホイールベースを共通化して、コストダウンするのが目的なのでしょう。

しかし始めに書いたように、このホイールベースは車の性格を決める重要な要素ですから、安易に共用するのは危険だと思います。
現に、他のメーカーでは、違う車種でフロアの共用はしていますが、車のキャラクターによってホイールベースの長さを使い分けています。

このホイールベースのロング化の流れは、メルセデスベンツ190以降に始まったといわれています。
確かにこのメルセデスベンツ190は、当時の小型車としては異例に室内が広く、素晴らしい乗り心地と直進安定性を得ていました。
単にロングホイールベース化が悪いのではなく、その車のキャラクターに合っていないというのが問題なのです。

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)